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焼きずんだと燃え上がる人々

バズりにバズッている話題なので、もう私から何も口を挟むことはないのだけれど。

とりあえず、ざっくり流れを言うと、

ディズニーに着ていく服装として、ずんだもんカラーの洋服を投稿

「芋」(要するに垢抜けない、野暮ったい服装の意)と罵る一群の女性アカウントが殺到して炎上

中学生であることが判明、「報復では無く嬢ずん概念を楽しんで」などと大人の対応

逆に攻撃していた人々が叩かれる

という感じである。

正直、もうこの種の個人攻撃による炎上はやめるべきだと思うし、普通に人間を傷つけかねないものだ、という自覚はそろそろ持つべきだと思う。

私も、誰かの炎上のきっかけを作るような投稿をたくさんしてしまった過去があるし、実際、裁判沙汰にもなった。だから、これはまったくのところ、自戒を込めて言うのだが、こういう個人攻撃は暴力と変わらないのだ、という共通認識を持つべきだと思う。

そのうえで、叩かれることを覚悟で書きたいことが一つある。

今、「中学生を攻撃してきた女性たち」を人格否定し、個人攻撃する人々が相当数現れている。自分たちは中学生を守る正義のつもりでやっているのかもしれないが、はっきり言ってやっていることは同じ穴のムジナだ。

Xでは、中学生を攻撃するポストをスクショで晒しあげながら、「人間のクズ」「お前の精神のほうが芋」みたいなポストが現れては大量のいいねを獲得するようになっている。もはや、逆リンチに近い形勢だ。

あげく、男女論みたいなものに接合する手合いも出てきて、いつもながら、結局は分断を深める結果に終わりそうなのが、見ていて悲しい。

あえて内容を転載はしないけれども、「わからせ漫画」を描いた作者への炎上もひどい。

表自界隈もこの作者叩きに合流しているのが観測され(私の見間違いであることを願うが)、普段は炎上を批判している人たちが、逆に、自分たちにとって気にくわない表現とみるや炎上させにかかるのは、きわめてグロテスクな状況だと思う。

今回ばかりじゃない。

表現の自由を標榜してきた人たちの界隈は膨れ上がり、インターネットでの声の大きさでは今やフェミニストやリベラルを圧倒するまでになっている。

そうして手にした「勢い」や力を、自由を守るのに使うのでは無くて、今までやられたことの「報復」と言わんばかりに、対立者の表現を攻撃することに利用しようとする動きが、残念ながら非常に多く見られる。

これでは、自分たちが憎んできた「表現の自由の敵」の鏡像にすぎないではないか。

本当の表現の自由の敵は、どこにいるのか。

そろそろ、私たち一人一人が、自分の胸に手を当てて考えてみるべき時期に来ていると思う。

以上

青識亜論