あたまのなかみ⑥

度重なる体調不良で、勤務形態を変えてもらった。以前より給料は低くなるけど、身体のことを考えたらこれで良かったのだと思う。お陰で幾分か心も身体も楽になった。自分が理想としていた大人とは離れてきてしまったが、きっとこれでいいのだ。

好きな人に全然会えていない。とんでもなく仕事が忙しいそうで、実際1ヶ月くらい連勤している。明細を見せてもらったら、時間外労働時間が見たことない数字になっていた。身体が心配である。連絡がないと死んでるんじゃないか、倒れてないかととんでもなく心配になる。
私は彼のことをとても信頼している。優しくて穏やかで、真面目過ぎるが故に意固地になりやすい。自分の気持ちを察知するのが苦手だから、ちょっと心配になる人だ。それでもそんな穏やかで、普段は無口なのに好きなものの話になると饒舌になる彼のことがとてもとても好きだ。会うととても幸せな気持ちになるし、一緒にいて落ち着くし楽しい。その時だけは自分の精神も穏やかになる。
そんな彼にかれこれ1ヶ月以上会えていない。いつもは月に1度は会えていたが、それも危うい。私が寂しがると彼はすごくつらそうにするから、なるべく我慢しているつもりだが、それでも寂しい。
私は比較的1人で行動するのが好きで、旅行とかも1人で行ってしまうタイプの人間だ。長時間人といると気を使って疲れてしまう。好きなように自由に生きていたい。そんな人間なのでこんなに寂しい気持ちになるのが初めてで、ちょっと対処の仕方に悩んでいる。
きっと会いたいって思っているのは自分だけで、顔を見て安心したいというエゴによって引き起こされている寂しさなのだろう。好きという気持ちはエゴなのだ。
それでも、いつかは彼の為に温かいご飯作って待っていたい。彼の為にならどこでも飛んでいける。そういう気持ちはどう足掻いても消せないので困る。

そして将来へのでっかな壁が今ある。詳しくは書けないけど、身を引くことも考えてると言われた。その壁は結構分厚いけど、まだきちんと対峙して壁と話をしていないから、全部しっかり話した上で考えるという結論に至っている。
壁によって身を引くことになるのは彼も辛そうだった。だからその壁をぶち壊す為の武器は一通り持っておきたい。ぶん殴ってぶん殴って、それでもダメなら諦めるけど、ぶん殴る前に諦めたくない。やれることは全部やりたい。絶対に。
だからいつも、別れる時のことを考える。心の準備をしないと、多分私は潰れて無くなってしまうと解っているからだ。やれることを全部やって、その上で駄目だった時のこと。しっかり考えて準備をしたい。苦しいけど。
あーなんでこんなに頑張ってるのに報われないのか！そう思うとしんどいが、取り敢えず今は武器を磨き己を奮い立たせながら、1人で幸せになる道を用意したい。