【緊急投稿】祝!「ゴジラ-1.0」アカデミー賞記念(改稿版)映画「宇宙戦艦ヤマト」実写版への期待
【緊急投稿】
祝!「ゴジラ-1.0」アカデミー賞記念
(改稿版)映画「宇宙戦艦ヤマト」実写版への期待
山崎貴監督作品
「SPACE BATTLESHIP ヤマト」
https://moviewalker.jp/mv45586/
(筆者注、元の文章は、映画実写版ヤマトが公開される前、キャスト発表の時点でブログに書いた記事)
「宇宙戦艦ヤマト」はアニメでこそ、という意見はわかるが、それでもあえて実写化する値打ちは十分ある。しかし、するならぜひ大胆なリメイクをしてほしい。
「宇宙戦艦ヤマト」の物語は、いろんな解釈ができるが、第1作に限っていえば、すぐれた「ファーストコンタクト」ものとして描かれている。
スピルバーグ監督がウエルズの古典SF「宇宙戦争」をリメイクしたが、あれもよくできたファーストコンタクト映画になっていた。「ヤマト」実写版も、どうせならとことんCGを使って、遊星爆弾でふっとぶ東京タワーや大津波に呑まれる自由の女神など、パニックものとして派手にやってほしい。
とはいえ、宇宙船バトルにはそれほどのインパクトはないだろう。けれど迫りくる放射能汚染の恐怖を、じっくり描いてほしい。
というのも、アニメ第1作「宇宙戦艦ヤマト」の初回放映時には私は小学生だったのだが、あの赤く放射能汚染された地球、を見た恐怖は今でも思い出せる。
ハリウッド製核戦争ものは爆発のCGばかり派手で、核の恐怖=放射能汚染という視点はほとんど感じられない。核戦争による放射能汚染を唯一体験した日本人にしか、この恐さは実感をもって描けないに違いない。放射能汚染による人類絶滅の恐さこそが、ヤマトの使命の重さもイスカンダルのありがたさも、そしてガミラスの恐ろしさも実感させるのだ。「ヤマト」第1作で、「人類絶滅まで、あと~〜日」と毎回の終わり際に出てくるカウントダウンは、子ども心にも切実に怖かった。
あと、もしまかり間違って大ヒットしても、くれぐれも続編はなしでお願いしたい。
(筆者注、さすがに、もう実写版ヤマト続編は、ないだろう)
土居豊:作家・文芸ソムリエ。近刊 『司馬遼太郎『翔ぶが如く』読解 西郷隆盛という虚像』(関西学院大学出版会) https://www.amazon.co.jp/dp/4862832679/