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V・チャレンジマッチの不実施について、遠い場所から意見を述べます

2016年に設立され(前身のチームは2011年から始動)、2017年にVリーグ準加盟、2017年に設立披露イベントで香港の強豪チームとの国際マッチを開催。2017年の天皇杯では準加盟ながらファイナルラウンドに進出し、そのままVチャレンジ・リーグで優勝、翌年にはV3リーグで優勝しV2リーグに昇格。

これはヴォレアス北海道ってバレーボールクラブが辿ってきてる軌跡です。

そして、今年。

V1リーグへの昇格を目指し、19勝1敗という戦績でポイント差の2位で、残りの上位勢対決に臨むところでしたが、新型コロナウィルス(COVID-19)の感染拡大の影響を受けてリーグ戦が中断。そのまま中止になったため、最終的な結果が2位となりました。

そのヴォレアス北海道、リーグ戦で2位となったためV1リーグ10位のチームとの入れ替え戦に臨める予定だったのですが、入れ替え戦自体が中止・打ち切りとなってしまい、来季からV1リーグへの挑戦権がなくなる結果に。詳細については以下のリンクからリーグ公式の発表がご覧いただけますので、そちらをご覧いただける人はご覧ください。

ぼくはチームの関係者でもなければ、なんでもありません。関係者のことは把握しているし、認知していますが、そこに何ら利害関係も何もありません。それを事前に書いておきます。そんな立ち位置にいるぼくでも、今回のリーグが発した通達に関しては理解と納得が追いつかないものであり、当事者の気持ちは想像する他にありませんが、やるせない気持ちになっています。

今回、新型コロナウィルスの感染拡大を背景に、リーグ側が発した通達は主に三つで、以下の通りです。

1. 2019-20V.LEAGUE DIVISION1 MEN V.FINAL STAGE FINAL高崎大会
=無観客での開催。
2. 2019-20V.LEAGUE DIVISION2 MEN残り試合(須坂大会・帯広大会・津大会)=3/8までの試合を中止⇒打切り(2/28更新)
3. V・チャレンジマッチ~2020-21 V.LEAGUE DIVISION1 MEN 出場決定戦~
=中止(3/9更新)

1.は無観客での開催。3.は中止。この差はなんだろうか、となるわけですが、きちんと理由の根拠が提示されているのであれば問題がなかったように思います。ただ、3. に記載されていた内容が下記。

2020年3月14日(土)~15日(日)にて2019-20V.LEAGUE V・チャレンジマッチ(V1男子・V2男子入替戦)を無観客試合で開催することを計画しておりましたが、昨今の近畿地区での新型コロナウイルス感染症拡大を鑑み、選手・大会関係者ならびに開催地周辺地域への影響を考え、大会の開催を中止することになりましたのでお知らせ致します。
V・チャレンジマッチ男子大会の順延は行わず、今シーズンのV.LEAGUE DIVISION1・10位VC長野トライデンツとV.LEAGUE DIVISION2・2位ヴォレアス北海道の入替えは行いませんので併せてお知らせ致します。
V・チャレンジマッチの中止は東日本大震災が発生した2010/11シーズン以来の苦渋の決断となりました。大会を楽しみにしてくださっていた皆さまには大変申し訳ございませんが、諸事情をご賢察いただき、何卒ご理解のほど、宜しくお願い申し上げます。

唯一、1.と3.の違いをあげるとすれば、時期が1. の場合は02/29の開催で、それほどまで感染が拡大していなかったこと。

これを受けてヴォレアス北海道は、Vリーグ機構の理事に対して経緯を踏まえて「再考と議論」の場を設けるよう嘆願する旨を要望書としてまとめ、Vリーグ機構に対して提出しました。再考と議論になるであろう点を以下のようにリリースが出されています。

(1)Vリーグ規約第36条および緊急時対策規定第4条(3)にある「理事は緊急理事会までにチーム代表者や開催責任者等と連携し、情報収集に努める」という点が十分ではなかった点
(2)本大会の中止に関する合理的理由が明記されていない点
(3)V1のプレーオフは無観客試合で実施されたほか、近畿地区では今月上旬から他のプロスポーツが無観客試合を実施している点
(4)新型コロナウイルスの終息について現時点の見通しは不明であるものの、次年度のVリーグ開幕までには十分な時間的余裕があり、入れ替え戦の延長開催を検討する余地がある点
(5)V・チャレンジマッチの中止により不利益を被る弊チームに対する救済措置を検討する余地がある点
(6)弊チームのみならず、今回の決定は上位リーグへの昇格挑戦権を剥奪することに繋がりかねず、Vリーグ全体の信頼性低下につながる可能性が大きい点

しかし、要望書はVリーグ機構側より退けられる形に。

ことの経緯については、代表の池田さんがインタビューに答える形で説明をされています。

これら一連の流れを経て、「納得のいく説明を」と有志により「撤回及び詳細説明を求める」署名運動がネット上で展開されるに至りました。

ぼくとしては、今回の決定に関しては社会的な風潮が大いに影響しているのだろうと考えていて、それは「自粛の波」と捉えていますし、それを認識・実感している人も一定数いるものだと思います。

状況が刻一刻と変わる中で、世界中で感染が確認され、経済的な活動に対して目一杯影響を与えていますし、先日、アメリカから致死率はインフルエンザの10倍だと発信がありましたが、それでも致死率は1%。殊更に低いとはいいませんが、怖がるほどのものなのかといえば、そもそも感染をしなければいいわけですし、何より、「感染リスク」と「重症化リスク」と「致死リスク」は基礎疾患の有無や年齢によって大きく変わるものであり、極度に怖がる必要もなく、個人で可能なかぎりの適切な感染対策を施すことで対処可能なものだといえます。だからといって、大人数が集まるような機会を提供する側は、感染対策を施さなくていいとはいいません。それは確実に必要です。

今回の件、リーグの昇格と降格を開催要項に組み込んでいるスポーツ競技は無関係ではなく、今後、似たような状況が生じた際に「事例」として扱われてしまう事案なので、かなり注目されているのではないかと予想しています。

何でもかんでも自粛すればいいということではないでしょうし、横並びに自粛することは誰を喜ばせるものなのでしょう。

今回、Vリーグ機構が行った判断や決定自体を否定するつもりはありませんが、その意思決定の過程がみえなかった上に、通達に関して上意下達的な態度でしてしまったがために、ディスコミュニケーションが生まれてしまい、今回のような動きになっているのは明白です。

改めて、コミュニケーションのあり方について考えさせられたのとともに、しこりの残るような形で終わることだけは避けてほしいと願うばかりです。

やめるだけの理由があるのと同時に、やるだけの理由も同列で評価しなければフェアではありませんし、そこには真摯な態度が求められるケーススタディにもなっているようにも思います。

門外漢ではあるものの、今回の声を上げ、行動をし続けているヴォレアス関係者に限らず、対応する側のリーグ機構側にとっても、有益な時間となることを遠いところから祈念しています。


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