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40歳ドカタデビュー

「作業服でする仕事がしたい」と妻に打ち明けたときの僕の顔は、さぞ疲れはてたものだったのでしょう。

まだ娘は小学生なのに。これから家を買うかもしれないのに。ブヨブヨのお腹のくせに。きっと数えきれないほどネガティブな言葉が頭に浮かんだはずなのに、口から出た『いいんじゃない』の一言で僕は救われました。

建設業は極度の人手不足で売り手市場らしいとはいえ、手ぶらじゃマズいだろうということで移動式クレーン免許や大型特殊免許などを約2ヶ月間で取得。

これを手土産に20年ぶりにハロワのお世話になり、無事に地元の優良な建設会社に潜り込んだのです。

建設会社と二郎系ラーメンの共通点

ちなみに「建設会社」というカテゴリーは「ラーメン屋」と同じくらいざっくりとした線引きだと知ったのは、就職先が建設業界内で《基礎屋》と呼ばれる業種であることを告げられたときでした。

ラーメン業界内における二郎系、さらにインスパイアの富士丸で修行した店主が独立した「どでん」・・・みたいな感じでしょうか。

同じ基礎屋と呼ばれる業種でも「三点杭屋さん」や「仮設屋さん」など施工内容ごとに細かく専門性ごとに業種が別れています。

ドカタって本当はこんな人たち

でも、そんなこと知らない人は現場で排ガスと泥まみれで働く我々をまとめて「ドカタ」と呼ぶわけです。

最近はDOKATAが差別用語っぽい扱いです。差別はいけません。でも本音では中卒、前科者、元ヤクザばっかりで高喫煙率、入れ墨なんか当たり前。怒鳴り声と暴力のマリアージュ。エグいパワハラには「イイネ」つけまくり。あなたもドカタをそんな目でみていませんか。

僕は声を大にして言いたい。「たしかにそのとおり!」と。

還暦が近い先輩(58歳)が現場でチョークスリーパーを決められて失神してたり、仕事終わりにコンビニでビールを買って車のドリンクホルダーに突っ込み、そのまま笑顔で駐車場から出ていく還暦過ぎ(たしか62歳)の先輩がいたりします。

でも、僕はエアコンの効いた部屋でパソコンをカタカタしてた前職よりも遥かに幸せな毎日を過ごしています。肌は黒く胸板は厚くなり、以前は完食できずに途中でギブしていた二郎の小ラーメンもペロリ。夜は22時にベッドに入ると即寝オチ、朝4時半にスマホの目覚ましタイマーが鳴るまで夢もみないほどぐっすりです。

肉体的な疲労に反比例するようにココロはとても軽いです。汗をかくと悩みごとやネガティブな感情が流れ出ちゃう感覚がありまして、人間って肉体労働したほうが幸せなのじゃないかと本気で思っています。

入社4年も後輩ゼロ。そこで僕は気づく

入社して4年(2021年現在)になりますが、僕に後輩はいません。ドカタは嫌われているんですね。でも、僕自身がそうだったように、この業界に来れば幸せになれる人もいると思うのです。なんだかんだで弱者にも寛容な業界です。

よその業界でツラいなら、みんなドカタになればいいのに。天気のよい日に弁当をモシャモシャと頬張りながら思ったりするわけです。「もっと上手に求人広告とか出せばさぁ・・・」

ここで僕は気づきます。
求人サイトやコンビニの求人誌などで建設業の広告をチェックしたところ、やはり「中小建設業者は求人広告が苦手らしい」ことがよくわかったのです。

無理もありません。
人手不足で社長も現場でユンボに乗ってるくらいなのですから、時間も費用もかけて求人広告を作り込むことなど不可能です。ですが、これも新人ドカタが入ってこない要因のひとつなのは間違いなさそうです。

さすがに現在所属している会社の手前、堂々とはできませんが、こそこそと人手不足の中小建設業者の求人を手伝おう、あわよくば副業にしてしまおうと企みつつ、できるだけ実戦的なノウハウを書いていきたいと思ってます。

【10/4追記】
建設業専門で求人広告をつくるサービスはじめました。経験豊富なパートナー達と協力しながら頑張りますー
求人職人→https://jobadmasters.com/


きょうも頑張っている建設業の社長さんのお役に立てますように。


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