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英語を話すには,受験英語から離れてみて.

 英語.嫌いじゃないのに全然上達しない.上達してたとしても,全く実感がない.色々テキストも買って読んでは見たものの,どうすればいいのか分からない.英語が全く得意でないのに,外資系の会社に26年勤めてきて,その内3年間,家族でアメリカに赴任した私だからこそ,お伝えできるコツがあるのではないかと思い,英語をがんばって勉強しているけどなんだかな〜といった人に少しでもお役に立てることを期待して,この記事を書いてみます.

<ポイント2つ>
 まず,英語を勉強しようと思わないで,以下を読んで下さい.英語を使って何か言いたいことを伝えるのが最終目的なんですよね?正しい文法で話すことが最優先課題じゃないですよね?
 だったら,伝わる英語が上達する秘訣は以下の2つです.

□ 受験英語から離れる
□ 単語ではなく連語(発音/聞き取り)

おまけ:丁寧な言い方

受験英語から離れる
 英語を学ぶ最大の理由は,世界(英語圏)と交わり,自分の意見なり要求を相手に伝えたいということですよね.このモチベーションがしっかりある限り,必ず伝わりますので,ご心配なく.
 まず,最初に言っておかなければならないことは,これまで私たちが中学校・高校の少なくとも6年間学んできた英語学習は決して悪くないと言うことです.日本の英語教育はダメダメという人がいますが,文法に関してはかなりきっちりと体系だって学べています.英語を話す人が,過去完了や仮定法過去など高度な文法をちゃんと説明できるとはとても思えません.高校を卒業した人であれば,多少時間はかかるものの,辞書を使えば専門ジャーナルや論文などかなり高度な学術書籍も読むことができるでしょう.日本以外の英語が母国語でない人は,単語の意味は分かっても,高度な文章を読み解けるとは限りません.私は全く英語が得意ではありません.にも関わらず苦労しながらもアメリカでの3年間,自分で現地の家探し(不動産巡り),電気ガス水道ごみ収集,自治会,子供の学校の手続き,自動車の3年リース契約などなどができたのも,日本の英語教育のおかげだと思っています.もちろん英会話では,しどろもどろになることも多いですが,書類に関しては時間がかかるものの,何とかこなせるのです.
 これからの将来,全く英語に触れずに一生を送るということは,スマホやインターネットからの恩恵を被ることなく生きていくということと変わりません.つまり,英語は絶対に必要ということで,日本から出ないからいいやということにはなりません.仕事をする上で,あるいはプライベートでもクレジットカードでの支払いがトラブって,英語のメールでやりとりをしなければならいことも発生するかもしれません.(海外でポータブルカーナビをオプションで付けてレンタカーを借りた時がありました.帰国してからクレジットカードの請求明細を見てみると10万円近い請求がなされているではないですか!びっくりして問い合わせると,カーナビが返却されていないからという理由でした.は!?そんな海外のしょーもないカーナビを盗むかい!怒り心頭で先方およびカード会社へメールのやりとり...半年後,やっと返金されました.あー疲れた.恐らく似たようなことで日本人は泣き寝入りしている人が多いかと想像します.このようなことが続くと,悪い業者は,日本人は適当に請求してもちゃんと支払いをするぞということで,吹っかけてきます.英語でのやりとりに根負けしてはいけません!!)
 前置きが長くなりましたが,本題です.今やりたいことは,英語で自分の考えを伝えるということですよね.だったら,一旦,受験英語の小難しい文法から離れましょう.英会話つまり英語ネイティブの人たちが普段話しているワードを拾っていきましょう.一例を挙げます.例えば,これまで英語の試験とかで『〜できる』という意味になるように以下の3つの( )内に単語を書いて下さいに対してどう回答しますか.
  〜できる    (be)(able)(to)
恐らく大多数の人がこのように回答しませんか.もし英語を話す人に聞いたら,こんな回答はしません.英語ネイティブが回答するとしたら,
  〜できる    (make)(it)(possible)
が自然です.この違いは,今後,英会話のスキルを伸ばす上で最も重要な感覚だと思っています.〜できるは,通常canを使います.わざわざI’m able to〜なんて言いません.ではなぜ be able to があるんだ?ということになりますよね.これは未来の助動詞willと可能の助動詞canを併用してI will can 〜ということはできないので,will の後に使うときには be able to を使わざるを得ないということです.
I will be able to speak English very frequently because of reading this article.
自分の言いたいことが伝わればいいので,まずは英語の順番で日本語を並べ直します.例えば,『私は昨日,〇〇さんと△△公園で1時間ブランコをして遊んだ』ということを言いたいなら,『私は・遊んだ・ブランコ・〇〇さん・△△公園・1時間・昨日』にざっと頭の中で並び替える.I playedと言っている瞬間に,後に付け足す語句を考える.on a swing ・ with 〇〇-san ・ in the △△ park ・ for an hour ・ yesterdayこれらの順番がでたらめだったとしても,withやinなどが多少間違っていたとしても,伝わります.外人が『私,遊びました.公園に,ブランコで,〇〇さんに』と言ったとしても私たちは何を言っているか分かりますよね.それと同じです.正しい前置詞や文法で話そうとして,沈黙される方が嫌ですよね.大体分かるから,早く言いたいこと言ってみてという気持ちになりますよね.粉物屋さんに食べに行って,外人に”お好み焼き”は何ですかと聞かれて,キャベツを千切りにして卵をといて・・・と正しい文法で真面目に回答している場合ではありません.It's a Japanese Pizza. と即答する大胆さが時には必要です.

連語を口になじませる
 日本人はなぜネイティブの発音を聞き取れないのか.頭に覚え込まされた音と聞いた音が違いすぎるため,瞬間的に結びつかないので,せっかく覚えている英単語も全く意味をなさないのです.先ほど例に挙げた make it possible は,誰でも知っています.でもネイティブは,メイク・イット・ポッシブルとは決して言ってくれないのです.ゆっくり言ってみてと頼んでも,メーキッ(ト)ポォッシボーと帰ってくるだけで,ますます聞き取れません.ネイティブの発音をそもそもカタカナで表現するには無理があるのです.だから発音記号といった我々にはとっつきにくいものが辞書には堂々と掲載されているわけです.ついでに言えば,アメリカでは小学校1,2年生でフォニックス(Phonics)という授業があって,みっちりと発音を学んでいるのです.英語を母国語とする子らがですよ.その基礎の発音感覚が醸成されていないオッサンがいまさら綺麗な発音ができるわけない.

 きれいな発音はできないかもしれません.でも分かってもらえる発音はできます.よく言われるのがwriteとlightが聞き分けられない.聞き取り力をつけるなら,自分がネイティブに近い発音を口に覚え込ませるのが一番の近道だと思います.light(明かり)の方は,我々が普通にしゃべる”らりるれろ”行の”ら”の発音でOkです.問題は,writeの方です.こちらは,舌を引っ込ませて・・・などとややこしい舌の動きを言われてもすぐには無理です.rの手っ取り早い発音習得方法は,ライトという前に小さく”ゥ”を言うというテクニックです.”ゥライト”と発音すれば,かなりの高確率でネイティブにwriteの方だと認識してもらえるはずですので,試してみて下さい.

 英語は,文頭に述べたい重要なことが来ますので,最初に集中して後は適当に聞き流さないと疲れ切ってしまいます.文の最後まできっちりと聞かないと気持ち悪い質なので,ネイティブが話した最後の方に聞こえた”オニ”が気になったりします.なんだこれは.オニ!?鬼滅の刃かと思ったりしたのですが,そうではなくて on it. と言っているだけでした...

 特に数に関する連語については,音の感覚で覚えるようにする.one and half とかみんな好きな buy one bet one free とかは響きで知っているから,ネイティブが早口で言っても理解できるのです.

 連語の聞き取り注意点は,『誰かを〜へ連れていく』といった場合,
  take up 誰か to 〜
で覚えていると思いますが,人称代名詞を使う際には,
  take her up to 〜
というようにtakeとupの間に人称代名詞が入ってくるというように順番が変わってしまったりするものもある.そしてその場合,”テイカアープトゥー”とテイクとハーが連なって発音されるので,ますます聞き取れなくなります.ですので,take him up to 〜 ”テイキィムァプトゥー”という発音のまま覚えてしまう.もしそれが女性で,本当はtake her up to なのにhimと言ってしまっていても,相手は彼と彼女を言い間違えたのだなと分かってくれます(最近,彼/彼女の言い間違えに過敏ということなら,themで覚えてしまった方がいいかも).私がここで言いたいのは,英語が得意でない人は,文法・発音・英単語すべてを正しく言うなんて高望みしないということです.連語を音で覚えて,会話ではそれを使う.多少間違っていても気にしない.この記事も英語が苦手なんだけどなんとかしたいと思っている人の心が少しでも軽くなればと思って,私の経験談を踏まえて書かせていただきました.ですので,この記事の多少の間違いも気になさらぬよう,お願いします.

おまけ
英語はストレートな言い方で,確かに日本語みたいに尊敬語,謙譲語などの多様な表現はないかもしれませんが,丁寧語は明らかに存在します.couldやwouldがそれにあたります.オフィシャルな場や公的メールでは,丁寧語を意識的に使うようにする必要があります.これもたくさん例文があったりしますので,自分が良く使うものについては,1つか2つは口になじませて,とっさに出るようにしておきたいものです.







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