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ガリガリ君の季節

 暑い。こんな熱した日に限ってなぜ黒色のサマーセーターなど着てしまったのかーー。朝の時点では「いける」と思ったんだろうな。いけませんよ。コンビニの窓に映る自分の姿が、ほっかほかの「のり弁」のように見える。暑苦しいぞ、私。

 汗だくで帰ってきてシャワーを浴び、アイスを食べる。部屋の温度は31℃超。午前中からこんな暑さではもうやる気ゼロだ。(いつもだな)

 こんな日に工事現場なんかで旗を振ってるようなおじさんには、国はいつになったら国民栄誉賞をやる気でいるのか。大谷サン以外は人間の数に入っとらんか? 早くしないとみんな死んでまうぞ、熱中症で。


 しかしなんだって人間は、こんなに無理をして忙しく働かなくちゃならんのだ? それぞれが体力や能力に見合った働きをして、楽しく生きていけないのはなぜなのか。なぜ我々の生活は苦しいままなのか。「社会主義の失敗をご覧あれ」で、その先の議論をせずにいられることが不思議で仕方がない。ーーこんなことを考えているよりその間に金稼ぎをしたほうが得ということか。つまりはみんな不安なんだろうな。まわりは敵ばかりだし、金以外に頼れるものがないということだ。
 
 でも金なんか持っててもしょうもないんだよ。金はただあっちからこっちに移動しているだけだし。使わなければ意味がないし、使っちゃったら他人の物になるんだし。
 金を稼いで得した気分になったり、安心したりするのは大きな間違いだ。そういう一人一人の価値観が、金がなくては生きていけない世の中を作るのである。たかが金のために、一家が首を吊るのである。いいかげんにせいよ、働きすぎの皆さん。ガリガリ君でも食べて休憩しなさい。


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