ASTとALTの上昇の仕方から,原因の病態を絞る
肝障害は,大小含めると臨床の場では日常茶飯事です.
ありふれている現象って,あえて調べたりすることしなかったりしますよね.
この表はあくまで参考ですが,トランスアミナーゼの上昇を鑑別するものです.
ポイントは,ALT優位かAST優位か,と上昇の度合い.
当然,確定的な鑑別はつきませんが,原因疾患になんとなくの"あたり"がつけられます.
例えば
肝硬変(LC)にしては上昇しすぎじゃない?
という疑問を抱いたり
急性肝炎の回復期にしてはASTが高すぎない?
とか,疑問を抱けます.
こういった疑問が集まることで,新しい閃きが生まれることは少なくありません.
なお,この仕分けの根拠には,ALTの方が肝臓特異性が高いことや,半減期の長さの違いなどがありますが,いずれ本ブログで解説します.