英語で学ぶダンマパダ①
心の働きはすべての心の状態に先立つ。心の働きはそれら(心の状態)の主であり、それらはすべて心の働きが作り出したものである。もし不純な心で人が話したり行動したならば、苦しみがその人についてまわる。まるで牛の足跡に続く車輪のように。
心の働きはすべての心の状態に先立つ。心の働きはそれらの主であり、それらはすべて心の働きが作り出したものである。もし純粋な心で人が話したり行動したりするならば、幸福は決して離れることはない。まるでその人の影のように。
重要な言葉:mind
今回は一部「心の働き」と訳しました。パーリ原文は"mano"サンスクリット語では”manas"です。この言葉は広く精神活動や認知作用を表し、日本語に訳しにくい言葉です。
中村先生や今枝先生は「心」と訳していますが、伝統的には「意」の漢訳語を当てます。
単純に「心」と訳しても良かったのですが、日本語の心だとやや静的すぎて「作用」や「働き」のニュアンスが出ません。なので今回は素直に「心の働き」と訳しました。英語のmindには心そのものだけでなく働きのニュアンスがあるので、訳語としては適当だと思います。
重要な言葉:all mental states
パーリ原文は"dhamma"でこの言葉はテーラワーダ仏教では最重要な言葉ですが多義的で意味が取りにくい単語です。漢字一文字で「法」と訳されますが、文脈によって「真理」「仏法」「仏説」「現象」など様々な意味を持ちます。他の英訳だと"phenomenon"と訳されていたりします。ブッダラッキタ長老の"all mental states"というのはかなり意訳的ですが、非常に適した訳だと思います。
ダンマパダについて
せっかくなので翻訳者のブッダラッキタ長老の言葉で紹介しましょう。
「ダンマパダは、上座部仏教の聖典であるパーリ三蔵の中で最も有名で、最も広く尊敬を集めているテキストです。パーリ経蔵の『小部経典』に収録されていますが、その人気は単なる経典の中の一つというのをはるかに超えて、世界宗教の古典に並べられるまでになっています。古代インドの俗語であるパーリ語で書かれたこの小部なアンソロジーは、ブッダの教えの完璧な要約となっており、パーリの大典全40数巻で長々と詳述されたすべての本質的な原理を網羅的に含んでいます」
ダンマパダ英語訳web版↓
PDF↓
https://www.buddhanet.net/pdf_file/scrndhamma.pdf
読んでいただきありがとうございました。
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