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あたまのなかみ⑩

Twitter(頑なにXと呼びたくない)で流れてきた、絵柄変遷年表というものをひっそりとやってみた。

お借りしたテンプレート↓


10年分の絵柄だから、私の場合は高1~現在の絵柄を並べたことになる。
技術こそ向上しているが、絵柄自体はほとんど変化がないことに驚いてしまった。
元々デフォルメやら簡素化やら意識して絵柄を変えて描いてみることが多い人間ではあるが、自分が意識せず、ありのままに描く絵はずっとこんな感じだ。これは10年前から何も成長してないのか、はたまた10年前から絵柄が固まっているのか。自分ではよくわからない。
絵自体は物心ついたときから描き続けており、小中高大と部活はずっと美術部だったので、ほぼ年齢=絵描き歴みたいなところがある。ずっと描いていたから絵柄が固まるのが早かったのだろうか。ポジティブ風な思考をしておきたい。
絵柄で影響をうけたものは色々ある。ペンで繊細に線を描くのはエドワード・ゴーリーが好きだから、筆ペンでガッと線を描いたり目に力を入れるのは椎橋寛先生が好きだから、リアル調なのは昔好きだったサイトの絵師さんに影響されて…などなど、好きだ!と思ったものを吸収したくて、自分なりに試行錯誤していたのを思い出す。しかし描くモチーフは大体V系バンドマンだった。

思えば小学生でV系に出会ってから、描くモチーフはV系バンドマンばかりだった。その時々にハマっていたバンドマンから、雑誌(懐かしのCure、SHOXX、Fools'Mateなどなど)で見かけた魅力的なメイクをするバンドマンまで、様々なバンドマンを描いた。そういえばSadieのメンバー(特に亜季さん)は中学の時から描いているので、もう10年くらい描き続けていることになる。自分で自分のことを飽き性だと思っていたが、案外続いているものもあるのだと知った。
勿論展示会に出す作品等は特にモチーフのない人間を一から組んで描いていたし、V系以外の音楽やカルチャーも好きなのでメタルバンドマンや仮面ライダー、 女の子のアイドル、芸人や二次元キャラの絵なども描いていた。でもやっぱり描いていてわくわくしたり、とことんこだわって筆を進めることができるのはV系の人々だった。
前にも書いた気がするけど、V系はそのバンド、メンバーの思想が衣装やメイクに表れている気がする。表現したいものやその中でかっこよく見せたいものを突き詰めてメイクをしているように感じる。それを私の表現でいかに描き切るか、いわばモチーフの表現を私の表現にどこまで落とし込んで、壊さずに描くかを楽しんでいるんだろうなーと思った。

長くV系バンドマンの絵を描いていると、その時々のメイクのトレンドがなんとな~~~~~~くだが見える気がする。私がハマり始めた頃のV系は、眉毛は細く吊り上がり気味で、目の周りを真っ黒に塗ったり、しっかりアイラインで囲ったりしている印象だった。高校生くらいになると、ダブルラインや目頭のラインをしっかり入れたり、白目を拡張しその位置につけまつげをつけたりしてとにかく目をド派手に大きく見せるメイクが多いように感じた。そしてこの頃から人外っぽいメイクをする人が増えてきた気がする。現在はメイクをアートとしてやっているような人が多くなってきた気がする。自分の顔を良くするというよりは、自分の表現したいものをメイクという形で昇華させる、という感じだろうか。
勿論、昔からアートなメイクをしている人たちもいたし、今でも美しく見せる為のメイクをしている人もいる。あくまで雑誌やSNSをざーっと見た感じの所感だ。ただそうしたトレンドもある中で、それぞれが個性を出すための表現をしている。そこがV系の美しさであり魅力であり、絵に描きたいと思う理由なのだ。

しかしこの歳になってもV系バンドマンを描き続け、絵がうまくなりたいと呻き、ベッドの上でくねくねしているとは思わなかった。描いても描いてもまだまだ技術が足りない。もっと表現したいものがある。きっと身体的に無理にならない限り、年老いても、死ぬ直前でも絵を描いては上手くなりたいとくねくねしているんじゃなかろうか。それも楽しそうなのでいいな。

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