怒濤の入試漢字【書き取り1734問】(251~300)

1 怒濤の入試漢字251~300

251 国際秩序の悪化をユウリョした首相の決断。
252 今日は夏目漱石のセイタン150年の記念日だ。
253 原発問題に関してシキシャの意見を求める。
254 その小説の主人公はヒサンな最期を迎えた。
255 地球温暖化のエイキョウで天候不順が続いている。
256 左利きを右利きにキョウセイする。
257 黒コショウは高級品としてチンチョウされていた。
258 錬金術には近代科学のホウガが見受けられる。
259 四輪クドウの自動車を生産する。
260 病後にもかかわらず彼はオウセイな食欲を見せた。
261 ホリョには人道的な扱いをすることが求められる。
262 彼のオウヘイな態度に教師は激高した。
263 事のホッタンは彼のささいな一言だった。
264 産業のクウドウ化が指摘されて久しい。
265 コチョウを含む広告は倫理上よくない。
266 所得金額から医療費をコウジョする。
267 話のショウテンが定まらない。
268 事態はかなりセッパクしている。
269 神社のケイダイで遊ぶ子どもたち。
270 監督の厳しいシッセキに耐えて全国大会に出場した。
271 膨大な範囲をモウラした参考書を探す。
272 国家のイシンを賭けた宇宙衛星の開発。
273 人力をチョウエツした大量生産を可能にする機会。
274 ケイシャのきついスキーのコースを滑走する。
275 彼のセツレツな論文は学会で批判にさらされた。
276 飽くことなきリジュンの追求が資本主義の本質だ。
277 その会社はコショウの変更を役所に届け出た。
278 試験範囲を間違えてしまい、勉強がトロウに終わった。
279 彼のカンペキ主義は周囲に迷惑をかけるほどだ。
280 空気セイジョウ機の購入を検討する。
281 その古い家屋の柱はすでにち果てている。
282 世界記録にチョウセンすべく鍛練を積む。
283 青空の下をシッソウするスポーツカー。
284 大学教授の退屈なコウギを欠席する。
285 彼は大量の注文の処理にボウサツされている。
286 国会開設の機運が次第にジョウセイされていった。
287 異国をセイフクして版図を拡大する。
288 その選手は足かけ20年でイギョウを達成した。
289 タイダな受験生は絶対に志望校に受からない。
290 テロリストのリフジンな要求に屈してはならない。
291 彼は学級委員として他の生徒のモハンたろうとした。
292 言い知れぬ不安に突如としてオソわれた。
293 果物をアッサクして果汁を取る。
294 松尾芭蕉は東北の地にオモムいた。
295 工場をフルカドウさせて供給体制を整える。
296 運動会では国旗がケイヨウされる。
297 祖父は幼い頃からの生き方をボクシュしている。
298 彼はおぼろな意識の中で死んだ母のゲンエイを見た。
299 その銀行はとうとう経営ハタンした。
300 僕の母はパソコンのソウサに疎い。

2 補足解説

2-1 「産業の空洞化」って何?

 製造業(ものづくり関連企業)が生産拠点となる工場などを海外に移転させることで、国内の製造活動が減少(製造業が衰退)することを言います。
 従来、資源の少ない日本では原材料を輸入し、それを加工して輸出してきました。しかし、円高の進行に伴って輸出商品の価格が上がったため、輸出が減退してしまいました。そこで、企業は賃金や土地代の安い海外に工場を移転して経営の危機を回避するようになりました。その結果、国内の製造業は衰退してしまったわけです。これが産業の空洞化と呼ばれるものです。
 産業の空洞化の問題点としては、
 ① 技術の海外流出(日本の先端技術が海外に流出してしまい、技術の国際競争力がそがれてしまう)
 ② 雇用の減少(国内から工場が移転してしまったため)
 ③ 国家税収の減少
 などがよく指摘されています。日本経済の今後を考える上で、産業の空洞化の問題は避けては通れない問題となっています。

2-2 「墨守」

 古代中国の戦国時代の思想家に墨子という人物がいます。「墨守」というのは、墨子のあるエピソードに由来する言葉です。
 大国であった楚の国は城攻めに使われるはしご車を開発し、小国の宋に攻め込みました。そのとき、墨子は楚の将軍と盤上で模擬戦を行い、楚の国のはしご車の攻撃を何度も回避します。楚の将軍はそれで攻撃を諦めて撤退したのです。この逸話から、「墨守」というのは〈自らの習慣や主義主張をかたくなに変えようとしないこと〉を意味するようになりました。なお、通常の文脈であれば、〈古くさいものにしがみついている〉といったネガティブなニュアンスで使われます。もとの逸話からすれば少し解せないところではありますが、覚えておいてください。

 墨子の名前が出てきたので、彼の思想について少しだけ触れておきます。
 墨子が生きた時代はまさに戦乱の世でした。墨子は、その戦乱の原因を、人々が他者を愛することなく自分の利益ばかりを追求してしまうところにあると考えました。そこで、墨子は、〈この世のすべての人が、自分の利益にとらわれることなく他者を広く愛することができれば戦乱もおさまるはずだ〉と考えました。こうした無差別的・平等的な愛のことを墨子は「兼愛」と呼びました。
 さて、他者を愛することは他者に利益をもたらすことです。互いが兼愛の精神に基づいて、相手の利益のために行動すること(これを「交利」といいます)ができれば、戦乱の世もおさまるはずだ、と墨子は説くのです。墨子はこうした観点から侵略的な戦争を批判する「非攻」を唱えたのです。
 動乱の戦国の世にあって、領土的野心に燃える血の気の多い諸侯を訪ね、「兼愛」「交利」「非攻」を説いて回った墨子という思想家は、本当に気骨ある思想家だったと思います。

↓さて、今回の解答はこちらからどうぞ。


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