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【書評/音声コンテンツstand.fm】子育て×読書 第5回 パラダイムの魔力 ジョエル・パーカー著


みなさん、如何お過ごしでしょうか?
音声コンテンツの配信を初めてもうちょいで3ヶ月になります。音声の配信は割とコンスタントにリリース出来ているのですが、文字起こし+肉付けの知見となると、だいぶ筆が遠のいてしまっています。まだまだですね・・・

さて、今回は第5回で収録を致しました、ジョエル・パーカー著、パラダイムの魔力という書籍について、今のアフターコロナの文脈も交えて書いていきたいと思います。

この書籍は結構古いです。私も入手したのは10年以上前だと記憶しています。初版1995年、日経BPから出ています。書籍のタイトルにもある通り、パラダイムの魔力って気になりますよね。

恒例ではありますが、東大読書の西岡壱成さんの仮設読み/記者読み~から入っていきましょうか?

副題に「成功を約束する創造的未来の発見法」と書いてありますね。発見法??ですか・・・ちょっと副題が抽象度が高いのでこの文章を読んだだけでは一体何が主張なのか分かりませんよね。

という事で本編に入っていきたいと思います・・・

【Stand.fm 第5回に収録しております↓】


◯パラダイムとは?

パラダイムという言葉を聞いたことある方も多いでしょうか?私はスティーブン・R・コヴィ氏の7つの習慣の中で良く使われている印象も強いのですが、パラダイムという概念の生みの親的な方がいるみたいですね。

トーマス・クーンというアメリカの哲学者・科学者の名前を聞いたことがある方はいらっしゃいますでしょうか?1962年に科学革命の構造という書籍で初めて語られたと言われていますね。クーン自身は研究対象を一般的に通常科学と異常科学に区別するために用いた概念のようですが・・・実際はパラダイム転換、パラダイム・シフトという言葉で多くの書籍や文脈で語られるようになりました。ただクーン自身は自身の領域を超えて使用される事についてあまり、良く?思っていなかったようですね。

ちょっとネットではどの様に説明されているんですかね?
Google先生で検索すると一番上に下記の様な内容が表示されました。

1.
哲学
(科学上の問題などについて)ある時代のものの見方・考え方を支配する認識の枠組み。
 「地動説は天動説に対する―の革新だった」
2.
文法
語形変化の一覧表。活用表・格変化表など。

はい。ある時代のものの見方・・・コモンセンスの様なことなんでしょうか・・・通常一般的に知られている考え方、共通認識、一般常識・・・など・・・イデオロギーたは明らかに違いそうですね。フレームと言うべきか枠組みというべきか・・・なかなか理解することは出来ても使い慣れていないとパラダイムという言葉が出てこないですよね。

◯自分の未来は自分でつくる/自分の時間を生には?

様々な書籍でも語られている通り、自分の時間を生きていない人は多いですよね。堀江貴文さんとか箕輪厚介さん、田端信太郎さんも書籍で語ってますが、自分の人生なのに他人に依存しすぎではないか?という問いが出てくるわけです。

例えば、ビジネスパーソンの方も読んで頂いていると思いますが、人生にお大半を費やす仕事というものを取り上げても、リーダー(上司)から言われたので本当は腹落ちしていないけど、仕方なく仕事こなす・・・とか、忖度の為に悪事と分かって居ながら手を染める・・・など(コンプライアンス違反である事も有りえますね)。

これって思考が他人に依存している状態なんですよね。そうではなくてリーダーからの仕事の依頼は事実としてあるものの、それをどう料理するかは我々自身の問題なんですよね。ここは明確に課題の分離をしてもいいと思います。大きな方向性(経営戦略や部門方針)などのグランド・ルールはあるものの、実務レベルで言えばやはり我々が料理するしかないわけです。

どんな食材やスパイスで料理を仕上げるかは実務家の腕の見せどころですが、食材をどこから仕入れるのか?やスパイスはどんな種類のものを揃えるのか分量は?順番は?など考えるべき問は多いわけですね。

ジョエル・バーカーさんはこの書籍で先見性という言葉を我々に投げかけています。

◯先を見通す力、先見性の正体とは?

ピーター・ドラッガー「乱気流時代の経営」を引き合いに出していますね。この書籍の中で先見性というキーワードが語られています。

ジョエル・バーカーさんの主張はこうです。
経営に成功している人⇒高い問題解決能力を持っている(対応能力)⇒これは・・・古い経営能力(オールド・タイプ)

そうではなくて、予見/先見性こそが新しい経営能力(ニュー・タイム)だと主張してますね。これは戦略思考を回すことである程度カバリングできそうな感じが致します。

これって山口周さんのNEWTYPEの時代でも語られていますが、この書籍が出た文脈では先見性がニュー・タイプ人材に必要だった事を物語っておりますし、今の文脈に置いてもリーダーには先見性は必要な素養の一つであることは間違いないです。

ただ、山口周さんのNEWTYPEの時代を読んだ方であれば、センスメイクして頂いたとは思いますが、VUCA時代のリーダーに必要な要件がありますよね。

下記は、ネットから拝借してますが、下記がNEWTYPEの時代で求められる行動様式ですね。

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この上段から2段目にオールドタイプ:予測する と書いてあり、一方でニュータイプは構想すると書いてあります。予測ではなく構想です。

◯構想力+妄想力がこれからの人材に必須スキルに

構想といえば、アラン・ケイがダイナブックを構想したことを思い出しますね。あれは予測ではなく構想と言われておりますが、PCの父とも言われるアラン・ケイがまさにピッタリの事例だと感じました。

金井先生、野田先生のリーダーシップの旅にあるように、桃太郎は、周りの人が見えないものを見えるようになった!ということなのですが、リーダーは他の人が見えてないものが見えてしまった人の事を言いますよね。猿や雉、犬はフォロワーな訳ですが、フォロワーはリーダーが何かに夢中になり猛進して行く姿に共感して着いていく訳ですよね。

これもオレはリーダーになると宣言するわけではなく、ある日気がついたんですね。それまでに苦しい経験など・・・特異点を超えてついに・・・リーダーシップの旅路に出るわけです。鬼退治をして帰還することで人々からリーダーだと称賛されてリーダーだと認められる様になる訳ですね。

そして構想ともう一つ、私が最近意識する様になったのが・・・妄想。w

妄想と聞くと、みなさん、どんな印象をお持ちでしょうか?
想像ではなく、妄想。妄想です。調べたら下記の様な意味だと検索することができました。


・ない事に対して病的原因からいだく、誤った判断・確信。
・正しくない想念。転じて、根拠のない想像。

妄想について真剣に考えるようになるきっかけがあります・・・

◯ひとりの妄想で未来は変わる

このタイトルを聞いてピンとくる方は日頃実務や経営の中で様々な思考を回して悪戦苦闘されている方ではないでしょうか。佐宗邦威さんという元P&Gのマーケターの方が書かれた書籍です。

リンク貼っておきます↓

タイトルの中にある通り妄想がこれからのリーダーに必要な必須スキルだと提唱しているんですね・・・思考法の書籍は大好物なので仮設思考、論点思考、右脳思考、戦略思考、カイゼン思考、デザイン思考など・・・当たってきましたが・・・VISION思考を回せと提唱しているんですね。

◯VISION思考とは?

妄想と聞くとみなさん、どの様な印象をお持ちでしょうか?何か万人の及ばない思考(自分だけの世界で、少し他者と共有すると恥ずかしい等)でしょうか・・・ただこの妄想というスキルがVUCA時代のフューチャーズ・スキルになりつつあります。

【妄想思考のフレーム】
妄想⇒知覚⇒組替⇒表現

このPDCAを回せるかが今後、非常に重要になりそうです・・・
妄想とは非常に再現性が低そうな話ですが、妄想力を鍛える事で世界を知覚して、さらに自信の文脈や表現に組替えをして、自分の言葉で表現していく、自分の文脈や状況で自由に表現するという事ですね。

再現性が低いからこそ、他者とは同じ思考にはなりにくいという側面もあり、他者が出せない洞察を抽出することも可能になってくるのだと思います。

◯パラダイムとアノマリー

トーマス・クーンの科学革命の構造の中にアノマリーという言葉が出てきます。変則性の事ですが、アノマリーに気がつく事が非常に重要です。同質の空気感の中で我々、日々過ごしているとアノマリーに段々と気が付かなく危険性が高くなってきます。

例えば会社組織でも言えることですが、上司からの提案や指示はなかなか反論しずらいですよね。そこに水を差せるかが、今後NewType人材としも必須の要件になってくるかと思います。

そして、このアノマリーに気づく事がパラダイムを紐解く鍵になりそうです。パラダイムとは通常一般通念とされている考え方の事で、我々はそのパラダイムにある種、どっぷり浸かり安心感の様な感覚を覚えるのかもしれません。ただ、このアノマリーに気づくことでそもそも自身が疑いようも無く信じているパラダイムに揺さぶりを掛ける事が出来ます。

ここで、この書籍でも羅列されておりますが、パラダイムと結びつく言葉を挙げておきます。

・理論
・モデル
・方法論
・原則
・基準
・プロトコル
・日課、手順
・前提
・慣行
・パターン
・習慣
・常識
・通念
・思考様式
・価値観
・評価基準
・伝統
・しきたり
・偏見
・イデオロギー
・タブー
・迷信
・儀式
・社会的強制
・悪癖
・教義・・・・

と続きますが、様々な言葉とパラダイムが結び付く訳ですね・・・

◯学ぶ事でアノマリーに気づき世界と出会い直す

いくつになっても学ぶことは非常に大切だと思います。学ぶことでパラダイムに揺さぶりを掛けたり、自分自身の価値観を見直したりすることが可能になって来ると思います。特に、我々は空気に支配されたり、バイアスに思考をロックされやすい側面があるという事を理解した上で、改めて、年齢に関わらず、学ぶことで問を持ち、問い続ける必要があるのだと感じます。

そして学ぶことで、更に問いを追求し、世界と出会い直すという事になってくるのだと思います。世界と出会い直す事で改めて自身と向き直るきっかけになりますので、今後も世界と出会い直しをするために学びを続けて行きたいと思います。

◯リベラル・アーツを学ぶことで思考の体幹を鍛える

これは持論ではありますが、数千年のヤスリに掛けられたリベラル・アーツを学ぶことが思考の体幹を鍛えるヒントになるのではないでしょうか?自由になる技術が直訳ですが、個人的な誤読では世界との出会い直しとも読み解く事もできるのでは無いかと思います。

【以前書いたリベラル・アーツを学ぶ事の意義】

ジャンルは古代ギリシャの自由七科が源流なのかもしれませんが・・・現代に置き換えて考えても経営戦略、経済学、文学、音楽、歴史、進化生物学、テクノロジー、小説、SF、哲学、心理学・・・と様々な領域を越境しながら学び続けることで体幹が鍛えられると信じています。


今回の記事、如何でしたでしょうか?音声コンテンツには無い内容も記事としても文字起こしさせて頂きました。改めて自身のパラダイムを疑うデカルト思考を如何に回せるかが重要だし、アノマリーや誰かの贈与に気づくということが世界と出会い直すきっかけでもありますので、今後も学び続けて行きたいです。

ご覧頂き、有り難うございました。












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