K値をコロナ対策の新たな指標として採用することに反対します

5月は書くつもりなかったのですが…
手短に。
K値という値が少し(ホントにネットの一部ですよ!ネットに依存していない人は知らないはず)だけ話題になっており、コロナ担当大臣・政府にも存在が知れ渡ることとなったようです。
このK値という数値について3点のみ意見を述べさせてください。
(通常であればソース等を貼るべきところですが、今回は省略させていただきます。ごめんさない。)
(興味を持たれた方はググってください)

☐ K値が新たな事実を明らかにするわけではない
 

1点目。
 K値は感染者数に依存する値です。では、感染者数とは何に依存するか。
 それは、コロナに感染したという事実です。
 感染→発症→報告 という流れを経て、感染者数に反映されるわけですよね。
 K値もまた例外ではありません。
 感染者数(報告者数)のみが変数として独立しているわけではないのですから、K値もまたいわゆるところの”約2週間前の実態”までしかデータとしては反映できていないのではないでしょうか。※1

☐ 他にやることがあるでしょ経済学者も大臣も

 2点目。
 或る経済学者の先生が名前の長い会議に参考資料を提出したことも一つのきっかけとなって、今回コロナ担当大臣が参考にするかも~と発言したようです。※2
 経済学者の先生の仕事ぶりに文句をつける立場ではありませんが、こうした専門外の分野に立ち入るという行動にはリスクを伴うということはもちろん理解されていますよね。
 理解されているならば結構です。こういった行為は慎むべきと考えます。メリットが特にないからです。
 K値は素人の僕でもがんばれば計算できるんじゃね?みたいな簡素さがあります。
 そこに魅力の一つもあるでしょう。
 しかしそれを大事な政策の参考数値として使用することを検討するのはいかがなものですか、大臣。
 西浦先生のニコ生を先日拝見しました。
 モデルのことは正直分かりません。脳みそが開始5秒でショートしました。
 でも一つ分かったのは、データ集めがすっごい大変そうだということです。
 現場のことは知りませんが、
 データ集め・整形にかかる時間>>実効再生産数を計算する時間等
 になっているのではないでしょうか。
 ならば、データ集めや整形にかかる時間をなるべく少なくするような方策をとるほうが世のためになると思います。※3

☐ 新指標が学術的な議論に耐えうるものか?という観点
 

3点目。 
 流行の状況掴む上であらゆる指標が出るということ自体は歓迎すべきことだと思います。科学はそうやって発達するってダイジョーブ博士も言ってた(気がする)し。
 しかしそれは、しかるべき手続きを踏むべきです。

 少なくとも現在進行形で戦っている方の負担を増やすようなことにつながってはいけないとも。

 しかるべき手続きとは、メディアやTwitterや個人ブログに自分の考えやそれっぽい数値を載せてチヤホヤしてもらうことではないと僕は思います。※4

 さすがに、公衆衛生の専門家や公衆衛生という学問が築き上げてきたものをなめすぎだと思います。失礼極まりない。
                                                                  以上
※1
現行モデルでは感染日を推定してモデルが作られているようです。K値はそこまで想定しているのでしょうか。報告日のみを考慮に入れた数値は果たして政策を正しく評価することに使えるのでしょうか。
※2
参考資料の提出等が悪いことではないですし、もしかしたら大臣がネット廃人である可能性も捨てきれない。
※3
FAXとかさぁ!紙Excelとかさぁ!
※4
もし新たな指標が現在使用されている指標よりも正確に流行を反映するのであれば、それはなんと素晴らしいことと思いますし、なおさら論文等を書いてしかるべき機関で判断していただくのが良いと思います。それが第2波、ひいては未来のパンデミックに役立つのですから。

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