妄想する男9

僕は今、腹立たしい思いでこの日記を書き始める。YouTubeにて、つばさの党がピースサインで警察に逮捕される様を拝見したからである。僕は腹立たしい思いがしたが、一般視聴者は不快感を覚えたに過ぎなかったのではないか。
つばさの党とはなんぞや。まだ国会に議席を持っていない政党である。主張のほどには詳しくないが、つばさというくらいだから、既存政党以外の弱小政党を、左右問わずウイングを拡げてまとめたいとか思っている政党なのではないか。取り敢えず既存政党のアンチを張っていると見せかけたいんだろうなという推測もこの度の騒動で十分に成り立つのである。
つばさの党の代表は以前から突飛な行動が目立っていた。例えば、NHKの日曜討論において「憲法改正」のテーマで議論をする際、突如、既存政党と外国勢力の癒着について語り出したりして、既存政党と一般視聴者の失笑を集めるべく努力してきた過去がある。
既存政党と外国勢力の癒着の問題は、真面目な弱小政党が日本の深刻な問題の一つとして現在、YouTubeの中で細々と視聴者に訴えているのだ。
馬鹿な跳ねっ返り政党が真面目な問題を茶化してしまう事によって、「それならあのつばさも言ってた事だよ?大した事ないでしょ」と以前なら耳を傾けてくれていた視聴者の耳を塞いでしまう効果が生まれるのだ。
馬鹿を装い、密かに既存政党を後押しする役目を担っているのだろうと、日曜討論の一件で容易に推測されるのであるが、この度、東京15区補選においてさらに馬脚を現したのであった。
相手陣営を前にして、電話ボックスの上に座ったまま相手を非難する演説をしたって誰が納得するだろう。あれを良しとするのは、余程の非常識な馬鹿だけである。そしてあれによって愚かしい既存政党がなんだかあたかも素晴らしい存在であるかの様に、つばさによって相対的に引き立てられているのである。YouTubeの再生回数を稼げたと言っていたが、野次馬根性で視聴しているのであって誰も賛成はしていない。傍からどんな風に見られてしまうかという頭くらい、あの代表は十分備えているんだろうと察するべきに僕は感じるのだが…。「広告収入を稼ぐ為か?」とマスコミは取り上げていたし、幹部もその様に答えていたが、連中の言葉をそのまま信じるのはちょっと安直である。そもそも広告収入という小銭を稼ぐ為に、逮捕されるリスクを背負うだろうか?連中の立場に立って考えて欲しい。広告収入以上の、逮捕歴がついてしまう以上の“ご褒美”がきっと彼等を待ちかまえているのだろうし、そう考えないとペイ出来ないのである。そして連中は、「“落選運動”は稼げる」とも言っていた。僕はこの時、落選運動を貶めたいんだろうなと思った。
度々この日記にて話題に挙がるチャンネル桜から生まれた政党、新党くにもりが落選運動を最初に始めたのであったが、当初は衝撃的であった。現行の小選挙区制度において、自民党と一騎打ちを行い勝利するのが到底無理である事くらい、選挙に疎い人でも分かるだろう。そこで真実に則したネガティブキャンペーンを日頃から道端で訴える事により、どんなに劣悪な政治が今行われているか有権者に理解してもらい、自民の競争相手を暗にアシストするのである。狙いは自民に対する脅しであり、国民の声を届ける為と言えよう。「請願すれば良い」と言っていた評論家がいたがそれは全くの馬鹿である。結局は、自分の立場が怪しくなった時に人は初めて本気になるんだ。また、今行われている政治が仮に素晴らしかったとしても専門的な鑑識眼が無ければそれを評価するのは中々難しい。しかし愚策であれば素人にも分かり易いのである。例えば「増税」や「裏金」を思い浮かべたら良いのではないか。
連中は弱者の戦法を今まさに潰そうとしているのだ。
「“落選運動”を画策する連中は金を稼ぐ為にやっているのであって、決して日本を良くしようとは思っていない」
のだと。
これは噂レベルの話だが、つばさの党の代表の裏には小沢一郎がいると聞いた事がある。これでなんとなく想像が着きそうな話ではないか。これが本当なら、つばさは既存政党のバックアップを受けているという事だ。ある人が
「つばさの党は、“朝鮮人は海に叩き込め”で有名な日本第一党の再来」
と言っていた。だから別に僕だけが勝手に思っている訳ではない。

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