2023年最後に読んだ本

2023年最後に読んだ本は、川本直さん『ジュリアン・バトラーの真実の生涯』(河出文庫、23年11月6日初版発行)になりそうです。12月28日に読了。


トルーマン・カポーティらと同時期に生きた米国作家、ジュリアン・バトラー。当時タブーだった同性愛を正面から、かつ扇動的に描いたトリックスター。という設定。つまり、ジュリアンは架空の作家です。架空の作家の評伝という、実験的な物語スタイルが特徴でした。面白かった!

本書の直前まで読んでいたのは、イヴァン・イリイチさん『シャドウ・ワーク』(岩波文庫、23年11月15日初版発行)。消費社会をある種強制されている現代社会の欺瞞を鋭く突くのが、イリイチさんの論考。本書でもそのスタイルが生き生きとしていました。


年末年始、次に読む本は考えあぐねていますが、塩田武士さん『存在のすべてを』(朝日新聞出版、23年9月7日初版発行)が候補。『本の雑誌』が23年度ベストワンとして推している小説です。


23年もたくさんの素敵な本に出会えた。24年もたくさんの素敵な本を読もう。

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