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がんもどき

がんもどき。

仏教徒の食事である精進料理の一つ。
水気をしぼった豆腐に
山芋や人参や椎茸などを混ぜ合わて
丸めて油で揚げた料理。
精進料理としてだけでなく
一般家庭の食卓でも
おでんや煮物の具の一種として
広く親しまれている。
名称の由来は
雁の肉の味に似せて作られた、等諸説あり。

僕は
がんもどきを知らない人に
会ったことがない。


がん。

カモ目カモ科ガン亜科の水鳥。
宮城県の県鳥。
カモよりも大きく、
ハクチョウよりも小さいものを指す。
近代以前の日本では
食用として広く消費されていたが
個体数減少により保護鳥に指定されており
1970年から現在にいたるまで禁猟。
『大造じいさんとガン』で知る人が多い。

僕は
がんの味を知っている人に
会ったことがない。


多くの人が味を知るがんもどきと
多くの人が味を知らないがん。

喩えるなら

持ちネタ一本の大人気ものまね芸人と
全く知名度がないそのご本人。

シュールだ。


もはやがんもどきには
がんもどきという名前は
必要ないのではないだろうか。

と思って調べてみると
「ひりょうず」または「ひろうす」
という別名があるらしい。
漢字で書くと「飛竜頭」かっこいい。
がんもどきと大違いだ。

語源を調べてみたところ
小麦粉と卵を混ぜ合わせて
油で揚げたドーナツのような南蛮菓子
「フィリョース」に形が似てるのが由来。
フィリョース、ひりょうず、飛竜頭。

こちらももどきだったか。



がんに味が似てるからがんもどき。
フィリョースに形が似てるから飛竜頭。


僕は
がんもフィリョースも知らない。

お前は一体なんなんだ。

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