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12/15開催【北海道発】スタートアップピッチ~北の大地から世界を変える~

皆さんこんにちは!ドコモ・ベンチャーズです。
今回は、2022年12月15日(木)に行ったイベント、

【北海道発】スタートアップピッチ~北の大地から世界を変える~

についてレポートしていきたいと思います!

本イベントでは、北の大地北海道から世界を変えるべく立ち上がったスタートアップ4社をお招きしピッチをしていただきました。

・地域発のスタートアップに興味のある方
・札幌でのスタートアップ支援等を知りたい方
・新規事業、オープンイノベーション等をご検討されている方
・最新のサービストレンド、テクノロジートレンドに興味のある方

にぜひお読みいただきたい内容となっております!

■STARTUP CITY SAPPORO

最初に、札幌市役所の伊藤様より、STARTUP CITY SAPPOROの取り組みについてご紹介いただきました。

<札幌市役所 スタートアップ推進担当係長 伊藤 諒様>

札幌市役所 伊藤 諒 様

STARTUP CITY SAPPOROは、札幌・北海道からスタートアップが創出されることを目指し、スタートアップを支援するプロジェクトのことです。各種機関と連携し、スタートアップの起業・成長支援を強力に推進しています。

プロジェクト全体像

以下、いくつかの取り組みをご紹介します。

  • スタートアップ補助金
    市内での法人登記費用が実質無料に。スタートアップ起業で立地促進補助金申請可能。

・スタートアップビザ
スタートアップビザ申請サポートに注力。英語によるオンラインフォームでの申請が可能。
イベント開催(2023年予定)
1/24:スタートアップ×経済学
「スタートアップの経済学」著者 加藤雅俊氏、経済学のビジネス活用を促進する、エコノミストデザイン社を交えたトークセッション。
1/27:TECHBBQ
北欧注目のスタートアップイベントが初上陸。
2/9:SAPPORO HOKKAIDO STARTUP NIGHT
VentureCafe Tokyoとのコラボで、虎ノ門にあるCIC Tokyoで開催。札幌・北海道のスタートアップについて国内に発信。

イベントの詳細は、STARTUP CITY SAPPOROのホームページにてご案内があるので、ぜひアクセスしてみてください。

続いて、各スタートアップにピッチをしていただいた内容をご紹介します!

■1社目:ゼロスペック株式会社

1社目は、ゼロスペック 多田様にご登壇いただきました!

<ゼロスペック株式会社 CEO 多田 満朗様>

ゼロスペック株式会社 多田 満朗様

・ゼロスペック社の事業内容

ゼロスペック社は、「データから未来に新たな価値を提供する」をビジョンに掲げ、人々に新たな時間を創り出すサービス「GoNOW」、IoT&SaaSを活用したサービスなどを提供している企業です。

ゼロスペック社が特に注力しているのが、エネルギー業界における生活に密着した「ラストワンマイル配送」です。

・灯油業界について

灯油は、北は暖房用/南は給油のエネルギーとして活用されています。
現状の課題としては以下のようなものがあります。

[1] 残量がわからない
タンク内の残量は気温/天候などで消費傾向が変動するため、残量はわからない状態
[2] 供給量のバラつき
残量がわからないので定期配送の給油量もバラバラになってしまい、収益に大きく影響
[3] 過酷労働
車を止める/ホースを出す/給油/ホースを戻す等、体力や精神的にも配送社の負担が多い。また、長時間労働環境も多い。

ゼロスペック社はこれらの課題を解決するために、「GoNOW」というサービスを提供しています。

・人々に新たな時間を提供する「GoNOW」

GoNOWは、経験/時間/勘で判断していた(配送/宅配/訪問/回収/営業など)タイミングを最適化する、灯油自動配送発注管理システムです。

実際のシステム操作画面

サービスの仕組みは以下の通りになっています。

[1] IoT/ハードの活用
今までわからなかった灯油の残量を数値化&データ化し、遠隔で把握可能に
[2] システム&AIエンジン
取得したデータと設定条件から灯油配送計画の自動生成
過去データから需要予測、計画の自動生成
[3] 計画を元に配送(モバイル活用)
紙や手書き運用からデジタル化を目指す

このシステムのゴールは、「7~8割の自動化を実現する」です。これによって、3つの価値を提供することができます。

[1] 新たな時間創出
今までと同じ業務をより短い時間でより効率的に
[2] 利益の最適化
効率化で創り出した時間を更なる利益貢献へ
[3] 安心と安全
顧客に安心・現場に安全を

現在(2022年12月)では、全国33都道府県・約300社に導入実績があり、約3万台のセンサーが日本全国で稼働しています。

・中長期ビジョン

ゼロスペック社は、サービスの普及とコモディティ化を目指している段階にあります。
これに向けて様々な取り組みを行っています。

[1] 同じビジネスモデルで別業態へ展開(23年度からサービス開始)
例:重油/軽油、水田、ゴミ箱、飼料用タンク、薬剤タンクなど
[2] センサー以外の活用をしたサービスの展開
例:物流業界、産廃業界、訪問管理、営業管理
[3] 社会課題への取り組み
地方のデータ&IoTを活用し、5年後を見据えた新たな地方の仕組み作りにチャレンジ

今後もゼロスペック社は、テクノロジーを活用し、「平等な社会の実現」というミッション達成に向けて、サービスの普及とコモディティ化を目指します。

■2社目:株式会社インプル

2社目は、インプル 西嶋様にご登壇いただきました!

<株式会社インプル 代表取締役 CEO 西嶋 裕二様>

株式会社インプル 西嶋 裕二様

・インプル社の事業内容


インプル社は、「先進技術で革命を起こす」という理念を掲げ、先進技術を用いたスマートフォンアプリ、ウェブシステム、プロダクト開発及びオフショアサービスの運営を行っている企業です。

今までに、「オンラインマラソンサービス」、「血液のにごりチェッカーアプリ」、「NFTプラットフォーム」などの開発実績があります。
2024年度には、新たに「VRフィットネス(仮)」というメタバース時代の次世代ワークアウト・プラットフォームの事業化を目指しています。

・VRフィットネス

VRフィットネスは、専用トレーニングギアとアプリ上の3Dキャラクターによって、利用者がワークアウト(筋トレなどのトレーニング)できるようにするサービスです。オプションでリアルトレーナーとのオンラインレッスンも可能です。

利用者は、ゲーム感覚でワークアウトを継続し、暗号通貨で報酬を受け取ることができます(Workout to earn)。
また、ワークアウトの達成度や自身のキャラクターやアイテムなどをコミュニティでシェアすることができます。VR上のキャラクターやアイテムはNFTとして提供され、利用者は資産として所有でき、コミュニティ内で売買することができます。

リアルでのワークアウトとデジタルでの報酬

専用ギアはスマートフォンと連携し、ワークアウトの達成度に応じて、ハードウェアとしても進化します。

ギアとの連携

ターゲットとしては、以下のような人々です。

・多忙でアクティブな富裕層
・経営者、医師、外資系サラリーマンなど
・NFTなどの先進技術を好むアーリーアダプター

このような人々が抱える課題として以下のようなものが挙げられます。

・リモートワークの浸透などオンラインで過ごす時間が増える中で、運動不足になっている
・フィットネスジムに通いたいが、忙しくて時間がない
・トレーニングの必要性は認識しているが、面倒くさいなどの理由でまだ取り組んでいない

VRフィットネスによって以下のような価値を提供することができます。

Save Time (時間の節約)
・オンラインで筋トレができるアプリを提供し、ジムに通わなくても好きな場所、時間に筋トレができる
More effective (高い効果)
・トレーニングでは専用ギアを腕や足に装着することで加圧・除圧を行えるため、短時間で効果を得ることができる
・トレーニングはアプリ内のバーチャルなトレーナーと行う
Motivate myself (動機づけ)
・アプリで毎日のトレーニングミッションが与えられ、クリアすると暗号通貨がもらえる
・マーケットプレイスでウェアやシューズなどNFT化されたアイテムを売買できる
・利用者同士のコミュニティを運営し、アバターによって交流できる

・ビジネスモデル

収益は、利用者の直接課金とNFTの手数料に分けられます。

[1] 利用者の直接課金
・初期費用
・リアルな専用ギア、デジタルキャラクター、アイテム
[2] 月額サブスクリプション:基本料金
・トレーニングチケット
 オンライントレーナーと1on1でトレーニングを行うための回数券
・NFTの手数料収入
・売買手数料
 利用者がキャラクターやアイテムを売買するたびに発生する手数料

さらに今後は、ヘルスケア領域への進出やグローバル展開、ヘルスケアに関わるユースケースをメタバースに置き換えるプラットフォーム化をビジョンとして掲げています。

■3社目:株式会社あるやうむ

3社目は、あるやうむ 畠中様にご登壇いただきました!

<株式会社あるやうむ 代表取締役社長 畠中 博晶様>

株式会社あるやうむ 畠中 博晶様

・あるやうむ社の事業内容


あるやうむ社は、「NFTによる地方創生」を推進する会社です。「ふるさと納税NFT」「観光NFT」のパイオニアとして、地方の景観、名産物をモチーフにしたNFTを作成することで、地域経済の活性化に貢献しています。

・自治体のふるさと納税の返礼やNFT関する課題

自治体側の悩みは以下のようなものがあります。

・予算確保に膨大な時間と工数が発生
・人気の出る返礼品を企画できない
・「返礼品をもらって終わり」
・規定を遵守しつつ、新しい取り組みをするのが難しい
・返礼品の提供者、中間事業者との調整が煩雑

また、NFT取得のフローも煩雑です。
購入フローとしては、暗号資産取引所で口座開設をしてから、実際にNFTを購入するまで約1週間かかるとされています。

あるやうむ社は、「ふるさと納税NFT」によってこれらの課題を解決しました。
自治体へは、初期費用無料で、返礼品の企画からカスタマーサポートまでワンストップで対応しています。
さらに購入フローも簡単で、ポータルサイトで日本円でカード決済が可能です。

・ふるさと納税NFT

ふるさと納税の返礼品にNFTを採用することで、納税枠の増加のみならず、シティプロモーション効果、経済の活性化を推進することができます。

[1] 納税額の増加
・数万円〜数十万円/種類のNFTを、ふるさと納税の返礼品として用意
[2] 関係人口の創出・観光客の創出
・寄付を通じてNFTを入手した方々は、地域の応援者となる
・NFTに現地を訪れる仕掛けを施すことで、観光誘致に繋げる
[3] シティプロモーション効果
・NFTを通じて地域の名所や名産物をPRしていく
・新しい技術を活用することで、先進的な自治体であることの認知拡大

事業の先行事例

北海道余市町、大阪府太子町、京都府長岡京市では、数時間以内にそれぞれ600万円の納税が集まったという実績があります。

・今後について

ターゲットユーザー層は、インフルエンサーの発言を支持する、お祭りやワイワイするのが好きな層であり、オンラインサロンの加入層に近いと考えています。オンラインサロンのユーザー層は年々増加しているため、あるやうむ社は今後インフルエンサーの手がけるNFTとふるさと納税の返礼品をコラボさせることなどを考えています。

・組織の強み・競争優位性

あるやうむ社の強みは、「NFT/Web3 + 官公庁」の幅広い専門性と教育体制にあります。

[1] 暗号資産・NFTへの豊富な知見
・暗号資産の世界に5年間根ざしており、採用候補者・業務提携候補企業との強固なリレーションがある
・世界的なNFTマーケットプレイスでの知見
・応用的なNFT開発に関する最先端の技術アセット
[2] 官公庁との対峙力
・行政学、法令に対する深い理解
・官公庁マーケット開拓の経験
・自治体への的確なサービス設計やマーケティング、営業
・総務省のふるさと納税担当職員と良好な関係性
[3] 柔軟な人材採用及び教育体制
・地方創生を志す企業であるため全国からフルリモート体制での人材採用、業務を行う
・Web3やNFTの情報を適切にインプットするための教育体制
・あらゆる層の優秀な人材が活躍できる環境

このような強みを生かして、2023年度は100の自治体とのコラボを目標にしています。

■4社目:株式会社岩谷技研

4社目は、岩谷技研 中園様にご登壇いただきました!

<株式会社岩谷技研 執行役員CFO 経営企画部長 中園 利宏様>

株式会社岩谷技研 中園 利宏様

・岩谷技研社の事業内容

岩谷技研社は、ロケットの推進力で強烈なGに耐えながら地球を飛び出すのではなく、「ヘリウムガスの浮力でふわふわと地表を離れて、高度25kmの成層圏まで昇って宇宙遊覧しよう!」をコンセプトに、その旅に必要な高高度プラスチック気球と気密キャビンを自社で開発している札幌発の宇宙ベンチャー企業です。

・宇宙旅行における課題

近年、各国で科学探索を超えたレジャー目的を含む宇宙開発が盛り上がりを見せています。しかし 2022年現在、巨額の旅費を購うことができ、なおかつ過酷な肉体訓練および精神鍛錬を耐え抜くことができる、ごく一部の人たちにしか門戸が開かれておらずハードルが高いのが現状です。
前澤氏の宇宙旅行の事例では、費用が150億円、訓練が6ヶ月、英語とロシア語の習得が必要でした。

岩谷技研のミッションは、誰でも頑張れば用意できる程度の経済的負担のみで、他には訓練や鍛錬をなんら必要とすることなく、幼児から年配者まで、すべての人を “宇宙の入り口” まで連れて行くことです。

気球からの実際の写真

・気球の魅力

気球は誰でもいける宇宙旅行を実現する唯一のアプローチ手段です。岩谷技研社の想定では、費用が180万円(20~50人乗りの場合)、訓練不要、言語も母国語だけで宇宙旅行に行くことができます。
事故率はロケットよりも低く、事故がほとんど起こらない飛行機よりも死亡率は低いです。
また、NASAは高高度気球企業を宇宙ミッションの弾道飛行プロバイダとして位置付けています。

・岩谷技研社の実証実験

2022年に岩谷技研社が実施したいくつかの実験について紹介します。

1/9:プラスチック気球屋内膨張試験 | 北海道余市郡余市町
1/20:気球 + キャビン屋内係留試験  | 埼玉県八潮市
2/26:低高度有人飛翔試験(係留) | 福島県相馬市
3/24:江別気球工場製 15m級気球放球試験 | 福島県相馬市
4/26:気密キャビンクレーン落下試験 | 北海道赤平市
5/19:LoRa通信基板 高高度放球試験 | 北海道広尾郡大樹町 HOSPO
7/19:有人係留昇降試験 [1回目] | 北海道余市郡余市町
8/22:有人係留昇降試験 [2回目] | 北海道余市郡余市町
9/4: 気球内圧耐久試験 | 北海道余市郡余市町
10/7:有人離着陸試験 [1回目] | 北海道赤平市共和町
11/18:低高度有人フリーフライト試験 | 北海道中川郡幕別町

試験飛行の様子

現在は実際に2023年にサービスインするにあたり、安全性の確保と試験飛行を繰り返している段階です。取得特許数は12件であり、15件出願中です。

・今後について

今後は気球宇宙旅行を中心に打ち上げサービス+画像・映像データサービスを加えて、2028年には630億円の売上計画をしています。

また、宇宙遊覧のみならず、リモートセンシング気球軌道投入気球(成層圏からの衛星打ち上げサービス)としての用途でも開発を進めています。

まとめ

今回は、北海道発スタートアップの代表的な4社のお話をお聞きしました。

どのサービスも北海道での生活経験や強みが生かされていると感じました!
今後のサービス拡大・進展が楽しみですね!
今後もドコモ・ベンチャーズでは毎週1回以上のペースで定期的にイベントを実施し、その内容を本noteでレポートしていきます!

引き続きイベントレポートを配信していきますので、乞うご期待ください!!

>>今後のドコモ・ベンチャーズのイベントはこちら


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