振り返る男

noteという世界に身を落として一年近くになる。始めて数ヶ月は毎日投稿をやっていた。最初は楽しくて書いていたのに途中から義務感に苛まれる様になった。人間の表現欲にも限界があるんだ。読者にも飽きられたのか、ビューが一時期30くらいにまで低下した。当初、読書感想文を書く割合がもっと高くて、良い文はそのまま引用したりもしていたので、それがいけなかったのかなと思った。つまり、自分らしさを求められているのかなと思ったのである。但し、実際のところは分からない。「神のみぞ知る」である。
そうそう、読書感想文であるがあれは意外と難しい。あれに関しては、他のnoterさんが書いた文も読ませて頂いたが、殆ど参考にはしなかった。そして、これは間違いなく言える事だが、皆んなある程度のあらすじを感想の中に含めていた。それどころか、あらすじ沢山で感想ちょっぴりの構成である。そして文と文の余白はたっぷり取ることも重要な要素であるらしい。僕みたいな文字の羅列を繰り広げる奴はそれだけでマイナスなのかもしれない。話をあらすじに戻すと、正直言ってそれくらい事前に調べてから自分の感想文を読んでくれとの思いだったので力を入れなかったのである。面倒だからAmazonの書評を載っけるって事をよくやった。今振り返ると、読者から見ればあれも自分の言葉を尽くしていない一つの表れだったのかもしれない。その分独自の視点を書いた積りだったが、全然共感されなかった気がする。良いか悪いかより共感出来るか出来ないかである。本を読み始めたばかりであったし、仕事の報告書や卒論しか書いた事がなかったので、文章も今より更に下手糞だったろうなとも思う。当時は書き終えるたんびに日々ご満悦で、何度も何度も読み直したものであったが(それは今も同じ事だ)、今は一ヶ月前の記事すら恥ずかしくて読み返せない。実際のところ大した変化はないのであろうが、心の中では大きく成長している積りなのである。
さらに、より踏み込んだ感想文の書き方についてであるが、いくら世界の文学と言えどもド素人がいきなりそれだけを読んで、何かしらを掴み表現するのは難しいのである。他作品を知らなければ、自分の今迄の経験と照らして批評するしかないのであるが、これも異様な行いと見られたかもしれない。少し読書が進むと、今迄読んだ作品との比較・横断を始めたのであったが、こうなってくると記事の題名が、読んだ作品名と作家名を載っけるだけでは相応しくなくなってきて、もう個別の感想文とは呼べなくなったし、感想文の括りで投稿しようとも「スキ」は殆ど付かなかった。しかし、そういった工夫をやらないとつまるところ「面白かったです」「感動しました」しか言ってない事になりはしないか。しかし、皆んな読書記録を記しているだけなのだろうから結局なんでも構わないのだろう。
僕は当初から読者を面白がらせたかった。突飛なやり方ではなく、自分が信じる正攻法で。それが高じて、文字数も増えたし、新しい試みも色々やってみているのである。自分の欠点も考えた。他のnoterさんの記事にもより目を通した。その結果、自分はかなり真面目な部類であるとの結論に達した。皆んなもっとふわっと柔らかいのである。小説とか詩とか、競馬予想をやっている人は全くの異ジャンルだと思っているのでどうなっているか知らない。あくまで日記の類を書いている人に限る。中でも特徴はかなり出ている方だとは思う。真面目な政治の記事を書いているのは自分くらいではないか。日常や文学を書いている日が殆どではあるのだが、振り返ると遠回しに政治的な主張やメッセージ性の込められている気がするのだがいかがだろう。「こうあるべき」みたいなそこはかとない説教臭さが鼻につくのかもしれない。ただ、言いたい事なしにnoteを続けるのはなんか違うかなと思っている。いい歳して承認欲求の塊みたいにはなりたくないかなと、だったらさっさと結婚しろよと自分に思う。
最近、noteを更新しなければといった謎の焦燥感に再び駆られるようになってきた。そして投稿すると落ち着くのである。大した数は見られていないのに(笑)
それは構わないのだが、一旦投稿すると凪の状態に入るのがよろしくない。読書量が減るのだ。別に小説を書かなくても小説を読んだ方が文章を書ける気がするのである。近頃ちょっと頭がおかしい男の話に凝っているのだが、ドストエフスキーは参考になる。日記調の小説を書いている作家は全て参考になると言っていい。具体的にどこをどう似せるというより、その雰囲気に感化される事で、似たような気狂い感を演出したくなってくるのだ。何かの教訓も滑稽さに包めば伝わるだろうといった安易な発想である。テレビに出てくるなんとか評論家は圧倒的に面白くないし、感動要素も皆無である。勇ましく正論を言ったらそれで信者がついてくると思っているし、一面真実であるのが悲しいところだ。しかし、無党派のnoter相手には非常な苦戦を強いられる。たぶん何をやってもダメだろうが、今はまだ三井並みに燻っているので読書からのnoteを継続して頑張りたい。

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