いくつになっても丸くならない

よくおじさんが言う。「若い頃は尖っててさ」
恐らくこの「若い頃」は10代後半~20代前半の頃を指しているのだろう。ちょうど今の僕の年代だ。しかしそんな僕もこの言葉の意味が分かるし、自分に思い当たる節もある。
決して自分が老けているとか、周りより成熟しているとかいう意味ではない。今の僕から見た「昔」、つまりもっと幼かった10代なり立てや10代前半の頃のことが思い当たるのだ。
しかしそんな年齢は、一般に言う「思春期」で誰も強がり、虚勢を張っていたことだろう。おじさんの言う「尖っていた」とはそんな意味ではないのだろう。

「年を取ると丸くなる」という言葉もよく耳にする。
前述の「尖っていた」が無くなることだろう。とすればこの「尖っていた」とは何だろう。思春期のような虚勢ももちろんあるだろう。しかしその頃より幾分歳を重ねたこの頃には「尖り方」ももっと多様化しているだろう。
例えば僕自身で思い当たることは「弱みを出せない」ことだ。どんなに仲の良い、気の置けない友人にも自分の弱いところ、上手くこなせないところは見せたくないと思ってしまう。「何でもできるスーパーマンと思われたい」という「尖り方」だ。

僕は思春期の頃から歳を重ねても丸くならない自分に嫌気がさしていた。しかしこのように「思春期」と「若い頃」を区別して考えてみると、まだ「尖っている」ことは許される年代なのではないか。気付いたらこんな自分の嫌な所も改善されており、口にしているだろう。
「若い頃は尖っててさ」

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