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土居豊の文芸批評

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土居豊の文芸批評 作家・土居豊が「文芸批評」として各種ジャンルの作品を批評します。 不定期に掲載。 マガジンとしてまとめる記事は、有料記事です。同じテーマの批評をまとめ読みがで…
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#ドストエフスキー

土居豊の文芸批評 特別編《ヘルマン・ヘッセの『荒野の狼』と、マルチバース小説、そして自作のことなど》

土居豊の文芸批評 特別編 《ヘルマン・ヘッセの『荒野の狼』と、マルチバース小説、そして自作のことなど》 (1)ヘルマン・ヘッセの『荒野の狼』と自作の思い出 ヘルマン・ヘッセの小説を、今20代以上の人の多くは、一度は読んだはずだ。なぜなら、中学校の国語の教科書に、かつては定番教材としてヘッセ「少年の日の思い出」が載っていたからだ。 ※参考 教育出版 https://www.kyoiku-shuppan.co.jp/textbook/chuu/kokugo/document

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土居豊の文芸批評 ドストエフスキー『罪と罰』 ラスコーリニコフの老婆殺しは、妹推しの兄が切羽詰まってやっちまったこと

土居豊の文芸批評 ドストエフスキー『罪と罰』 ラスコーリニコフの老婆殺しは、妹推しの兄が切羽詰まってやっちまったこと (1)なぜ、いま、ドストエフスキー? 唐突だが、ドストエフスキーを語ることにする。 それというのも、筆者は長らく村上春樹作品を批評してきたが、村上作品の根底には、ドストエフスキーからの影響が色濃いからだ。 村上自身、中学時代からドストエフスキーを読んでいたし、英語で米国ハードボイルドのペイパーバックを読むようになってからも、ドストエフスキーの長編を愛読して

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土居豊の文芸批評 高村薫『レディ・ジョーカー』その1 平成日本を代表する小説 

土居豊の文芸批評 高村薫『レディ・ジョーカー』その1 ※写真は全て土居豊の撮影 (1)平成日本を代表する小説 現代のドストエフスキー、と呼ばれることもある作家の高村薫、その作品中でも人気の高い「合田雄一郎」シリーズの3作目『レディ・ジョーカー』は、平成日本を代表する文学作品だ。 物語はグリコ・森永事件をモチーフとしていながら、時代背景を1995年前後として、平成日本の虚実を描く。 時代がまだバブル崩壊後の予熱を保っていた時期、バブルの象徴のような日之出ビール(キリン、が

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