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ミュージカル Rent School Edition

本稿は学習児の話ではなく、勤務先の学校で出会い、昨年度卒業していったS子さんとN美さんの話です

学習児が現在通っている学校で私の勤務先でもある某国の secondary school では Year 7 から Year 9 までの Key Stage 3 (11〜14歳)では週1コマで演劇の授業があります。選択科目ではありませんので、好きであろうとなかろうと全員がやらなければならないものです

そして学校全体でも年に1回のミュージカルにも力を入れており、参加を希望する生徒はオーディションを受け、この年齢の子どもたちでも上演して差し支えないように編成された school edition を演じることになります。ミュージカルの上演というのはとても制約が厳しく、それなりのところから許可をもらい、自分たちで音楽を生演奏する場合でも楽譜を借りられる期間は3週間くらいで、音楽担当のメンバーは1週間くらいの猛練習で本番に備えなければなりません。美術も音声も照明も生徒が担当します

私はこの学校に2020年から働いていて、その年にYear 8だったS子さんに初めて出会いました

S子さんは当時ギターを習っていて、音楽科のオフィスによくピックを借りに来ていたのでよく知るようになりました。いつも笑顔で礼儀正しく、この人に好感を持たない人はいないでしょう。楽器置き場に置いておいた自分のギターがだれかの不注意で壊されてしまったときも、事故だったからしょうがないと相手を責めることを一切しませんでした。性格がいいのです

そのS子さん、お昼休みの合唱クラブにも来ていて、私は気づかずにはいられませんでした。美声の持ち主です。思わず、あなた素晴らしい声してるね、って声をかけてしまいました

ギターもいいけれど、この生まれ持った声をもっと生かすようなことしたほうがいいんじゃないかと私が余計なことを考えていたら(考えていただけです、余計なことは言ってません😂)、その翌年くらいからギターから声楽のレッスンに切り替えることにしたようで、私は人ごとながら嬉しかったものです😂いつからかは私は知りませんが、この辺ではよく知られている演劇学校にも通い出したようです

その後、S子さんは Year 10 で最上級生を差し置いて学校のミュージカルで主役に抜擢され、Year 11 でも当然主役級の役を見事に演じていました。本人は明るくて明らかに心の美しい人なのですが、演じるときは影のある役や性格が悪そうな役が上手いです。そして歌唱力が抜群なので、歌で聴かせてくれます

S子さんは学業も優秀で、Year 11 では Prefect (生徒会長みたいなものですが、一人でなく複数、当校では3人)のひとりでした。演劇ができる人は英文学でも優秀な人が多いです。シェークスピアの国ですからね。Emma Watson もそのタイプですね

そのS子さんを某ソーシャルメディアで見かけました。例の演劇学校が主催する Rent School Edition で主役級のキャストリストに写真が載っていて、すぐに気づきました

Secondary School の次の学校 (Sixth Form College) に行っても演劇を続けていていることに心が動き、観に行くことにしたのです

昨年の学校ミュージカルでも上手かったけれど、それよりさらに演技も歌も進化していて、才能(努力できるということも才能のうち)と若さが眩しかったです😂

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