映画レビュー「FALL/フォール」

高所が苦手な人には観るのも辛い作品
★3


見る前から何が起きるかわかっている
いわゆるワンシチュエーションもの。

高い所が苦手な私は
観ている間ずーっと下半身がゾワワ〜ッとしてました。
ぶっちゃけ高い所への恐怖心で
もう観てられない!ってぐらいでした。

観る側の人体になんらかの変化を起こすという意味では
割と画期的な作品と言えるのかも知れません。


この手のワンシチュエーションものでは
ストーリー自体はシンプルにならざるを得ません。

しかし、そこで登場人物が何を考えどういう行動を取るか
という事の描かれ方で面白さが決まってしまうと思いますね。

今回の登場人物は女子2人組。

友情の裏側に潜んでいた感情が露わになったり、
途中で意外などんでん返し(というほどでもないですが)もあるので
純粋に「助かるのか?」という興味以外の部分でも
そこそこ楽しんで観る事が出来ました。


ですが、最後の最後に、
割とこの作品が訴えたいであろうテーマが
ナレーションで挿入されるのですが、
それが少し押し付けがましく感じてしまったのが残念でした。

非日常の状態に閉じ込められた時に
人間は当たり前の日常がいかにありがたく幸せな物だったのかを
痛感すると思いますが、
それをナレーションでわざわざ言うのではなく
作品を観終わった後に自然と心にそのテーマが残っていれば
より良かったのになぁと思ってしまいましたね。

ワンシチュエーションものの傑作「127時間」は
その辺りの描き方が見事で、
観終わった後に自然と人生に対する希望が
湧き上がって来るように感じましたが、
本作はそこまでは辿り着かなかったようです。
まあ、あちらは実話なので説得力が違いますかね。


でも、映像からちゃんと
とてつもない高さの場所にいるという事を感じる事ができましたし、
冒頭にも書きましたが終始下半身がゾワワ〜ッとしたままになるので
充分に楽しめる作品ではありました。

上映時間も107分とテンポも悪くないので
手軽にハラハラしたい時には良いかと思います。

だけど、
本当に高い所が苦手な人は
覚悟をして観た方がいいですよ!





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?