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こんなに「図書館の人」になるなんて想像もしていなかったけど、自分は求められるがままに生きる。

今朝の新聞で発表になったのですが、ありがたいことに「みんなの図書館さんかく」の取り組みが評価され、第15回マニフェスト大賞の優秀賞を受賞することになりました!

知り合いの方から「出してみては?」と紹介されて出したもので、軽い気持ちだったのですが、やはり受賞というのは大きな励みになりますね。

最近、「今後の図書館のあり方について意見を伺いたい」と行政のひとが来てくれたり、「うちのまち/オフィス/スペースにも図書館を併設したい」と様々な組織の方が相談に来てくださったりと、すっかり図書館の人としても仕事をしています。

自分のことを「図書館の人」として認識されている方に改めて断っておくと、自分は若者のまちづくり参加を推進するNPO法人わかもののまちの代表をしていて、一応、国の審議会でも委員をさせていただいていたりもします。

それから「コミュニティファシリテーター」という肩書きを名乗るようになって、一般社団法人トリナスを共同で立ち上げ、ファシリテーターとして活動したり、補助金/助成金の審査員をしたり、市民活動やアート活動の相談員をしたり、たまに中華料理屋やったり、まあ自分でも何屋かわからない生き方をしています。

そんな自分が図書館をつくりはじめたのは、ぶっちゃけ自分の家の本棚が溢れてしまっていたから(笑)

家にあるだけだと勿体ないから、大きい本棚をつくって、自分の本を貸出できるようにできるといいなー、でも場所を借りれば家賃とかかかるしなー。

そんなことに悩んで思いついたのが、同じように本を貸したい人が本棚をシェアして、貸す人がお金を払う「一箱本棚オーナー」の仕組みだったのです。

「棚を借りる人のメリットは?」と今でも聞かれたりしますが、「さんかく」のオーナーは現在40名で、なんと3名ほどキャンセル待ちが出るほどの人気ぶりです。

同じ仕組みを用いてプロデュースすることになった石川県加賀市の「おんせん図書館みかん」は、9月に開館したばかりなのに、約1ヶ月で既に40棚の契約が決まっています。

これらの図書館のベースには「私がつくる公共」という大それたコンセプトがあり、本当の意味での私の欲求が「うちの本棚溢れたな」だったわけです。

まあ、まちの居場所をつくりたい!とか、市民が集まるコミュニティスペースをつくりたい!と綺麗事を語るよりは、素直でいいんじゃないかと個人的には思っています。

とはいえ、私設図書館で経営を成り立たせるのは正直かなり難しい部分があり、我ながらこの仕組みはよくできているなぁとよく自画自賛しています(笑)

もちろん苦労もたくさんあるわけですが、同じ仕組みで図書館をつくりたい方はやはり協力したいですし、最近クラウドファンディングがはじまった兵庫県豊岡市のシェアする図書館プロジェクトでは「図書館アドバイザー」の肩書きもいただきました。

まさか自分が「図書館アドバイザー」になるなんて想像もしていませんでしたが、誰かが自分のことを必要としてくれて、勝手に肩書きをつけてくれるのはなんと嬉しいことなんだろうと思うのです。

「さんかく」をオープンしたのは今年の3月。まだ半年も経過していない状態で、加賀市、豊岡市、そしてさらに2館、自分が携わって図書館のプロデュースをしています。

何度も言いますが、最初はシェアする図書館のモデルを全国に広げたい!とはまったく思っていなかったのです。

でも、「図書館について聞きたい/話したい」「うちのまち/スペースの図書館もプロデュースしてほしい」と依頼をどんどんいただいて、それが心地良かったりもします。

人間やりたいことも大事だけど、やっぱり誰かが自分を求めてくれるのが嬉しいものです。

「あるがままに」ではなく「求められるがままに」生きる。

それが自分のキーワードです。

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