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人生で始めて人をぶんな○ってやろうかと思った体験を思い出した

どうも、独唱です。

今回は表題の通りです。
人生で始めて「こいつぶんな○ってやろうかな」と思った体験について共有します。

事は就活で起こった

何年か前、私は他の多くの学生たちの例に漏れず、東京を舞台に就職活動に勤しんでいた。
就活市場といえば圧迫面接や無言お祈り、交通費の出ない懇親会など、「ぶん○ぐり話題」に事欠かない現代の戦場。

でも私は生来そこまで人の言動を気にかけない性格もあり、多少の圧迫感ある面接や理不尽なことに直面しても問題になるようなストレスを抱えてはいませんでした。

今から話す体験も、正直思い返せば「大したことない話」。

でも、当時の僕は確実に「おい、そこそこの速度で握り拳押し付けるぞ。」と、ある人物に対して思ったのです。

ある企業の二次選考、グループディスカッションにて

その日は、企業名や業種は伏せますが、とある企業の2次選考でした。

2次といってもその後も長く続いていくフローの序盤で、大体40人くらいの就活生がホールに会していたようい思います。

一通りの説明を受けた後、大体8人ずつぐらいに分かれて定番のグループディスカッションをする運びとなりました。

グルディスといえば、意図するしないに関わらず議論を破壊するような行動をとる「クラッシャー」という敵キャラの存在が噂されていたり、これまた「ぶんなぐ○話題」には事欠かない舞台設定です。

その時の議題は以下の通りでした。

「あなたがたはとある百貨店の書籍コーナー担当です。今回の会議では、1年に一回、○月○日に開催する特集・フェアの企画を話し合ってもらいます。」

「○月○日」というのは話し合いを具体的に進行するために設定される日付で、そのグルディスの当日が設定されていました。季節は秋口、何の変哲もない月曜日でした。ギリギリハロウィンを意識できるかな?くらいの時期です。

つまり「今日という日を始まりに、これから何年も続けていける定番になるような書店のフェアを企画せよ」ということですね。

実はその時、私はグルディス未経験で、これが始めての機会でした。
積極的に場の議論を活発にできるような意見を投下すれば良いのだろう。書記やタイムキーパーみたいな役職取りは難しいかもしれないけど、ともかく頑張るぞ!
というのが、私の心持ちでした。

ついにスタート!

そしてついに、グループディスカッションがスタートしました。

参加者8〜9人ほどが、円卓を囲むように座っています。

まず、私の右隣の学生が

「それではタイムキーパーをやります。」

と名乗りを挙げました。

次に私の左に3席ほど離れた学生も

「私が書記をやります。」

とメモを取り始めます。

うわあすごい。
と、僕は少しワクワクしました。
本当に稲妻のような速さで勝手に役職取っていくんだあ。

でも大丈夫。別に役職を取らなくても、有意義な意見を適切にしっかり発言していれば、評価してもらえるはず…。

そしてタイムキーパーの学生が発言します。

キーパー「では始めましょう。本日は○月○日でしたね。」

前提の確認です。大事ですね。
私も時計を見て、合わせました。

私「はい。○月○日。月曜日ですね。」

すると、間髪入れずに私の対面あたりに座っていた学生(以後、この学生を「A」とします)から声が上がりました。

A「曜日は、関係ありませんけどね。」

一瞬、フワッ、として、その後、ゾッとしました。

人の悪意に明確に触れた時の、あの感覚です。

言い方が何とも嫌みたらしいのです。

A「おいおい、関係ないこと言って貴重な10分を無駄に削るなよなァ」

とはもちろん言ってませんが、明らかにそんな語調でした。

待ってくださいよ、と。

別にいいじゃないですか、と。

よしんば私が曜日に触れたことが無駄なことだったとしても、それに重ねて咎める発言をする時間も、また無駄です。
早く話の本題に入ればいいじゃないですか。

でも彼はその貴重な時間リソースを、ほんの一部ではあるものの、私の発言に悪印象を持たせるために使ったのです。

最初はただ驚きが大きかった私も、10秒20秒と経つうちに「攻撃された」実感が沸いてきて、やるせない気持ちとともに、おててをグーにして「暴」のちからを発揮したい気持ちに駆られました。

でも、もちろんそんなことを実現できるはずもなく、結果的にグルディスは目覚ましいパフォーマンスを見せられることなく終了しました。

後から思うに…

人はどんな時に「人をぶん○ぐりたい」と思うのか。

それはひとえに、それ以外やりようがないときなのではと思います。

あのときの僕にはグルディスを成功させるという使命があり、そのためには対面の学生Aとだけ不毛な争いをしている時間はありません。

それに反論するとしてどう反論すればいいのか。
「たしかに毎年開催するフェアを決めるなら、今年の曜日は特に関係ないよな…」と、その当時の僕はやや納得してしまったんですね。

言うべきことも言うための時間もない僕は、振るわれることのない握り拳を温めることしかできませんでした。

無念…。

……。


……………………………。



…待てよ。

曜日、けっこう重要じゃね?

その日は月曜日でした。
月曜日といえば平日です。

デパートの書籍コーナーの営業時間は、ほとんどの場合デパートそのものの営業時間と一致するでしょうから、だいたい朝9:00か10:00開店、よる20:00か21:00閉店といったところでしょう。

ただし平日にフェアを打つとなると
その開店時間のほとんどの時間、学生やサラリーマンは学校や仕事に行っていることになります。
書店に来るとしても帰り道に寄ることになり、時間帯は夕方か夜。そこまでじっくりと本を吟味する時間はとれず、夕ご飯に間に合うようさっと帰る人が多いはず。

となると、このフェアはメインターゲットを定年退職したシニア層や、平日に書店で時間を使える主婦層などに絞るのが合理的ではないでしょうか。

そうすると「でも毎年やるんだから、曜日も変わっていくでしょ?」というツッコミが来そうです。

たしかに年を経るごとに○月○日の曜日は変わっていきます。
ただ1年は365日あって、閏年以外はそれが変わりません。
365日を一週間の7日で割ると52にあまりが1出ます。
つまり、一年ごとに変わる曜日は一つ分です。

例えば今年が月曜のとある日は、来年の同日は火曜、再来年は水曜です。
閏年が挟まれば2日分跳ぶことになりますが、急に日曜がやってくるわけではありません。

ということは、一度○月○日月曜日にフェアの内容を決めてしまえば、その後少なくとも4年分はずっとそのフェアの日は平日です。

向こう4年間休日にならないというのであれば、さすがにフェアの内容も「平日であること」を意識したものにするべきでしょう。

こう考えると、曜日に触れた私の発言は、まったく意味のないものではないはずです。
むしろ本気で議論をするのであれば、当然確認しておくべき要素。
そうです。
私は間違っていなかったのです!

負け犬の遠吠え

………いや、そうではない。

私は負けたのです。
それだけが結果です。

おそらく学生Aは、あの後の人生でもよく考えもせずに自分の気持ちにひっかかったことについては否定をまず口に出し続け、その尖った姿勢ゆえに何故か女性にもモテて、充実した毎日を送っているのでしょう。

かたや私は、他に食べる人がいるわけでもないのに鍋いっぱいにクラムチャウダーを作るような日々です。
(一番美味しいよね。クラムチャウダー。)

ということで、人生で初めて人をぶんな○りたくなったときのおはなしでした。
こんな些細なことで拳を振りかざしても仕方ないですよね。

とりあえず人をぶ○なぐる拳は
一週間飲まず食わずで監禁され、やっと檻の扉が開いたと思ったら、宝飾品を山程身につけて葉巻を吸いながら入ってきた丸々太った金持ち中年に
「靴を舐めろォ…」と言われたとき

まで取っておきます。

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