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FSMEワクチン

今日は日本では一般的ではないけどドイツで比較的よく見られるため打たれているFrühsommer Meningoenzephalitis (FSME), 英語: tick-borne encephalitis (TBE), 日本語: ダニ媒介脳炎ワクチンについて書こうと思います。

FSMEウイルスに感染したダニに噛まれるとFSMEを発症する可能性があるそうで(症状などは記事後半に記載)、ドイツのワクチン常設委員会(STIKO)は、リスク地域に滞在または居住し、マダニに刺される可能性のあるすべての人に結核のワクチン接種を推奨しています。散歩やキャンプ、サイクリング、ジョギングをする人はもちろん、林業や農業に従事する人など、自然の中で過ごすすべての人に適用されます。また、都市部の公園や庭もダニの生息地でもあるそうです。

ドイツ国内では、リスク地域の人々に対するワクチン接種の費用は、通常、健康保険で賄われてます。

主に南ドイツがリスク地域になっているようです。2020年にはドイツ国内で712件のFSME症例が報告されたとのことでした。自分はドイツに来るまでFSMEについて恥ずかしながら知らなかったのですが、ドイツ人の友人がふとその話題を振ってくれてFSMEの存在に気づき少し調べました。医局の医師たちにも聞きましたが皆接種していたため、自分も接種することに。現在2回接種しました。合計3回接種必要とのことです。Hausarzt(家庭医)で接種できますし日本でも国内未承認ですが輸入ワクチンを接種できるクリニックがあるようです。

ヨーロッパだとアルバニア、オーストリア、ベラルーシ、ボスニア、ブルガリア、クロアチア、チェコ、デンマーク、エストニア、フィンランド、ギリシャ、ハンガリー、イタリア、ラトビア、リトアニア、ノルウェー、ポーランド、ルーマニア、ロシア、セルビア、スロバキア、スロベニア、スウェーデン、スイス、トルコ、ウクライナもリスク地域とのこと。

FSMEウイルスに感染したマダニに咬まれても、大多数(約70〜95%)は無症状です。噛まれてから1〜2週間後に発熱、頭痛、嘔吐、めまいなどインフルエンザのような症状が出る人もいます。これらの症状は数日後に消えます。ほとんどの場合、その後、病気は治ります。

しかし、場合によっては、1週間後くらいに、脳や髄膜(髄膜脳炎)、脊髄(脊髄炎)に炎症が起こり、中枢神経系の病気の第二のピークを迎えることがあります。病気の兆候は、発熱、頭痛、吐き気、嘔吐、神経系の障害などが更新されます。重症化すると、手足の麻痺、嚥下障害、会話障害、呼吸麻痺、強い眠気を伴うことがあります。後遺症のない治療法は、末期でも可能です。しかし、重症の患者は、後遺症が残ることもあります。中枢神経系が侵された人の約100人に1人が感染により死亡しています。
本疾患の重症化は主に成人期に起こります。

ということで防げるものならワクチンで防ぎたいものです。

とりあえずマダニに噛まれたら他の病気(Lyme-Borreliose、破傷風)なども発症することがあります。破傷風ワクチンはドイツでは大人でも追加接種勧められていますので、しておくとよいと思います。森での散歩後はマダニが体に付いていないか確認し(足首や二の腕など柔らかいところに付きやすい)、マダニはマダニ専用のピンセットで取るか、家庭医で取ってもらうようにしましょう。

参考:ドイツ連邦政府健康教育センター
https://www.impfen-info.de/impfempfehlungen/fuer-erwachsene/fsme-fruehsommer-meningoenzephalitis/

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