【きれはし141】漫才 やかましいわ

A「俺”やかましいわ!”ってツッコミが好きなんだよね」

B「そうなの?」

A「威勢がいいし、フレーズの耳障りもいいし」

B「言われてみればそうかね」

A「だから今日は、俺が”やかましいわ!”ってツッコめるようにして欲しいんだけど、いいかな?」

B「ああいいよ」

A「よし、じゃあお願いします」

B「この前おじいちゃんちの稲刈りを手伝ってたんだけど、鎌の形が限りなく丸に近いCでめっちゃ使いにくかったんだよね」

A「や、鎌C輪!いやちょっと待ってそういうことじゃないから」

B「え?でもちゃんと言えてるじゃん、”やかましいわ!“って」

A「いや確かに言えてるけど、これだいぶ無理あるから。もっと自然に言わせて?」

B「じゃあ他のやってみるわ」

A「お願いしますよ」

B「今クロスワードパズルやってんだけど、あと3つ分からない単語があってさ。お湯を沸かすもので◯◯ん、元ジャイアンツの外国人ピッチャーで◯◯ソン、今の元号でれ◯◯らしいんだけど、お前分かる?」

A「やか、マシ、いわ!だからそうじゃないって!」

B「何でよ。ちゃんと”やかましいわ!”って言えてるじゃん」

A「言えてるけど!お前がボケてないから、ツッコミじゃなくて謎解きみたいになってるんだよ」

B「あー、なるほど。ボケればいいのか」

A「そりゃそうだろ」

B「完全に理解した」

A「頼むわ」

B「俺の知り合いに矢釜って苗字のやつがいるんだけど、」

A「へえ、ちょっと珍しい名字だね」

B「ま、人じゃなくて岩なんですけどね」

A「矢釜氏岩!」

B「昨日行った二郎系のラーメン屋に”やか”っていうトッピングがあって、聞いたことなかったから注文したんだけど、」

A「へえ、アブラとかニンニクは知ってるけど、”やか”は俺も聞いたことないわ」

B「ま、ラーメンじゃなくて岩だったんですけどね」

A「やかマシ岩!」

B「この間街歩いてたら、チンピラみたいなやつに喧嘩売られちゃって」

A「へえ、それは災難だったね」

B「ま、岩だったんですけどね」

A「や、かまし岩!全然違えよ!」

B「え?」

A「何でお前のボケ全部オチ岩縛りの小梅太夫みたいなんだよ!」

B「ゴツゴツさとは」

A「は?」

B「鉱物とは」

A「は?」

B「それが何か見せつけてやる」

A「はあ?うっせぃうっせぃうっせ岩あなたが思うより巌窟です、おい!うっせ岩歌わすな!もう”やかましいわ”でもないし!」



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