見出し画像

【新型タバコ特有の肺疾患】

電子タバコ関連肺傷害(e-cigarette, or vaping, product use-associated lung injury;EVALI)をご存知ですか。


電子タバコ関連肺傷害(以下EVALI)は、もはや世界的によく知られた
疾患概念となっています。


日本では電子タバコに規制がかかっているため、電子タバコ関連の病気はまだ少ないですが、
実は、世界的に問題となっているこの呼吸器疾患です。


加熱式タバコと電子タバコの違いは?


ヒートスティックを加熱して
吸入する加熱式タバコと、
液体を吸入する電子タバコは別物です。


加熱式タバコも決して勧められるものではないが、同一視してはいけません。

後で補足しますが、加熱式たばこでEVALIは起こらないとされています。


 紙タバコを吸い続けることで、
慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの慢性呼吸器疾患や、
心血管疾患のリスクを上げることはよく知られています。


しかし、電子タバコは肺への影響が、少ないと信じている人も多いようです。


ところが、電子タバコによる「肺傷害」が多発していることは、紛れもない事実です。
 ニューヨーク州のロチェスター大学において、両側肺炎で入院した患者のうち、


電子タバコなどの使用があり、EVALIが疑われた12例が報告され、注目を集めました。


何が注目されたかというと、
その肺炎の重篤性です。


多くが致死的な低酸素血症で、
半数以上が集中治療室(ICU)に入室したのです。


今でこそ新型コロナウイルス感染症に話題を奪われた格好になっていますが、


最重症の新型コロナウイルス感染症と区別できないほどの肺炎だといわれています。


EVALI患者の特徴は
✔️THC(大麻の主成分)を含む電子タバコを吸っている
✔️EVALIの症例の過半数は男性
⇒喫煙人口は男性の方が多いためでしょう。
✔️死亡リスクが上がるのは高齢者層に偏っている傾向がある。


電子タバコは液体を加熱し、
発生した水蒸気を吸引する製品です。

問題は、このリキッドの中に
THCが含まれていること☠️


 電子タバコの多くにTHCが含有されているため、


先ほどの、ロチェスター大学の報告では、おそらくEVALIの原因はTHCではないかと考えられています。


 ただ、近年注目されているEVALIの原因物質としてビタミンEアセテートがあります。


これは、気化式タバコカートリッジの添加物として使われる油性物質です。これもEVALIの原因物質の1つとして検討されています。


 日本では、ニコチン入りの電子タバコは販売規制されていますが、


世界的に流通しているこの電子タバコを、

できれば日本に入れてほしくないものです。


 加熱式タバコについてはEVALIの心配はないものの、特殊な肺炎(急性好酸球性肺炎など)の報告が相次いでいます。



新型タバコの方が、体に優しそう…と安易に手を出すのは要注意です☝️

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?