【放置してないか?】食後高血糖改善薬を比較【低血糖リスクなどの副作用の違いなど】
※2021/6/24加筆修正
糖尿病治療では,空腹時血糖は治療対象になりやすいです.
「朝ごはん抜いてきて」といえば,画一的に測定しやすく,「空腹にもかかわらず血糖高いの??」と明確な異常所見として認知しやすいからです.
一方,食後高血糖は見逃されたり,「食後だからね」で放置されがち.
■食後高血糖は明確な血管リスク
病態的には,食後高血糖は糖尿病の初期症状です.
とくに,ステロイド糖尿病や肝性糖尿病では,食後高血糖になりやすいです.
空腹時高血糖を来たすのはより進行した糖尿病の可能性が高いです.
しかし,それは,
食後高血糖の時期(初期)なら見逃してもいい
というとでは決してありません.
実際に,DECODE StudyやFunagata Studyにて,食後高血糖が大血管障害を引き起こしやすいことが示されています.
大血管障害の予防は,糖尿病治療の長い歴史の中でも答えが出ていない領域です.(☟にそのことについては以下の記事で解説しています)
食後高血糖の治療で大血管障害の予防効果が証明されているわけではないですが,食後高血糖が放っておいていい状態でないことは間違いありません.
その食後高血糖改善薬に関して,どのような種類や特徴が把握しておくことは大事なことだと思います.
今回はそんな食後高血糖改善薬の比較まとめです.
■食後高血糖改善薬の比較
この視点での比較をしたも表はあまり見かけないはず.
残念なことは,いずれも服薬アドヒアランズがある程度必要となること.
あまりにアドヒアランズが悪ければDPP4阻害薬くらいしか選択肢がありませんが,GLP-1アナログの週1回打ちや,αグルコシダーゼ阻害薬やグリニドを(夕食だけなど)ビッグミール前にするなどの工夫も試してみる価値があります.