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Self liner notes

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DOCTRINE作品の世界観や背景を補足するマガジン。
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作品「墨彩-陰翳」の解説

2022年撮影の「墨彩-陰翳」から。 まだ寒さが残る春先に撮影したものになります。 タトゥーや刺青は、日本ではいまもアウトロー的な扱いとしてカテゴライズされています。 個人的な話をするならば、交友関係がある人々の3割ぐらいはタトゥーや刺青、身体改造をしているのでそれに対して特殊性を感じることはないのですが、おおよそ一般的にはそうではないという認識はあります。 それについて好きとか嫌いとかいう話には一切興味がないので、自分からは触れないようにしています。 純粋に絵画性やデザ

NIGHT OUT/暗い都市でサイバーパンクな外ロケ撮影

2022年も残すところあと2ヶ月。 冬になる前に屋外撮影をしておかなければ、という昨年からの持ち越し課題的な撮影をしてきました。 これはNIGHT OUTという不定期におこなっているシリーズです。 ここ数年、夏以降の天気の不安定さが外ロケ撮影に重大な影を落としている気がします。今回はまさに天候と気温とを見つつギリギリのラインで駆け込みで、モデルもアシスタントもロケ車ドライバーもすべて女性という賑やかな編成での撮影となりました。 本来はきらびやかな輝きがあるはず…でしたがエ

作品「翳りし光の巡礼」の解説

2022年撮影の「『翳りし光の巡礼』― Widow 昨日を生きるために」から。 普段はスタジオでの作品撮り中心ですが、日中の海辺での屋外ポートレート形式で実験的に撮影したものになります。 概要愛する人を、人生のそのすべてを喪った女性の、あても終わりもない旅の断片。 記憶や感覚は時間の経過とともに徐々にかたちを喪っていく。 最後にはそのかたちをとどめられなくなり脆くも崩れ去り砂粒のひとつのように世界のどこかへ舞い散ってしまう。 想い出とは、まさにこの記憶や感覚の集積である。