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連載更新!『コロナ禍の下での文化芸術』 4章特別編 その2 「2021年、コロナ関連のオケ公演延期・中止事例&音楽家の感染事例など」

連載更新!『コロナ禍の下での文化芸術』4章特別編その2「2021年、コロナ関連のオケ公演延期・中止事例&音楽家の感染事例など」


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2021年夏前から秋にかけて、東京五輪2020が無観客とはいえ盛大に開催されているのを横目に、コロナ・デルタ株による第5波の影響で、多くのクラシック音楽祭・演奏会がキャンセルされた。
その一部を、以下、まとめておく。


これらの音楽演奏・イベントがコロナ感染で中止・延期・演奏者交代を余儀なくされたのに、なぜ東京五輪や夏の高校野球・甲子園大会、それに全国吹奏楽コンクールなどは開催できたのか? その違いはどこにあるのか? 大きく分けて、スポーツと芸術との、国や自治体やスポンサー側からの扱いの差を、感じ取ってしまうのは筆者だけだろうか?


(1)PMF(パシフィック・ミュージック・フェスティバル)中止


記事引用
「札幌のPMF中止 出演者らコロナ感染で」(2021年7月28日 19時17分 共同通信)

《札幌市内で毎夏開かれる国際教育音楽祭「パシフィック・ミュージック・フェスティバル(PMF)」の組織委員会は28日、出演者やスタッフ計2人の新型コロナウイルス感染が確認されたことから同日以降の演奏会を中止すると発表した。ことしは23日から開催していた。
 組織委は「出演者ら関係者が濃厚接触者に該当する可能性がある中、開催の継続は困難と判断した」と説明している。》



(2)ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団来日公演中止


告示より引用
《2021.08.20【謹告】「ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団来日公演 指揮キリル・ペトレンコ」公演中止のお知らせ
今年11月16日(火)に開催を予定しておりました「ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団来日公演 指揮キリル・ペトレンコ」は、日本における新型コロナウイルス感染症が再拡大している現状において、予定していた来日が不可能という結論となりましたことを謹んでお知らせ致します。ベルリン・フィルより、本件に関してコメントが届きました。

新首席指揮者マエストロ・ペトレンコとの初の日本ツアーを中止しなければならないことを非常に残念に思います。次回の来日公演を大変楽しみにしています。今年は来日が叶いませんでしたが、次回の訪問を心待ちにして頂き、大成功を収めたいと思っております。
"It is with great regret that we have had to cancel our first Japan tour with our new chief conductor Maestro Kirill Petrenko. We very much look forward to our next tour in Japan and we all hope that in spite of not being able to come this year, our next visit will be eagerly awaited and very successful.”

公演を楽しみにして下さっていた皆様に心よりお詫び申し上げますとともに、ご理解を賜りますようお願い申し上げます。
お問い合わせ:ミューザ川崎シンフォニーホール》


(3)KAJIMOTO 招聘アーティストの公演中止など


告示より引用
《2021.03.16「ヤクブ・フルシャ指揮 バンベルク交響楽団」来日中止のお知らせ
2021年6月に招聘を予定しておりました「ヤクブ・フルシャ指揮 バンベルク交響楽団」は、未だに続いております新型コロナウイルス感染症の影響による入国制限の緩和等が現時点で見通せないことから、大変残念ながら来日を中止させていただくことになりました。これに伴い、弊社主催の2021年6月21日(月)フェスティバルホール(大阪)・23日(水)/24日(木)サントリーホール公演も中止となります。現在の世界における新型コロナウィルスの感染状況を注意深く見守りつつ、出来るだけ早い次回の来日に向けて話し合いを進めてまいります。皆さまのご理解を賜りますようよろしくお願い申し上げます。》

告示より引用
《2021.06.18「イ・ムジチ合奏団」来日延期のお知らせ
今秋9月に招聘を予定しておりました「イ・ムジチ合奏団」は、未だに続いております新型コロナウイルス感染症及び新型コロナウイルス変異株急拡大の影響によって、日本への入国制限の緩和等が現時点で見通せないことから、大変残念ながら来日を延期させていただくことになりました。これに伴い、弊社主催の2021年9月30日(木)サントリーホール公演は中止となります。》

告示より引用
《2021.07.07 トゥガン・ソヒエフ指揮ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団来日中止のお知らせ
今年11月に招聘を予定しておりました「トゥガン・ソヒエフ指揮 ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団」は、未だに続いております新型コロナウイルス感染症及び新型コロナウイルス変異株急拡大の影響によって、日本への入国制限の緩和等が現時点で見通せないことから、大変残念ながら来日を中止させていただくことになりました。 これに伴い、すでに発表しておりました以下の公演は中止となります。
2021年11月17日(水) 愛知県芸術劇場コンサートホール
    11月19日(金) ザ・シンフォニーホール(大阪)
    11月20日(土) ミューザ川崎シンフォニーホール
    11月22日(月)・23日(火) サントリーホール(東京)》

告知より引用
《2021.07.21 ワレリー・ゲルギエフ指揮ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団来日中止のお知らせ
今秋11月に招聘を予定しておりました「ワレリー・ゲルギエフ指揮 ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団」は、未だに続いております新型コロナウイルス感染症及び新型コロナウイルス変異株急拡大の影響によって、日本への入国制限の緩和等が現時点で見通せないことから、大変残念ながら来日を中止させていただくことになりました。これに伴い、すでに発表しておりました以下の公演は中止となります。
2021年11月21日(日) 京都コンサートホール
    11月24日(水) ミューザ川崎シンフォニーホール
    11月25日(木) 高崎芸術劇場
    11月26日(金) フェニーチェ堺
    11月27日(土)・28日(日) サントリーホール(東京) 》


(4)ジャパン・アーツ所属アーティストの公演中止など


告示より引用
《2021/6/1
緊急事態宣言発出に伴う公演開催について
2021年5月28日に発出されました緊急事態宣言延長に伴い、宣言期間中の6月1日から6月20日の公演については下記のとおり実施を予定しております(6月1日(火)12:00現在)。今後の新型コロナウイルス感染症予防及び感染拡散防止のため、皆様のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
6月6日(日) 小林研一郎80歳(傘寿)記念&チャイコフスキー生誕180周年記念(Cプロ) <公演実施>
6月20日(日) 横山幸雄 “入魂のショパン” Vol.12 <公演実施>
尚、4月25日から5月31日の公演については下記の通りとなっております。
5月30日(日) 仲道郁代 ピアノ・リサイタル <公演実施>
5月22日(土) 千住真理子 ドラマティック・コンチェルト <公演実施>
5月17日(月) 錦織健 テノール・リサイタル <公演実施>
5月10日(月) 国際音楽祭NIPPON2020 尾高忠明/NHK交響楽団/諏訪内晶子 <公演延期>
5月5日(水・祝) 横山幸雄 “入魂のショパン” Vol.12<公演延期>
5月4日(火・祝) ・ 5日(水・祝)ららら♪クラシックコンサート Vol.10 <公演中止>
4月27日(火)小林研一郎80歳(傘寿)記念&チャイコフスキー生誕180周年記念(Cプロ)<公演延期>
9月23日(木・祝) 横山幸雄 ベートーヴェン・プラス Vol.7 <チケット発売日変更>》

告示より引用
《2021/7/15
【来日中止のお知らせ】2021年11月 トーンハレ管弦楽団
2021年秋に来日公演を予定しておりましたチューリッヒ・トーンハレ管弦楽団は、新型コロナウイルスの世界的感染拡大の影響による国際情勢及び国内の現状、現時点での入国規制の状況が不透明である状況に鑑み、大変残念ではございますが招聘を断念せざるを得ない状況となりました。
【公演日程】
11月13日(土) 北九州ソレイユホール
11月14日(日) 愛知県芸術劇場コンサートホール
11月15日(月) サントリーホール
11月16日(火) サントリーホール 》



(5)指揮者・飯森範親新型コロナウイルス感染に関するご報告


https://www.japanarts.co.jp/news/p6301/

告示より引用
《2021/8/16
指揮者・飯森範親新型コロナウイルス感染に関するご報告
飯森範親は新型コロナウイルス感染に伴い、「8月18日交響曲獺祭~磨migaki~五感で味わうコンサート」、「8月21日チャイコ3連投!熱狂コンチェルト-2021-」の指揮を降板することになりましたので、お知らせいたします。
弊社は引き続きご来場のお客様、出演者、各主催者はじめ関係の皆様やスタッフの安全確保を最優先に、各機関、各公演会場におけるガイダンス、医療専門家の指導に従い新型コロナウイルスの感染予防・拡大防止に努めて参ります。
2021年8月16日
株式会社ジャパン・アーツ》


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土居豊:作家・文芸ソムリエ。近刊 『司馬遼太郎『翔ぶが如く』読解 西郷隆盛という虚像』(関西学院大学出版会) https://www.amazon.co.jp/dp/4862832679/