地域おこし協力隊を採用・応募する前に、ちょっと見て欲しい話
自分自身が地域おこし協力隊になって3年目となりました。趣味の数字いじりでちょっと発信でもしたいと思いつついました。
ちょうど、令和3年度の地域おこし協力隊に関するアンケート調査において、やっとクロス集計表が掲載されるようになったので、記述統計よりも、ちょっとだけ深く分析できるようになりました。
http://www.iju-join.jp/f-join/R3kyoryokutai_questionary_report.pdf
なので、ちょっとだけ細かく分析結果を見ながら思ったこと・感じたことを述べさせていただきます。ただ、統計ですので、あくまで全体的な傾向です!
多分、これから協力隊になりたい方や採用しようと思っている方には、ちょっと参考になるのでは?と思っています。ぜひぜひ、行政と隊員のミスマッチを減らし、満足のいく協力隊の採用や協力隊ライフに貢献できれば嬉しいですね。
記述統計については、調査結果にきちんとまとめられているので、そちらをご確認下さい。また、クロス集計表からの分析となりますので、カイ2乗検定と残差分析、コレスポンデンス分析が中心です。取り上げている表のすべては、カイ乗検定で有意な関連が見られています。また、▲や▽は、残差分析の結果、有意に差があったものを示しています。
アンケート回答時にクロス集計表載せて欲しい!とお願いしたので、書いてて良かった!
また、分析には、js-STARやCollege Analysisを使わせていただいております。フリーでここまでできて、ありがたい!
①定住意向と着任年数の関連は有意にありました。また、定住する予定については、1年目が少なく、3年目が多いです。移住・定住を協力隊に求めるなら、まずは少なくとも3年間協力隊を続けられる環境を整えることが大事ってことですね。
②兼業・副業の有無と定住意向の関係ですが、有意な関連がありました。特に、定住する予定に着目すると、兼業・副業をしている(していた)と回答する人が定住意向が高く、できない・したいと思わない人は低いようです。面接で兼業・副業したいのですが…?と聞いてきた人がいたら、チャンスかも知れません!ガンガン兼業・副業OKにしましょう!一方、雇用形態と定住は関連ナシです。
③着任年数と起業・就職等意向は、現時点では決めていないという人が減るくらいで、他はほとんど差がありませんでした。つまり、3年の間で大きく考えが変わることは少なく、採用時の動機がとても大事ということですね。
④兼業・副業の有無と起業・就職等意向ですが、兼業・副業をしている(していた)人ほど起業・継業の意向が高く、兼業・副業をしたいと思わない人ほど、起業・継業への意向が低く、新規就農や行政、公的機関への就職を希望するようです。
⑤着任年数と研修受講意向では、1年目は地域に関することが多く、3年目はもう起業等に向けた実践の段階なので、地域のことを勉強する段階は終わっているし、研修を受けている場合じゃない、そんな感じですね。3年目の僕自身、研修よりも事業に関するメンターが欲しいと感じるこの頃です。
⑤兼業・副業と研修会受講意向については、している(していた)人たちの方が、起業・創業に関する研修を希望しますね。一方、兼業・副業したいと思わない人たちは、地域関係の研修か、またはそもそも受講しないと思わないような傾向にあるようです。
これらの結果をまとめると、協力隊に定住を求めるなら、採用時から起業・創業を希望する人をピックアップし、協力隊の任期中もどんどん兼業・副業をやってもらいましょう!また、起業・創業を研修等でしっかりサポートしましょう。近い項目が集まるコレスポンデンス分析結果も、そんな感じです。
コレスポンデンス分析の縦軸・横軸の解釈が難しいなぁと思いつつ、こんな軸ラベルつけてみましたが、どうでしょうかね?
確定的
↑
能動的← →受動的
↓
不確定
縦軸としては、下に行くほど色々な選択肢があって判断に迷っているような状態で、上に行けばいくほどこうしようと決めている、そんな印象です。
横軸としては、左側が自ら選択的に自己決定している感じで、右側が受け身的な感じを受けました。
言い換えると、地域おこし協力隊になりたいと思う人の中で、その地に移住し定住したいと思うならば、自分で仕事を作る・誰かの仕事を引き継ぐ・その地の企業に就職してでも住む、ぐらいの覚悟が無いと厳しいかもしれない、ということですね。それが楽しいんですけどね!
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