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ととの湯 #1


銭湯が好きで本職とのダブルワークを始めた2月。  

世間が動物との無人島生活をはじめたり
死の決まったワニ漫画で盛り上がっている一方で
休日は銭湯で働き湯を沸かしている。  

今はタワシを持って、薬湯の浴槽を洗っている。
この浴槽の側面には瑠璃色っぽい、底には水色っぽいタイルが碁盤目状に並んでいる。

「っぽい」と表現したのは、その色名で的確に表現するにはどこか違うな、と思ったから。
世の中にはたくさんの青色が存在するけど、なんともいえない青色。
強いて言うなら「年季の入った青」なのかな。
昔からあるせいか、くすんでいる。

話は戻り、このタイルとタイルの間(これを目地と呼ぶ)にアカなどの汚れが結構溜まるので、今みたく営業前にタワシでゴシゴシ洗っておく必要があるんだ。  

この目地を中心にゴシゴシと洗っているわけだけど・・・
なかなか落としきれないんだなぁこれ・・・まぁ頑張るか。  

***

営業後、お客さんがいなくなったので、自分の沸かした薬湯に入った。
今日はショウガ湯にしたんだった。少し湯は減っていたけど、鼻にくるショウガの香りが相まって身体を芯からポカポカにしてくれた。  

(クヒぃ~~なんて温かいんだ・・・)とぬくぬくしていると、側面の「年季の入った青」いタイルが目に入ってきた。
ボーっと見ていると、何十年もこの土地で、多くの人を入れてきた浴槽を洗うって、つまりは浴槽の身体洗いをしているってことに気が付いた。  

たくさんの「気持ちいい」を作ってきた浴槽を磨く・・・って考えたら、
このお風呂に入る人のためでもあるし、この浴槽への今までの感謝も含めてきれいに磨いていたんだなぁと感慨深くなった。

なんにせよ、(これまでありがとう。これからも気持ちいい薬湯を沸かせるようにきれいに磨くね。)と心で話しておいた。

一瞬、くすんだ青色のタイルが鮮やかな青色に見えた。  
(2020.2.1)

***

2021年現在

いかがでしたか。お風呂に入りたくなってくる感受性豊かで、お風呂に対する気持ちが前面に現れている文章でしたね...

なんて言うわけもなく(クサいことを吐かしているな)と編集しながら思いましたが、2020年当時は風呂屋で行うこと全てが新鮮だったので、感受性豊かになっていたのでしょう。まぁ許してつかあさいって。
でもね、この時に思った大事なこともあって

ここのクサい要因のひとつ。

(クヒぃ~~なんて温かいんだ・・・)とぬくぬくしていると、

『クヒぃ〜〜』って思うほどに、風呂屋の業務ってもちろんめちゃめちゃ疲れるんですね。
本業がデスクワークだったのもありますが、身体がバッキバキになります。月曜日は筋肉痛で座るのが辛かったです。例えば?流すときにバケツの水を振りかざす、これが重心を振り子のように使うのでまぁ疲れます(他にもタワシで汚れを落とすとかいろいろあるよ!)。

家の風呂掃除は完璧にこなしていた僕でしたから、まぁ余裕でしょと思っていたのが馬鹿野郎でした。「そうですかそうですか、、身体鍛えていくか」となったきっかけです。
全ての銭湯でこのような掃除方法をとっているとは言えないので、鵜呑みにしては困りますが、ご高齢のおじい・おばあがやっていると思うとヤバヤバなんですけど〜ってなります。マジでヤバヤバですわ...って思いました。

???「だからね、ぼくおもったんだ。おじいやおばあがヤバヤバにならないおそうじかんがえたいって!
それかIotに基づく遠隔操作のできるお掃除ロボット風呂屋verの開発ですよね。」

というところでそろそろお時間です。
このとき掃除をしていた時に思った風呂屋Tipsです。

・風呂掃除は疲れる。綺麗にしようと思えば際限はないので、経営者もとい掃除部隊と相談してどの程度綺麗にするのか、どこを重点的にやるべきなのかなどを決める必用がある。

・いつか開発されるであろうお掃除ロボットに希望的観測を抱いては現時点ではいけない。風呂屋は人が利用するところなので、人の掃除も必用。やり方を考えていく。
・一仕事終えた後の風呂は気持ちいい。

です。次回もお楽しみに〜(^○^)






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