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住宅会社の営業担当者のアプローチ(その2)

住宅会社の展示場やモデルハウスに行き、営業担当者の話を聞いていると、次第に「住宅が欲しいな」という気持ちになってきます。
それはなぜでしょう。
ということで、前回は”家を買うべき”という情報伝達をどのような手順で実施していくかをまとめてみました。
つづいて、(その2)として、心理学で言う認知バイアスを利用した住宅購入における考え方の誘導アプローチについて、書いてみようと思います。

認知バイアス???

難しい言葉になってしまいました。
「認知バイアス」とは、直感やこれまでの経験、先入観によって、正確に判断できなくなる心理現象を指します。
より詳細については、Google検索にお任せしますが、人間の考え方の癖のようなもので、物事を理解するときに、誰にでも発生します。
特に情報量が多様にあり、目的によって正解が異なり、かつそもそも何が正解かわからない「家づくり、住宅探し」において、認知バイアスを利用した営業誘導はとても有効に機能します。
先ほど記載した通り”「認知バイアス」は、正確に判断できなくなること”なのですが、家づくりには、そもそも正解がないのですから、合理的な判断をすることが元々、難しい分野です。

そして、家づくりには「正解がない」一方で、多くの住宅購入希望者は、「正解がある」と思われているように感じます。
「自分は、家づくりで後悔したくない」「一生に一度の買い物だから間違いたくない」誰もが思う当然のことではありますが、
そのように強く思えば思うほど、認知バイアスの効果を利用した営業誘導はしやすくなります。

「アンカリング」と「フレーミング」

いくつかある認知バイアスの種類のなかに「アンカリング」「フレーミング」というバイアスがあります。
こちらも詳細はGoogle検索にお任せしますが、

・アンカリングは、最初に聞いた数値の影響をうける。
(例 30,000円が超特価セールで「19,800円」 安い!と思ってしまう。)

・フレーミングは、物事の捉え方、考え方について影響をうける。特に良くわからないものの時に効果大。
(例 私の『「マンション」「注文住宅」「建売住宅」「売建住宅」』記事も家の種類を4つに限定してしまっていますので、考え方をフレーミングしていると言えます。
もっと視野を広げれば、賃貸や実家に住むという選択肢もありますが、4つで考えるという考え方に誘導していると言えます。)

上記の認知バイアスを利用すると以下のようなご案内になります。

家探しを始めたばかりのお客様。
まずは、Webページで情報収集します。
それでも、人生で経験したことのない家づくり、家探し。
わからないことも多く、住宅会社のwebページは、相談会や見学会とリアル接触を案内してきます。
そこで、良さそうな住宅会社の展示場やモデルハウスにでかけ、愛想のよい営業担当者と会話をし、打ち解けてます。
すると、家づくりにおける情報量の違いや正解は千差万別である特性を利用した、アンカリングやフレーミングのトークが始まります。

「この辺りで土地からお探しで注文住宅を建築するとなると4,000万円くらいになりますよ。」(アンカリング)
「今時の新築住宅は、これぐらいの性能になっていることは当たり前ですよ。」(フレーミング)

もちろん意識なく、知識なく、純粋に上述のトークをする営業担当者もいますが、ある程度の経験がある担当者であれば、自社の住宅が販売している住宅価格や商品特性が有利になるように話しを展開します。
自社の住宅が非常に高額で土地から探すと5,000万円する場合、初めて出会ったお客様に「この辺りで土地からお探しで注文住宅を建築するとなると4,000万円くらいになりますよ。」などは言わないですよね。
価格をお伝えするのは、きっと自社の商品の強みや良さをお伝えした後になるでしょう。
一方で、価格がお安い住宅会社は価格の話を先行して伝えるかと思います。

このようにお客様の状況と情報の伝達方法や順番を工夫しながら、「家を建てたが方が良いこと」と「自社で建てた方がよいこと」の二軸でトークを展開していきます。

買いたい気持ちになるのは良いこと。

住宅営業における心理的誘導を住宅購入者の方がどう感じられるかは、様々かと思います。
ただ、何人もの家づくりや住宅購入の現場を見てきた経験からすると「初めてのことなのでやってみるしか、わからない」というのが正直なところではないでしょうか。
また、一般的なお仕事をされており、全国各地に移り住みたいという方以外はある場所に定住することが普通なのではないかと思います。

同じ地域、同じ場所に、家族とともに暮らしていこうと思われる方は適齢期に住宅を購入すること自体は間違いはないかと思います。
また、どんな家が自分に向いているのかも、正確には暮らしてみないとわからないことでもあります。
もし、仮に暮らし始めてから「間違えてしまった」となっても、暮らし方を変えてみたり、リフォームしてみたり、最終的には売却したりと、本当に10年くらい前に比べても住宅に関して、いろいろな選択肢が増えてきていると思います。

多くの方がよい住宅会社、よい住宅会社のスタッフと出あい、家づくり・家探しが楽しくすすめばと思います。


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