【全文無料公開】 『健康不安がなくなる本』 〜脳の設定を変える〜 #16

はじめまして。
ドクタームッシュこと、荘司です。
脳神経外科医をしております。
現在「設定医療」という医療を研究、実践しておりまして。設定医療研究会の中の一つのチームとして行なっております。そのほかにも農業チーム、研究チーム、教育チームがそれぞれ活動を行なっております。
医療を行なっている中でいろんなことがありますが、その本質を綴った本が、2018年10月にアマゾンにて電子書籍で刊行いたしました。
そして、この発売してまもない本を、版元であるニューロサイエンス文庫さんの許可を得て、noteで全文公開することにいたしました。
「医者に匙を投げられたけどどうしたらいいの?」
「自分のやりたい治療ってなに?」
そんなモヤモヤを抱えている人にぜひ読んでいただきたいと思っています。そして、新年からの治療のヒントになれば幸いです。
心に留まる文章があったら、どうぞ自由にコピペして引用して、議論のきっかけにしてください。


16.嫌われるのを怖がっていないか?

多くの治療の選択肢を提示した場合、患者さんによっては家族の顔色を伺って決めることが多くあります。旦那さんはもう治療を受けたくないのに、奥さんがあなた受けてよっていうパターンです。時々奥さんが先生に話があるといって、「治療をうけるように話をうまくもっていてほしい」と頼まれることも少なくありません。

これは日本人に多い、「嫌われたくない」という意識が働いていると思います。同時に、医者に対しても同じような態度をとる患者さんが多いのです。「この先生に嫌われたくない」という意識がはたらいてしまいます。でも、今の時代、地方の田舎で大きな病院が一つしかない場所でも医者に媚びる必要はないと思いますし、県外、世界にでれば病院はたくさんあります。

それよりも、自分の運命を決める一大事に、そのような理由で治療の選択肢を狭めてしまう必要はあるのでしょうか? その時に「積極的な不安」は非常にいい行動の材料になることがあります。つまり、不安を利用して行動に変えるということです。これが「能動的な不安」と呼んでいるものです。普段から安定だけを求めずに自分で不安を作り出し、その不安定な状態に慣れている人はいざという時に強いのです。

日常生活から死を意識し、不安なことを自らやってみよう。

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