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㊶ミャンマー情勢(2024年が経済の限界か?)

前回のミャンマーオワタの続きです。

ミャンマー経済は危機的状況ですが、2024年に起きている不穏な動きを報告します。

世界銀行レポート(2024年6月12日)

世界銀行がレポートを公表しました。ミャンマーの経済状況が1番よくわかる資料ですので、最新の情報にキャッチアップしたい場合は、参考にしてください。

少しだけ内容を紹介します。

経済見通し(発展停止国)

ミャンマーの2019年の実質GDP成長率は、6.6%でした。
しかし、2020年、2021年とそれぞれ、マイナス9%、マイナス12%となっています。

21年にようやくプラス成長に転じますが、それでも、たった4%です。

23年はわずか1%で、24年の予想も1%と発展しない途上国、すなわち、発展停止国になってしまいました。

インフレ率も高く、23年は26.5%、24年は18%です。

最近、物価上昇が著しい日本の23年のインフレ率は、2.7%だったので、ミャンマーの物価上昇がいかに深刻で、早いかわかります。

電気不足(停電の深刻さ)

停電時間(blackout hours)が以下の表にまとまっています。

縦軸が、1日=24時間あたり、何時間停電しているかを表しています。

例えば、ヤンゴンの工業地域エリア(黄色い線)では、24年4月末時点で1日20時間以上停電しています。ヤンゴンの住居エリア(緑色の線)では、1日12~13時間停電しています。

電気が来るのは、奇跡です。電気がこない時間は、非常用の自家発電機(ディーゼル油を使用)をずっと使用しています。


国家予算の配分(軍事費が大幅増加)

国家予算の支出割合の変化の図です。
軍事費(予算全体の17%)が大幅に伸びています。少数民族に空爆しまくっています。その代わり、福祉や教育関連予算は減少しています。

さて、世界銀行24年6月レポートの紹介しましたが、本題である2024年がミャンマー経済の最後ではないか、と思われる現地の事案を紹介します。

ミャンマーは、以前2013年ごろは、Last Frontier(ラストフロンティア)と呼ばれました。2024年には、Lost Frontier(消えたフロンティア)になってしまいました。

軍のお金がない

2024年は、政府の予算案を明かさなくなりました。
政府の予算が相当厳しい状況であるためと言われています。

多額の金銭を巻き上げられる

日本語学校の経営者から聞いたことですが、今月に、大手の日本語学校の経営者が、ミャンマー労働省に対して、多額の支払いを求められているようです。儲かった金額に対して、もっと手数料を支払うべきであると言われているようです。
ミャンマーは、以前の1988年以降の軍事政権でも、お金のある企業や団体をカツアゲして、金をむしりとっていたようですが、また、2024年に同様の状況になっています。

会社もかつかつ

企業のお金もないようです。本当に金銭的に厳しい企業の経営者が、お金を工面するために、パートナーの日本企業に対して、お金を借りたいと言ってくる始末のようです。

ミャンマー経済全体のパイが縮小するなか、軍は取り分を増やしています。

2024年になって、ますます、ミャンマーの経営者は、自分のパイ(金銭)を強制的に軍に取られる恐怖に怯えています

しかし、歴史は繰り返します(history repeats itself)

経営者の富は真っ先に狙われ、貪り取られます。

これが、ミャンマーの2024年の経済状況です!!!

この続きは、以下の記事になります!


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