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希望の見つけ方(38):去り際

去り際に振り向いた
あなたの笑顔が
 
とっても素敵だったから
 
また会いたいなあ
という気持ちになるんだ
 
去り際をきれいに、という表現があります。たとえばカフェでは椅子を元に戻して立ち去る。ホテルではベッドのシーツを整えてチェックアウトする。犬の散歩では、オシッコをしたらペットボトルの水を一振りかけておく、というふうに。去り際をきれいに、とは自分が立ち去る時の美しさ、さわやかさに言及した素敵な日本語です。
 
去り際をきれいにすると希望につながります。たとえば人と会っていたとしましょう。話が弾んで、いよいよお別れの時間が来ました。笑顔で握手して再会を誓って「ではまたお会いしましょう」。その去り際の心地良さこそが、再会のきっかけになるのです。
 
私がよく行く図書館には駐車場がない。だから正面のコンビニに車を止めます。本の返却などの用が済んだ後、のど飴とかガムとか、小さなものを買って立ち去るようにしています。わずかの時間でも駐車場スペースをお借りしたというほんのお礼の気持です。
 
私の卒業した高校は、東京は墨田区の向島にあります。下町文化のとても濃いところ。卒業して成人してから先輩方に、江戸っ子の酒の飲み方について口やかましく教えられました。たとえば、蕎麦屋で一杯ひっかかけるときなんかこうです。「酒は蕎麦を肴にぬる燗で一杯、ってのがいいんだよ。江戸っ子てのは、長っ尻(ながっちり…長居すること)しねえのが粋なんだ」というのです。サッと食って、サッと飲んで、サッと帰る。それが江戸っ子の美学なのでしょうね。
 
去り際にはいろんな可能性があります。たとえば私は週一回、柔道の練習を今も続けていますが、新しい技を覚えた!というような感覚を残して道場を去ります。技の習得には無限の工夫が必要です。なので練習を終えたあと、なにか一つでいいから次の稽古に繋がるような工夫をする。去り際を良くすることが上達につながります。
 
またこんな風に想像することもできます。つまり、今日という一日も人それぞれに、訪れてはまた去っていくもの。毎日はその繰り返しです。今日の去り際をきれいにする、大切にするという意識は、明日につながると思うのです。私は、大酒飲みではないですが、ほどほどの晩酌は一日を終える楽しみの一つです。そこで気に入っている川柳を一つ。
 
晩酌で 今日を洗ってまた 明日
 
 
◎カイゼンひとくち英語
It feels good to leave clean and pleasant.
去り際はきれいに、そして気持ち良く!
 
 
 


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