読書ノート2022/04/09

がつがつと本を読み進めて、なかなか消化しきらない時というのがある。いままさに。短く気の向くままに記録する。

山本文緒さん「自転しながら公転する」(新潮社)は人生の讃歌だった。あたたかなエール。女性が主人公で特に女性向けのメッセージにあふれた作品だけれど、男性の自分が読んでも響くものが大きかった。「幸せにならないといけない」というある種現代の呪いを、優しくユーモラスに、解きほぐしてくれた。

カール・ヤスパース氏「われわれの戦争責任について」(ちくま学芸文庫)は心にどっしりと残った。ちゃんと一つの感想記事にまとめたい気持ちだけど、どうにも筆が重くなる。簡単には言葉にしきれないのか。ウクライナ危機、目の前の戦争を踏まえて感じるものが大きかった。

野崎まどさん「タイタン」(講談社)は「AI×お仕事小説」というかなりレアなジャンルに思う。楽しく読んだし、労働の本質について考えさせられた。

この記事が参加している募集

万が一いただけたサポートは、本や本屋さんの収益に回るように活用したいと思います。