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東北旅 三日目 その4

盛駅に到着すると、
私はワクワクしていた。

列車の旅は、
気分があがる。

それは、電車が目的地に
連れていってくれてる
安心感があるからかもしれない。

身体は行く方向を
定めればそっちに
動き出す。

大切なのは、自分が
それをどこから
選び取るのか?

あとは、自分を

信じるか、
信じないか。

三陸リアス線の
始まりは小さな駅。

だけど、 
旅の始まりの
ワクワクを
感じる場所。
 
そして、遠い昔
私もこの鉄道の
ファンだったことを
思い出した。 

二人目の子供を産んで、
産院に入院してた時だ。
この列車がテーマの
朝ドラを
ベッドから見ていた。  

すごくすごく幸せだった。

朝日の光に包まれた病室。
隣でねむる小さな赤ちゃん。
あの幸福感は、光は
私の大切な記憶の一部だ。

いつの間にか  
その幸せを忘れていた。

そして、自分で
自分を小さな箱に
閉じこめてしまった。

けれど、私の中のワクワクは
その小さな光を見つけ
出してきてくれた。

ネガティブに過去を見れば
それに呼応した過去が現れる。

けれど、光の側から見れば、
それは美しい記憶になる。

列車の待合室には、  
鉄道ファンが数人。

時刻表やら、 
改札の様子やら
カメラに
収めている人もいる。
 
そんな風景を
見ていたら、

いつの間にか
私の心は軽くなってきた。

きっと彼らの気持ちを
受け取ったのかも。

列車はもうすぐ出発だ。


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