芥川賞全て読む放送作家📺

深夜バラエティ・ラジオ等を担当する20代構成作家。小説が好きで学生時代は月20冊ほど読…

芥川賞全て読む放送作家📺

深夜バラエティ・ラジオ等を担当する20代構成作家。小説が好きで学生時代は月20冊ほど読んでいました。ふと思い立ち歴代『芥川賞』受賞作をすべて読むことに。放送作家らしく?番組ラテ欄(EPG)の文字数で、作品を紹介しています。(週1更新/ネタバレなし)

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  • 芥川賞ラテ欄

    歴代『芥川賞』受賞作を番組ラテ欄(EPG)の文字数でまとめて紹介しています!(最終的に全作紹介予定です)

最近の記事

第154回受賞作『異類婚姻譚』(本谷有希子/講談社)

第154回受賞作『異類婚姻譚』(本谷有希子/講談社)を…番組ラテ欄っぽく紹介! 【80文字】 自分と旦那の顔がそっくりになってきた▼男を人間をやめたい旦那・自堕落で引きずられる妻▼互いの境界が曖昧になり個は溶け人間の形から崩れ…▼日常を異化する現代の寓話 【200文字】 自分と旦那の顔がそっくりになっていることに気づいた私▼別人のはずなのに一緒に暮らすうち互いの境界は曖昧になり個が溶け混ざり合う▼そんなある時…旦那の目鼻が勝手に顔中を自由に動いたり自分を真似ていること

    • 第154回受賞作『死んでいない者』(滝口悠生/文藝春秋)

      第154回受賞作『死んでいない者』(滝口悠生/文藝春秋)を…番組ラテ欄っぽく紹介! 【80文字】 85歳の老人の通夜に集まった30人の親族・友人▼それぞれの人生の記憶や思いの断片を淡々と描く▼自在に変わる視点と纏まりのない幾多の意識の流れが「生」を浮き彫りに 【200文字】 85歳の老人の通夜に集まった30人の親族・友人▼普段は異なる社会に暮らし互いの関係性の認識すら曖昧な子・孫・曽孫▼それぞれの視点から各人の人生の記憶や思いの断片を淡々と描く▼就職せず祖父と暮らして

      • 第155回受賞作『コンビニ人間』(村田沙耶香/文藝春秋)

        第155回受賞作『コンビニ人間』(村田沙耶香/文藝春秋)を…番組ラテ欄っぽく紹介! 【80文字】 コンビニバイト歴18年・恋愛経験なし36歳の恵子▼幼少期から周囲に「異常」と見られ悩む彼女が唯一「均一な社会の歯車」になれる場所▼普通を追い求めた先の奇怪な結末 【200文字】 コンビニバイト歴18年・恋愛経験なし36歳の恵子▼友達の喧嘩を止めるためスコップで殴る…幼少期から「普通」が分からず周囲に「異常」と見られ悩む彼女▼マニュアルが存在し唯一「均一な社会の歯車」になれ

        • 第156回受賞作『しんせかい』(山下澄人/新潮社)

          第156回受賞作『しんせかい』(山下澄人/新潮社)を…番組ラテ欄っぽく紹介! 【80文字】 有名脚本家が主催する北海道の演劇塾▼自給自足の過酷な共同生活を送る若者の等身大の青春を淡々と語る▼一人称でありながら空間や他者との境界を超える自由視点▼富良野塾 【200文字】 有名脚本家主催の北海道の【谷】にある演劇塾▼何となく俳優に憧れ入所した19歳スミト▼農作業に建物造りに馬の世話…田舎で自給自足の過酷な共同生活を送る若者たち▼【先生】との軋轢・先輩や同期の人間模様・地元

        第154回受賞作『異類婚姻譚』(本谷有希子/講談社)

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        • 芥川賞ラテ欄
          14本

        記事

          第157回受賞作『影裏』(沼田真佑/文藝春秋)

          第157回受賞作『影裏』(沼田真佑/文藝春秋)を…番組ラテ欄っぽく紹介! 【80文字】 盛岡に出向し働く男が唯一心を許せる同僚▼突然会社を辞め疎遠になり寂しさを募らせる▼そして「あの日」が▼男が同僚を捜すと…彼の知らない「影の顔」が浮き彫りに▼震災 【200文字】 盛岡に出向し働くわたしが唯一心を許せる同僚の日置▼しかし突然会社を辞め音信不通に…久々に再会した彼はどこか雰囲気が変わっていた▼疎遠になり寂しさを募らせるわたし…そして「あの日」が訪れ彼は再び姿を消す▼行方

          第157回受賞作『影裏』(沼田真佑/文藝春秋)

          第158回受賞作『百年泥』(石井遊佳/新潮社)

          第158回受賞作『百年泥』(石井遊佳/新潮社)を…番組ラテ欄っぽく紹介! 【80文字】 印チェンナイに百年に一度の大洪水▼道に溢れた川底の泥の中には「人々の百年の記憶」が▼いるはずない「記憶の中の人」や「思い出の品」が続々と▼マジックリアリズム小説 【200文字】 ▼日本語教師としてインド・チェンナイに渡った私▼街に百年に一度の大洪水が▼道に溢れた川底の泥には「人々の百年の記憶」が入り混じっていた▼泥の中から「いるはずない記憶の中の恋人」を見つけ再会する人々や「あるは

          第158回受賞作『百年泥』(石井遊佳/新潮社)

          話題作!『推し、燃ゆ』(宇佐見りん/河出書房新社)

          話題作!『推し、燃ゆ』(宇佐見りん/河出書房新社)を…番組ラテ欄っぽく紹介! 【80文字】 推しアイドルが傷害で炎上▼社会に適応できない高校生・あかりは彼を推し没入することだけが生きる糧だった▼逃避でも依存でもない…世間から歪とされるオタク心理を言語化 【200文字】 推しアイドルが傷害事件で炎上▼高校生あかりは推しを解釈し没入することだけが生きる糧だった▼「寝起きするだけでシーツに皺が寄るように、生きているだけで皺寄せがくる」勉強もバイトも日常生活もままない・家族か

          話題作!『推し、燃ゆ』(宇佐見りん/河出書房新社)

          第158回受賞作『おらおらでひとりいぐも』(若竹千佐子/河出書房新社)

          第158回受賞作『おらおらでひとりいぐも』(若竹千佐子/河出書房新社) を…番組ラテ欄っぽく紹介! 【80文字】 子は疎遠&夫は死別で孤独に暮らす74歳▼内なる声と会話し人生について自問自答の日々▼反省と後悔をする中「自分を生きる意味」に気づいていく▼老いの境地を軽快に描く 【200文字】 老いに抗いながらひとり暮らす74歳の桃子さん▼いくつもの「内なる自分の声」と会話し人生について自問自答する日々▼愛を注いで育てたつもりだった子とは疎遠に▼愛しぬいた夫とはあっけなく

          第158回受賞作『おらおらでひとりいぐも』(若竹千佐子/河出書房新社)

          第159回受賞作『送り火』(高橋弘希/文藝春秋)

          第159回受賞作『送り火』(高橋弘希/文藝春秋)を…番組ラテ欄っぽく紹介! 【80文字】 のどかな山間の町へ引っ越した東京の中学生▼田舎の閉塞的で歪んだ人間関係▼馴染んだように見える彼に静かに迫る不穏な気配▼美しい風景と逃れられない暴力のコントラスト 【200文字】 のどかな津軽の山間の町へ東京から越してきた中3・歩▼待っていたのは町の風景とは裏腹の10代特有の暴力性をはらんだ狭く歪んだ人間関係▼リーダーの晃と虐げられる稔…万引き・危険な賭け・首絞め遊び・劇薬…戸惑い

          第159回受賞作『送り火』(高橋弘希/文藝春秋)

          第160回受賞作『ニムロッド』(上田岳弘/講談社)

          第160回受賞作『ニムロッド』(上田岳弘/講談社)を…番組ラテ欄っぽく紹介! 【80文字】 仮想通貨を採掘するSE中本と元作家志望の先輩▼発展続ける社会への虚無感▼先輩が描く…完璧な世界で全てを手にいれた男ニムロッドの終末▼人の価値▼人は取り替え可能か 【200文字】 仮想通貨を採掘するSEナカモト▼実態がないのに価値が上がる様に面白みを感じると共に覚える違和感と虚無感▼発展し続ける社会はどこへ向かうのか▼元作家志望の先輩荷室が描く…完璧に到達した世界で全てを手に入れ

          第160回受賞作『ニムロッド』(上田岳弘/講談社)

          第160回受賞作『1R1分34秒』(町屋良平/新潮社)

          第160回受賞作『1R1分34秒』(町屋良平/新潮社)を…番組ラテ欄っぽく紹介! 【80文字】 気持ちが弱く才能もなく情熱失いかけの21歳ボクサー▼自我に溺れゆく中ある出会いが彼を醒めさせる▼1勝のため自分を取り戻すため全てを壊し己と向き合う▼身体性言語化 【200文字】 負けが続く21歳プロボクサー▼気持ちが弱く特別な才能もない自分に嫌気がさし惰性で続けるもどこかボクシングにしがみついている▼自我の渦に溺れそうになりトレーナーにも見捨てられた彼の元にある男が▼「おま

          第160回受賞作『1R1分34秒』(町屋良平/新潮社)

          第161回受賞作『むらさきのスカートの女』(今村夏子/朝日新聞出版)

          第161回受賞作『むらさきのスカートの女』(今村夏子/朝日新聞出版)を…番組ラテ欄っぽく紹介! 【EPG80文字】 近所で有名な謎多き女と女の生活を観察するわたし▼気づかれず誘導し自分の職場に就職させる▼軋轢を生む女と観察を続ける歪んだわたし▼予想外の展開へ▼狂気と滑稽が共存 【EPG200文字】 小柄で肩までパサパサの黒髪が垂れ下がった「むらさきのスカートの女」は近所でちょっと有名な謎多き女▼人と交わらず孤独に暮らす女と「友達になりたいわたし」は彼女の生活を日々そっ

          第161回受賞作『むらさきのスカートの女』(今村夏子/朝日新聞出版)

          第162回受賞作『背高泡立草』(古川真人/集英社)

          第162回受賞作『背高泡立草』(古川真人/集英社)を…番組ラテ欄っぽく紹介! 【EPG80文字】 先祖代々暮らしていた離島の家に草刈りに訪れた一家▼草刈りをキッカケにかつての住人や家にまつわる物語が動き出す▼家を捨て満州へ渡った家族▼カヌーで流れ着いた中学生 【EPG200文字】 先祖代々暮らしていた長崎の離島の家に一家で草刈りに訪れた奈美▼草刈りをキッカケに奈美の何気ない1日とかつての住人や家を巡る様々な時代の物語が交錯する▼満州に希望を見出し島を去った家族▼蝦夷へ

          第162回受賞作『背高泡立草』(古川真人/集英社)

          第163回受賞作『首里の馬』(高山羽根子/新潮社)

          第163回受賞作『首里の馬』(高山羽根子/新潮社)を…番組ラテ欄っぽく紹介! 【EPG80文字】 沖縄で郷土資料館の資料整理を手伝いながら「孤独な外国人にモニター越しでクイズを出す」珍仕事をする未名子▼迷い込んだ「幻の馬」が閉塞感を覚える彼女の人生観を変える 【EPG200文字】 舞台は沖縄▼老年の民俗学者の「郷土資料」館の資料整理を無給で手伝う未名子▼本業は世界各地の「孤独な外国人にモニター越しでクイズを出題する」珍仕事▼孤独と閉塞感を覚えながらも打破出来ず静かに暮

          第163回受賞作『首里の馬』(高山羽根子/新潮社)

          第163回受賞作『破局』(遠野遥/河出書房新社)

          第163回受賞作『破局』(遠野遥/河出書房新社)を…番組ラテ欄っぽく紹介! 【EPG80文字】 私生活は完璧&将来も安泰!でもどこか虚無感を抱く大学生▼少女との出会いがもたらす因果応報で不条理な『破局』とは▼自らをどこか他人のようにつき放つ「観察者」的語り 【EPG200文字】 スポーツマン&彼女アリ&将来安泰と完璧!でもどこかで虚無感を抱く大学生・陽介▼倫理観が強く社会に憤る一方で性欲に従順でエゴな一面も▼ある日1人の少女と出会った事で運命が思わぬ方へ転がりだす▼彼

          第163回受賞作『破局』(遠野遥/河出書房新社)