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南アルプス市ふるさと文化伝承館(みなでん)

日本遺産「星降る中部高地の縄文世界」を巡る旅 

みなでんのエントランス。手書きのかわいい看板がお出迎え

山梨県の甲府盆地西端にある南アルプス市。
南アルプス前衛の山々の懐に抱かれるように、市街地が広がっています。
フルーツの生産が盛んで、春には桃・スモモ・さくらんぼが花を咲かせ、ピンクや白のパッチワークを広げたようです。

鋳物師屋遺跡近くのスモモ畑。春には一面白い花を咲かせます。

なだらかな丘陵地帯からは眼下に甲府盆地が広がり、南には富士山、北には八ヶ岳を望むことができます。

吊るし雲とお月さまと富士山

市内には数々の縄文遺跡があり、そこから出土した土器や土偶は『南アルプス市ふるさと文化伝承館』で展示されています。
有名なのはやはり「子宝の女神ラヴィ」の愛称で親しまれている土偶。そして昨年公募で「ぴ~す」の愛称がついた人体文様付有孔鍔付土器でしょう。どちらも『鋳物師屋遺跡』からの出土品です。
ラヴィちゃんは約5000年前に作られた土偶で、お腹の大きな妊婦さんの姿をしています。「ラヴィ」はフランス語で「命」の意味。その名の通り、命を慈しむように大きなお腹に手が添えられ、少し反り返った姿勢で、腰をいたわっているようです。

今も昔も、子供を宿し育てるのは大変なこと。縄文時代の女性もきしむように痛む腰や、明け方ふいにおとずれるこむら返りに悶絶したのでしょうか??もう、共感しかありません(笑)
一方、ぴ~すちゃんは土器の胴部に張り付いている土偶さん。口をあんぐりと開けた表情が純真無垢で何と愛らしいこと!片手を挙げて三本指でピースをしているみたいだから、この名前が付いたのかな?「有孔鍔付土器」は口縁部の下に鍔のような出っ張りがあり、ぐるりと小さい穴が開けられている土器です。不思議な形ですが、この土器でお酒を造っていたとか、動物の皮を張って太鼓にしたとか、用途についてはいろいろな説があるようです。難しいことは分からないけど、ぴ~すちゃんを見ていると「飲もう!歌おう!踊ろう!」と誘ってくるようで、楽しくなっちゃいますね。

いいんです。考古学を難しく考えずに、自由に想像の翼をひろげて楽しむのが私流(笑)
『みなでん』には、他にも個性的な土器や土偶がいっぱい!ガラスケースの外にもたくさん展示されていて、手に触れられるくらいの距離で(触っちゃダメよ!)じっくりと見学することができます。

トリさん土器にお猿さん。国宝のビーナスにそっくりな子も・・・

私はすうぅ~っと息を吸い込んで、空気感を楽しむのも大好き。

コロナ期間中もPOPで楽しませてくれました。

そして素晴らしいのがスタッフさんのおもてなし!いつも笑顔で迎えてくださって、丁寧に説明をしてくれます。季節ごとに模様替えするコーナーや手作りのPOPにもほっこり。

ショップには地元の作家さんの作品やオリジナルグッズが並びます。

ショップではDo_goodsのアクセサリー取扱いいただいていますので、訪れた際には覗いてみてください。「ラヴィ&ぴ~す」愛とやすらぎに満ちた、ふるさとの博物館です。


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