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SNSの企業アカウント運用に対しての一意見(地方在住の田舎者から)

新潟って衰弱死しそうな地方都市に住んでる人間の戯言だと思って一笑にふしてもらえれば…そう思いながら書きます。

個人アカウントと企業アカウントでは、そもそも運用に関する前提が異なるようにも思いますが、いわゆる企業には社名を出して運用するのであれば、組織を代表したような文言や表現をしていくようにも思います。

思うのですが、通り一辺倒な「正解」ばかりを狙いに行くと、あまりにも荒唐無稽で味気のない、何よりも当たり障りのない無難なアカウントとして成立してしまい、結局、誰のもとにも情報が届かずに運用者の「時間と労力」、つまりはコストだけを支払うような形で運用されるだけになってしまいかねません。

ファンとの大事な接点

本来、SNSを利用して得たいのは「ファンとの接点」です。そもそも、ファンとなるような人たちは、その企業が持つ名前はもちろん、商品やサービスが好きであったり、仕事をしている人たちの顔が身見えやすいからこそ、コアな情報、クールな情報、もっと言えば、知ってワクワクするような情報を求めているわけで、当たり障りのない文言や表現などの定形文をぶつけられようものなら溜まったものではありません。

平易な言い方になりますが、SNSでまで自社の情報を追いかけてくれるような人たち、つまりファンは企業やそのブランド、サービスの“らしさ”や”ノリ”を求めているわけで、その”らしさ”や”ノリ”が期待するものではなかった場合には、そもそも自社ブランドの文脈を毀損する事態にもなりかねません。

「色めきだって、際の立つやり方をしましょう!」だなんていうつもりは一切ありませんが、運用の責任者となった場合、自社ブランドの”らしさ”や”ノリ”とはどんなものなのかを把握しておかずに、当たり障りのない誰に向けての発信なのかもハッキリしないようなことだけを繰り返しても、期待してフォローしてくれているファンたちには届くようで届きません。

届くようで届かない情報ではダメ

届くようで届かない。それは、Twitterであればタイムライン上には載るし、流れていくけれども、反応されない。Facebookでも同様にフィード上には載っているのは確認できるけれども、反応されない。それはInstagramだろうが、TickTockだろうが、すべて同様です。

スターバックスの〇〇フラペチーノは、スターバックスコーヒーの提供する空間で注文し、手元に届くからこそ価値を感じるし、おいしくも感じるし、映えると思い画像を撮るのです。

ぼくは、とてもあの甘さには耐えられないので注文できそうにありませんし、映える画像をInstagramのアカウントに載せようとも思えないので、撮りませんし載せませんが、ぼく以外の、好きな人たちは能動的に、前のめりになって手元のスマートフォンで写真を撮り、加工し、SNSに掲載していきます。

ユーザーが作るコンテンツのことを「UGC(User Generated Contents)」なんて言いますが、ユーザーが思わず、衝動的にでも各種SNSで反応したくなるようなサービスや商品を、テキストや画像を利用して以下に誘発するか。しかもわざとらしくではなく、ごく自然と。

この辺りは、飯高悠太さん(@yutaiitaka)の『僕らはSNSでモノを買う』に詳しく書いてあるので、ぜひ手に取って読んでみてください。

俗人的な運用だとしても...

SNSの運用については、代理店をはじめ、各社もいろいろと試行錯誤を繰り返しながら運用されているのもあり、多くの企業アカウントでも”らしさ”みたいなものが出てきているように思いますが、それも「運用担当者」のキャラクターありきであるところが多いようにも感じます。

もし、これで運用担当者が辞めた、もしくは部署移動になった等の理由で運用担当者が変わった場合に、それまで築いてきたユーザーとの接点が一気に損なわれる可能性がありますし、その逆もあり得ます。ただ、企業アカウントが俗人的になってしまうのは、仕方のない部分があるとはいえ、同時に寂しさも感じてしまうのは、ぼくだけではないでしょう。

なぜなら、その企業内の中の人たちは、基本的には”らしさ”や”ノリ”を備えている人たちの集まりだ、とファンは思っているからで、そのノリを持っていない、もしくは失ってしまっている人が運用していると知った瞬間に「そうじゃないだろう…」なんて具合に落ち込んでしまいます

大切なのはグルーヴ感

個人でも結局は同じようなもので、フォロワー数が多い人たちは、そのキャラクターに対してファンがついているわけで、”らしさ”や”ノリ”といったグルーヴ感を楽しみにしているのであり、常に定型的に宣伝ばかりしていたりしたら、ファンもファンでいられなくなってしまいかねません。

もちろんフォロワーの多い個人たちは、サロンなどのクローズドで、インナーな場所を用意して、オープンなの場での態度と、クローズドな環境での態度との違いをファンにきちんと説明していたりしますから、ファン離れが起きにくいことも想定できるわけですが、現状、企業アカウントはそうもいきません。

が、今後はオフ会的な場が増えていくように感じています。

企業アカウントのファンたちが寄り集まる場所を提供することによって、これまでよりも濃い関係を構築する方向へ徐々に動いていくのではないかなぁ、と勝手に思ってます。もしくは、企業ブランドの文脈に沿うような個人間のオフラインでのつながりの場にお邪魔する機会が増えていくように思います。

いずれにしても、オープンな環境に、ただただ、情報を定型的に投げ込めば「誰かが反応するだろう」なんて悠長に構えていた時代からは一変しており、確実に反応をしてくれるコアな人たち、つまりは「共に何かを成し遂げようとしてくれる人たち」との関係構築こそが必要であり、不可欠な日常となっているのです。

そんな風な時代に、定型文を書き込むような真似をしていたら、「スキ」といってくれる人たちから嫌われてしまいますよ、なんてお話でございました。かしこ。

最後までお読みいただき、本当にありがとうございます。 お読みいただき、それについてコメントつきで各SNSへ投稿していただけたら即座に反応の上でお礼を申し上げます!