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思うこと

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考え、思うことなどをまとめています。
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記事一覧

玲芳龍さんによるDavid Woodのインタビュー記事を読んで。そして。

玲芳龍さんによるDavid Woodのインタビュー記事を読みました。 TORTURE GARDEN(TG)を離脱して久しいDavidさんですが、やはりいまだにTGの大看板だった印象が強く残ります。 最初に書いておきますが、フェティッシュ界隈で何かをしたいと思っている人であればこのインタビュー記事は必読だと思います。 「むしろこれぐらいは読め。」という内容でした。 David Woodインタヴュー TGはフランチャイズで世界展開して最も成功したアンダーグラウンドパーティー

TH(トーキングヘッズ叢書)にみる覚悟と信念とアートにみるフェティシズムとディシプリン

アトリエサードが発行する文芸誌「トーキングヘッズ叢書(TH Series)」の最新刊であるTH No.91にて「アートにみるフェティシズムとディシプリン」展の模様が(P.44から4頁にわたって)掲載されています。 関わりのある話題だから宣伝しておこうということではなく、今回は「紙の書籍を出版する」ということについて少し触れようと思います。 ISBNコードを取得し書店流通する本を出版するというのはとてもお金がかかります。書籍を出版するということは非常に覚悟がいります。 売れ

サブスク・ファンクラブに向かない写真でサブスクをやるのは徒労か否か。

これは、ちょっと最近話した内容を整理したもの。 DOCTRINEではZINEとして紙の出版物を中心に活動しています。 併せて、とらのあなが運営する「Fantia」というサブクスリプション制ファンクラブサイトでもかなり消極的にコンテンツを出しています。 月額500円に設定したファンクラブ機能で、不定期にお蔵入りや紙の出版をした際の差分写真、また印刷には向かない写真などを公開しつつ、PDFをダウンロード販売をすることもあります。 ファンクラブサービスは更新性が重視されがちです

ラテックス/ラバーでも真面目にファッション性を考えていきたい、という考え

2022年も6月後半に向かい一年の半分が終わります。 DOCTRINEとしては引き続き様々な作品を作っていきたいと考えていますが、その中でもファッション性に寄ったものもしっかり考えて作っていこうという思いにいたりました。 通常のフォトグラファーやメディアが扱う「ファッション」というのは布の服についてなので単純ですが、DOCTRINEが主軸として扱うのはラテックス/ラバー、いわゆるゴムの服です。 こうなってくるとなかなか制限も多く難しいです。 日本ではファッショナブルなラテ

アートにみるフェティシズムとディシプリン展への協力とその先のできごと

不思議なタイトルにあるとおりの、フェティシズムとディシプリンをテーマにした作品展に協力しました。 様々な角度からこのテーマに向かい合ったクリエイターの作品を目にすることができると思います。 こういったテーマの企画展はなかなかバランスが難しいようで、アートに偏りすぎたりアカデミックになりすぎたりポルノになってしまったりしがちでなかなか「いい具合」に収めたものがなかったように思いますが、今回の展示は誰でも楽しめて、新しい知識や知らなかった価値観、そして好奇心を刺激するなにかに出

AZZLO、その店に出逢ったときから。DOCTRINEの原点。

DOCTRINEがなぜRubber/Latexに特化した写真を撮るようになったのか、その原点になった「ある店」との出逢い…の話。 Rubber/Latexとの出逢いは19歳の時だった。 それ以前から雑誌やインターネット、他人が身に着けているという意味では当然知ってはいたけど、自分の所有するものとしてはそれが最初だった。 つまり、購入したということ。 現在では、Kurage(西池袋)やFYP(表参道)などでファーストコンタクトを果たす人が多いと思うが、わたしの場合はそれらの店

フェティッシュでマネタイズは考えないほうがよい。という路線。

突然の切り出しですが、いわゆるフェティッシュというものをコンテンツ(=表現、作品)でやっていこうとすると、行く先は「ポルノ」「アート」「広告」のいずれかになります。 ここにマネタイズの要素を加えると、ほぼ行き先はポルノになる。 フェティッシュを広告でマネタイズしようと考えたら、海外のハイブランドやVOGUEのような仕事でもやるほかなく、まあ普通は広告でフェティッシュなど使わないので、利益を考え出すと結局はフェティッシュという言葉を使っていても「エロ(ポルノ)」、それもわかり

アングラ世界を脅かすのは常にそこに留まる住人だ。

いわゆるフェティッシュであるとかヱロティックであるとかを含むアンダーグラウンドの世界は微妙なバランスでなんとか成立しているところがある。 センシティブといったような生易しい話ではなく「法の向こう側とこちら側との境界線の手前」をウロウロしている危うさの中でかろうじて留まっている、そんなところがある。 法の向こう側に行ってしまう行為は考える必要もなく確実に悪いのだが、境界線を踏み越えなくてもそこに足を掛けようという行為がそもそもまずい。 「違法じゃないから悪くない」という発想

無理にゴムの服を着たり着せたりしなくてもいいですよ、という見方

「MET GALAでゴムの服を着るのは全然おしゃれでもかっこよくもないですよ。むしろ圧倒的にダサいです。 たぶん、それがわかってない人が圧倒的に多いと思いますけど。」 これはいわゆる「ラバーフェティッシュ」と日本では呼称されることが多いフェティシズムのジャンルに触れる話題です。 DOCTRINEが専門領域として撮影しているものでもあります。 そこで感じることについて「走り書き」として残します。 近年なんとかコレクションとかと冠された大きなファッションショウ、ショウビズ界の