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資料作成の基本を爆速で身に付ける方法

資料作成に困っている人向け。

本記事では、「プロの資料作成力」という本を参考に、自身がITエンジニアとして社内外の資料を作成する中で、本当に役立った方法を解説します。

より詳しく知りたい方は、次の本をぜひ読んでみてください。

資料作成力がなぜ必要なのか

資料作成は、ビジネスマンとしての必須スキルです。

相手に提案、報告、相談、交渉するといった、日常的に行われるビジネス行為は、基本的に資料を通じて行われます。

相手に送る報告書ひとつとっても、文章がおかしければ、内容は伝わりません。見栄えだけが整っている資料を作成しても、相手に内容が伝わらなければ、意味がありません。

しかし、現実には。資料作成を苦手としている人は多いです。

資料作成が苦手な理由は、資料作成の基本がわかっていないからです。

資料作成は、次のstepに沿って行うのが、「プロの資料作成力」では良いとされています。

step1 目的
step2 ターゲット
step3 メッセージ
step4 構成
step5 ビジュアル化
引用:「プロの資料作成力

本記事では、資料作成の基本を、順番に解説していきます。

step1 目的

資料作成をする前に、相手に「伝える目的」を考えることが重要です。

資料作成の基本は、「相手にどういう行動を取ってもらいたいか」を考えることから始まります。

例えば、顧客へ自社製品の説明をする資料なら「他社製品と比べて、自社製品が優れているので、購入してほしい」、「自社製品により、コストを30%削減できるので、購入してほしい」という目的があるかもしれません。

社内資料なら、「現在の仕事の問題点と対策を報告して、承認してほしい」、「自分の仕事の成果を報告して、評価してほしい」等が考えられます。

資料作成に取り組む前に、相手にどんな行動を取ってもらいたいかを設定してください。

目的を設定するのは、基本のようでありながら、できていない人が多いです。
「で、結局は何が言いたいの?」となるような、目的が見えない資料は、ビジネスの日常で珍しくありません。

また、目的は、常に次の3段階で考える必要があります。

①どんな行動を取ってもらいたいのか
 →自社製品を導入してほしい
②そのために何を理解してもらいたいのか。
 →現在の業務ではコスト上の問題がある。自社製品を導入すれば、コストが削減できる。
③そのためにどのような状態にすべきか
 →ぜひ製品を買いたい。他人に勧めたい。

本記事では、上述の内容ついて詳しくは扱いませんが、「プロの資料作成力」では解説しているので、参考にしてください。

step2 ターゲット

次に、メッセージを伝える「ターゲット」について、知る必要があります。

まずは、ターゲットの「期待」と「理解」を明確にすることが重要です。

相手の期待が分からないまま資料を作成すると、「そんなことを知りたいわけじゃない」と言われかねません。的外れな資料になってしまいます。

ターゲットの期待や理解が分からない場合は、まず、ターゲットが、何を期待していて、何を理解しているのか(理解していないのか)を、プロファイリングする必要があります。

プロの資料作成力」には記載がありませんが、私がITエンジニアとして顧客と調整する際に、ターゲットの「期待」や「理解」が分からない場合は、「ターゲットの目的(期待や理解)をヒアリングのための資料」を作成することが多いです。

例えば、ターゲットに「御社の製品について知りたい」と言われた際に、「機能や価格」を単純に知りたいのか、それとも「自社の業務にどう適用できるのか」を知りたいのかで、仕事としてのハードルが全く違います。

この場合、どこまでの情報を提供すれば良いのか、何を調整すれば良いのかをヒアリングするための資料を作成し、相手から目的(期待と理解)を引き出すことが多いです。

ヒアリング資料の場合、製品の例でいうと、製品の「機能」、「価格」、「過去の適用事例」等の基本的な情報を簡単に資料に盛り込み、説明します。

そして、資料の目的(調整事項)を

①本資料では、製品の機能、価格及び過去の適用事例を説明するが、更に詳細な情報が必要な項目があれば確認したい。
②その他、必要な情報があれば、ご提示いただきたい

等と、相手の「期待」や「理解」を探る内容にすれば良いのです。

また、ヒアリング資料は、あくまで本質的な資料を作成するための準備資料ですから、あまり時間をかけすぎないように、1枚~数枚の簡単な資料にした方が無難です。

step3 メッセージ

次に、資料におけるメッセージを考える必要があります。

メッセージとは、次のように分解できます。

「メッセージ」 = 「主張」 × 「根拠」
これが資料におけるメッセージの大前提です。言いかえると、
「Aだから(根拠)、Bすべきである(主張)」
という文脈に収まっている必要があります。
引用:「プロの資料作成力

メッセージがない、弱いと相手に伝わりませんし、根拠が欠けていても、説得力がありません。

例えば、製品提案の場合、「コストが30%削減できるため(根拠)、製品を導入してください。(主張)」のようなメッセージが考えられますし、自社の業務改善なら「AIを導入して(主張)、業務効率を10%アップ(根拠)」等が考えられます。

上述の例では、コストが30%削減される根拠や、業務効率が10%アップする根拠を資料内で説明しなければなりません。

主張と根拠の組み立て方については、次の本もおすすめです。

メッセージを作成できたら、「ストーリーボード」を作成します。

ストーリーボードは、これから作成する資料の構成の基となるものです。

本記事ではストーリーボードの作成方法は割愛しますが、「プロの資料作成力」には記載があるため、参考にしてみてください。

step4 構成

step1~step3で資料に書くべき項目が定まったら、資料の構成を決める必要があります。

まずは、資料に書くべき「目次」を作成し、各スライド毎のタイトルを「メッセージ」や「ストーリーボード」から導き出します。

僕の場合だと、step3で作成した「ストーリーボード」を基に、次の手順で資料の構成を記載します。

①白紙の紙、消えるボールペンを用意する。
②紙面を分割(僕は6分割)する。
③手書きでスライド構成を記述する。
「図:スライド構成」にサンプルを載せます。ぜひ参考にしてください。

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図:スライド構成

「図:スライド構成」のように、スライド構成を手書きすることで、次のメリットが得られます。

【スライド構成を手書きするメリット】
①スライド毎に何を「伝えたいのか」が明確になる。
②消えるボールペンで記載するため、途中で修正したくなっても修正が容易。
③ページを入れ替えたい場合は、紙をスキャナで電子データとして取り込み、「ペイントソフト」等でスライドを入れ替えれば簡単にできる。
④資料を作成する上での「調査項目」、「記載項目」、「ページ数」が分かり、作業量(調査:3人日、資料作成:2人日、レビュー1人日 等)の見積もりができる。

資料の内容について、上司や同僚と認識を合わせたい場合は、step3の「ストーリーボード作成」またはstep4の「構成作成(僕の場合は、手書きのスライド構成の作成)」を行った後に行うと、やりやすいです。

この段階でレビューを受ければ、資料に何を記載したいのかが明白ですから、相手にも、何を目的として資料を作成しているかが伝わりやすいです。

パワーポイント等のソフトで、資料の「ビジュアル」まで作成した後、スライド構成やストーリーを変更することになった場合、修正が大変です。

まずは、手書きで資料構成を作成してから、レビューにかけましょう。

step5 ビジュアル化

資料構成が決まったら、後は相手に伝わりやすいように、パワーポイント等のソフトを用いて資料を作成するだけです。

文字だけで相手にメッセージを伝えるのは難しいため、「表」や「グラフ」等を活用して、ビジュアル化することを心がけてください。

ビジュアル化に関しては、たくさんの書籍が出ているので、参考にすると便利です。


以上、資料作成の基本を爆速で身に付けるための方法として、「プロの資料作成力」について解説していきました。

より詳しい内容を知りたい方は、「プロの資料作成力」をぜひ一読してみてください。



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