【きれはし170】漫才 桃太郎
A「桃太郎ってあるけどさー、」
B「うん」
A「あの戦闘の場面っておかしいと思うんだよね」
B「何が?」
A「仲間が犬猿雉ってちょっとなーって」
B「えー、別にいいじゃん。バリエーション豊かだし」
A「いやいや、鬼と戦うってんのに戦力として心許なさすぎでしょ」
B「いやまあ、そこはファンタジーの話だし」
A「そのファンタジーっていう観点から見ても、流石にアップデートしなさ過ぎだと思うわ」
B「昔話ってそういうもんでしょ」
A「いやいや、時代はどんどん変化してきてんだからさ、もっと今の子供たちが食いつくような話にしないとダメだと思うんだよ」
B「そんなことできんの?」
A「俺に考えがあるから」
B「あ、そう。じゃあお前が考えるその新しい桃太郎の戦闘シーンを聞かせてよ」
A「いいよ」
ーーー
A「お前の悪事もここまでだ、鬼ども!」
B「桃太郎ね」
A「ふん、そんな大口を叩けるも今のうちだ。我々の怪力ですぐに潰してやるわ」
B「こっちは鬼ね」
A「お前一人を倒すことなど雑作もないわ」
B「え、単身?」
A「お前らなんか俺一人で十分だ」
B「こいつ犬猿雉全リストラしてんじゃん。大丈夫かよ」
A「うおー!ズバッ!(鬼を斬り倒す)」
B「一体倒した!とはいえまだまだいっぱいいるんじゃないの?いける?」
A「♪テテテテン」
B「え?何の音?」
A「(ナレーション口調で)桃太郎はレベルアップした!」
B「なるほど。戦いの中で強くなっていくタイプなんだ。それだったら勝てるかもね」
A「(ナレ)桃太郎は新しい技を覚えたい…!」
B「あ、しかもポケモンみたいなシステムだ。確かに今の子供は食いつくかもしれないわ」
A「(ナレ)しかし桃太郎は、技を4つ覚えるので精一杯だ!」
B「そこもちゃんとポケモンなんだ。人間にしちゃ頭の容量少なすぎない?」
A「(ナレ)剣術の修行しかしてこなかったからだ…!」
B「ああそうなんだ。ナレーションが桃太郎の悲しい学力について教えてくれた」
A「(ナレ)1...2の...ポカン!桃太郎はおばあさんとの思い出を綺麗に忘れた!」
B「結構大事なこと忘れたな!」
A「(ナレ)そして!桃太郎は新しくしたでなめるを覚えた!」
B「思い出と引き換えに覚える技じゃないだろ!」
A「(ナレ)ちなみに他3つの技は、おじいさんとの思い出、人助けの精神、剣術だ!」
B「優しい子だけど剣術以外使い道がない!」
A「(ナレ)背に腹は変えられない!」
B「そもそも何で技覚えるとこに思い出とか入ってんだよ」
A「(ナレ)剣術の修行しか…」
B「聞いた聞いた。そうか、全てを犠牲にして剣術だけしてきたから覚える脳が全く無いのか」
A「うおー!ペロッ!ペロッ!」
B「鬼を一体一体舐めていってる!キモい戦い方!」
A「?…何だそれ?(ナレ)効果は今ひとつのようだ…」
B「全然効いてない!そりゃそうだよ、ただ舐めてるだけだもん」
A「ペロッ!ペロッ!」
B「狂ったように舐め続けるな!さっき剣術効いてたんだからそっち使えよ!」
A「(ナレ)剣術 わざタイプ/かくとう 0/1」
B「PP少なっ!詰んでんじゃねえか!」
A「ペロッ!ペロッ!」
B「おいもうやめろ!見てらんないわ!」
A「え?」
B「こんな桃太郎じゃ子供食いつかないから」
A「くそー…」
B「お前の話なんか聞いてらんないよ」
A「ピョーン!バイーン!布団が吹っ飛んだ!おちんちんびろーん!うんちっち!わっしょーい!」
B「いや、わるあがきしようとすんな!」
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