「SIMエラー」を昭和的に解決したぜ!!

　ある日突然、iphoneの画面に「SIMエラー（改行）OK」と表示がでた。
　あれ、なんだ、これはなんだ、だんながなんだ、と、とりあえず、右ボタンを押しスリープ状態にして、再度目覚めさせてみた。
　画面の右上の4本のアンテナの強弱をしめすアニメがグラフの根本の部分で右往左往している。
　立つんだ、立つんだ、立つんだジョー、と完全に身体に染み込み常套句となった言葉が自然に口からもれる。丹下段平の叫び虚しく、また「SIMエラー（改行）OK」と表示された。wifiの1/4円弧のグラフはしっかりと広がるので、ネットで調べることを思いつく。

まあ、ちょろいちょろいmac歴30年のオイラをなめんじゃないよ。と、この時点では高をくくりまくりである。macのトラブルをなんども経験しているので、解決法の予想はついたが、大人の態度として「SIMエラー」と入力、ググってみる。

　ふーん、やっぱそんなとこだよね。
　予想通りの解決方が載っていたい。
　唯一予想外だったのが、OSを最新にupしろ、という司令。
　あとは、再起動とSIMカードの入れ直し。
　仕方がない、wifiが生きてるうちにOSをupdateするか。これ使い勝手が変わるから嫌なんだよなぁ、とブツクサいいながらイヤイヤ行う。
　終わってもアンテナは立たない。
　はいはい、OSをupしたあとの再起動は常識だよね。とまだ余裕である。
　右スイッチと左スイッチを同時に押しながら、
　「エヴァ、完全に沈黙」などと余裕のパロディを口ずさんでみる。
　「エヴァ、再起動」といいながら再起動させたのは言わずもがなだな。
　カモン、カモン、カムカムエブリバディなどといいながらアンテナに注目したが、やはり右往左往のち「SIMエラー（改行）OK」と言ってくるのさ。
　しょうがないなぁ、とゼムクリップの形状を変形させながら、SIMカードを一旦離脱させることにする。
　「エントリープラグ強制離脱」・・・もう自分でも苦笑しながらパロディをつづける。SIMカードを一旦トレイから外し、すぐに乗せ直してエントリープラグ、、じゃないSIMトレイを挿入してみる。
　これでOKと思いきや、一瞬たちかけたアンテナが10秒ほどで沈みまた「SIMエラー（改行）OK」と表示されてしまった。

　正直少し焦り始める。焦り始めるのだが、原因がわかった。
　これはSIMカードの接触不良に違いない。
　はは〜ん、じゃ、あれだな、なめんじゃないぞ、と呟きながらもう一度ゼムクリップを使いSIMカードを取り出す。
　オレは貧乏で持っていなかったけど、ファミコンのカセットで接触不良がよくあったことを知っているぞ。もちろん解決法も知っているさ。ガキどもはみんなあれで治していた。

ふぅーーーーーーーー、ふぅううううううう

　思いっきり息を吹きかけるんだ!!
　合理的理由なんか知るもんか。なんとなく、ゴミを吹き飛ばしたり、湿気によって電通をよくしたり、、、そんなイメージだ。実際にそれで動き出すんだから理由なんかイメージでいいだろ。
　それが昭和なんだよ。
　だいたい、電波が弱くてアンテナが1本しかたたない場所でスマホを振っているのをみるだろ？
　あれ、みんな昭和だぜ。合理的理由なんかないんだよ。理由は昭和そのものなんだよ。昭和で育った体得であり、そのまま体質になっているんだよ。

　よし、OK。1分たってもアンテナが落ちない。完全復帰だな。こんなもんだ。わかったか、これが昭和の知恵なんだ。
　まったくいまどきのネット情報はなってないな。解決方法に、SIMカードに強く息を吹きかける、ってのも付け加えとけよ素人がっ!!
　と、毒づきながら、でも上機嫌で出かけることができた。

　待ち合わせ場所につき、何かトラブルがあってもスマホが復帰したから電話連絡でも大丈夫と、ポケットからスマホを取り出す。と、またアンテナが右往左往しているではないか？
　流石にちょっと焦った。再起動しても5分で落ちてしまう。2−3度繰り返して同じだった。
　やっぱり昭和の浅知恵かぁ。これで明日は販売店に持ち込みか〜、つまらぬスケジュールが追加され落胆である。
　販売店でまたいろいろ言われたり、言ったりが面倒で仕方ない。
　せっかくのお出かけなのに、うんざりだな。
　まあどうせ、販売店にもっていかなければならないなら、最後の手段を試してみるか。
　どうせオイラは昭和だしな・・・・もうどうなってもいいや。

左手でスマホを持ち、右手で右45度斜め上からどついてから、再起動した。

　あれから3日、スマホは何事もなかったようにアンテナが立ち続けている。やはり伝説の斜め45度は右フックは健在だったんだ。昭和の知恵は生きていた。昭和＼(^o^)／である。
　ネットの物知り顔で専門家気取りの奴ら、SIMエラーの解決には、斜め45度からの右フックも付け加えておけよ。

※なお、昭和の知恵は当たるも八卦当たらぬも八卦的なところがあります。
　お試しになる場合はあくまで自己責任にてお願いいたします。
　結果が裏目にでても一切の責任を置いかねますのでご了承のほどを、てへぺろ。