ごちそうの価値

私は今、日本食卓に手軽に並ぶ食材が簡単には手に入らない国で暮らしている。アジアスーパーに行けば、確かに豆腐もある。納豆(冷凍保存)もある。しかし値段は日本の倍以上、味だって希望のものでは無い。

大好きなプルプル出来立ての大豆の香りの残る豆腐屋さんの作った豆腐はどう足掻いてもここでは手に入らない。

竹輪やかまぼこ、天ぷら(さつま揚げ)の練りものだって貴重品。紀文の製品をアジアスーパーの”冷凍庫”で見かけるくらい。

一般日本人女性のYouTube動画。彼女たちの節約料理の数々が、私にはごちそう以外の何物でも無い。垂涎の的である。

節約のために作るお手製”のり弁”など、のたうち回るくらい羨ましい。なんと豪華で贅沢な!と言いたくなる。竹輪の磯辺揚げも昆布の佃煮も輝かしく光って見える。美味しそー!ワクワクする!

どうやら、ごちそうの価値も置かれた状況で変わるらしい。そして、ごちそうの価値は値段では無い。

その時に自分自身が喜び、おいしい、嬉しい、楽しいと感じるもの、それが私にとって、一番の”ごちそう”だと思う。