ジャイアンから学ぶ毒親のトレース
ジャイアンといえば誰もがご存知、ドラえもんに登場するキャラクターです。
彼は自己中心的で暴力的な人物という印象ですが、それだけで終わらせるのはもったいない!と私は思います。
彼がのび太やスネ夫を暴力で従えている背景には、同じく暴力的な母親の存在があります。
毒親育ちが解毒するためには、家庭内の力学を読み解く力が必要です。
その力を養う上で、ジャイアンはとても良い教材だと思うのです。
ジャイアンと暴力の関係性
ジャイアンが遊んでいると突然母親がやってきて、彼を殴りつけます。
「たけしーッ!店番サボるんじゃないよ!」
とても馴染みのあるシーンですが、よくよく考えてみると結構ヒドい内容です。
ジャイアンは体が大きいとはいえ、まだ小学生です。
小学生の本分は遊ぶことと言っても過言ではないですが、彼はそれが許されません。
家の手伝いという名目で、労働を強要されています。
残念ながら、母親が彼の言い分や都合を聞いているような描写は見られません。
暴力によって問答無用で従わせています。恐怖でもって息子を支配しているのです。
この行動、どこかで見覚えがありますね。
はい、そうです。ジャイアンがスネ夫やのび太にしている行動とそっくりです。
ジャイアンが相手を暴力や恐怖で支配しようとする背景には、間違いなく母親の影響があると思います。
ジャイアンは暴力を振るう側であることがフィーチャーされがちですが、同時に暴力を振るわれる側でもあるのです。
子供は親の思考・行動をトレースしてしまう
このように、子供は親の思考や行動パターンをそのまま真似(トレース)してしまいます。
トレースしたパターンが健全なものなら問題にならないのですが、暴力や自己中心的な振る舞いの場合には問題が発生します。
毒親育ちが抱える生きづらさの原因の1つとして、偏った思考・行動のトレースがあります。
仮にジャイアンが毒親育ちだと考えると、
「カッとなったら手が出てしまう」
「相手の気持ちを考えない言動をしてしまう」
これらが生きづらさになってくるでしょう。
なぜジャイアンは母親をトレースしてしまうのか?
視聴者に見えているのは、剛田家の一部分に過ぎませんが、そこから想像してみると次の3つが考えられます。
①暴力しか解決方法を知らない
ジャイアンは小さな頃から母親を見て育っています。そのため、自分の要望が通らないときに暴力で解決することは、ジャイアンにとってごく普通のことです。
さらにいえば、彼は暴力以外の解決方法を知らない可能性もあります。
例えば、対話によって交渉する、互いの妥協案を見つける、時には諦める、などの大人の対応です。
そういった高等なコミュニケーションをした経験が少ないために、友人達に手を上げてしまうのかもしれません。
②ストレスの捌け口
次に、家庭でのストレスを友人で発散している可能性です。
要するに、のび太をサンドバッグにしているのです。
ジャイアンは母親から理不尽なことで叱られ、殴られます。その上、友人たちの前で晒し上げられ、辱しめを受けています。
そのストレスを母親本人にぶつけることはできません。なぜなら彼女の方が強くて恐いからです。
行き場を失ったストレスは、自然と弱いものに向かいます。
そうしてたどり着いたのが、のび太というわけです。
③逆恨み
最後は、友人たちを恨めしく思っているパターンです。
のび太やスネ夫は家の手伝いを強要されることもなく、心置きなく遊ぶことかできます。
そんな彼らをジャイアンは心のどこかで羨ましく思っているかもしれません。
はたまた、母親から暴力を振るわれても助けてくれない友人達を恨めしく思っているかもしれません。
母親の暴力から彼を守ってくれる人はいませんので、社会を恨んでもおかしくないと思います。
そんな忌々しい気持ちから、手頃な口実を作っては友人達を殴っているのかもしれません。
パッと思い付く理由を3つ挙げてみましたが、どれが正解かは本人にしか解りません。
もしかしたらすべて正解かもしれませんし、全く別の理由なのかもしれません。
ジャイアンは毒親育ちなのか?
店番は労働です。労働は本来、親の役目です。
親の役目を子供が担っているので、剛田家は「機能不全家庭」と言えないことはないでしょう。
それだけでなく、ジャイアンは母親から定期的に暴力を振るわれ、友人達の前で恥をかかされています。
スーザン・フォワードの定義によれば、身体的虐待はたった1度であっても毒親になり得る、とあります。
しかしながら、ジャイアンが毒親育ちかどうかは、私には判断できません。
というより、判断する立場にありません。
自分の親が毒親かどうか決めるのは、本人(子供)だけだと考えています。
ジャイアンが毒親だと思うのならば毒親ですし、ジャイアンが毒親ではないと思うのならば毒親ではないです。
アニメでは大人になった彼が度々登場しますが、とても落ち着いているように見えます。
未来の彼が母親のトレースを止めることに成功したのか、それともまだ悩んでいるのかはわかりませんが、何の葛藤もなく大人になったとは到底思えません。
毒親のトレースは強力ですので、そう簡単に止められるものではないです。
隠れて奥さんや子供に手を上げる大人になっていないことを願うばかりです。
虐待された子供は虐待する親になりやすいと言われます。
それは紛れもなく、「毒親のトレース」を止められないからなのです。
毒親のトレースを止めるためには?
毒親育ちが抱えている生きづらさの背後には、毒親のトレースが潜んでいます。
無意識のうちに毒親の考え方や行動パターンを真似してしまっているのです。
トレースを止めるためには、トレースしている思考・行動を特定し、トレースしないための方法を考える必要があります。
毒親育ちはどうやって解毒すれば良いの?
トレースをどうやって止めれば良いの?
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解毒に成功しつつある私が実践した解毒法についてまとめました。
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