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11/11開催【スタートアップピッチ】SpaceTechピッチ(JAXA・JAXAベンチャー登壇)イベントレポート

皆さんこんにちは!ドコモ・ベンチャーズです。
今回は2021年11月11日(木)のイベント

【スタートアップピッチ】SpaceTechピッチ
JAXA・JAXAベンチャー登壇

についてレポートしていきたいと思います!

本イベントでは、日本における宇宙産業の発展を公的機関の立場で牽引するJAXA (国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構)と、そのJAXAが支援するスタートアップ - JAXAベンチャー3社をお招きし、ピッチをしていただきました。

・宇宙からどのようなビジネスが生まれているのか興味のある方
・現在の宇宙産業の現場について知りたい方

に特に必見の内容となっておりますので、ぜひご確認ください!

以下、各社のお話いただいた内容を紹介していきます!

■JAXAの取り組み紹介:JAXA/土屋様

最初に、JAXA (国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構) 新事業促進部 事業支援課 土屋 光陽様にご登壇いただき、JAXAの取り組みをご紹介していただきました!

<国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構 土屋 光陽様>

300JAXA土屋

・JAXAの取り組み紹介

世界の宇宙産業の規模は約40兆円と非常に大規模なビジネスとなっています。
宇宙産業と聞くと”ロケット打ち上げ+衛星製造”が最初に思い浮かぶかもしれません。しかし、実はロケット打ち上げおよび衛星製造自体は宇宙産業全体の市場のたった7%に過ぎず、大部分は衛星サービス関連や地上設備など、人々の身近な生活に根付いているのです。

その宇宙産業は今多方面に大きく拡がりを見せ、様々なプレイヤーが関わっています!

まずスタートアップ切り口では、現在国内では54の宇宙産業スタートアップが存在しており、その数は増加傾向を見せています。
また、公的機関であるJAXAも「政府全体の宇宙開発利用を技術で支える中核的実施機関」として大きな市場の盛り上がりに大きく寄与しており、約2,100億円という年間予算のもと、市場を下支えする様々な活動を行っています。その規模は現時点でアメリカにおける同種の機関であるNASAの約12分の1に過ぎませんが、少ない予算の中でも効率的に支援しています。

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そんなJAXAの取り組みの一部を紹介します!

JAXAの代表的な取り組み「J-SPARC」
J-SPARCとは「新たな宇宙関連事業を出口とした共創型研究開発プログラム」です。
多分野のプレイヤーとJAXAがパートナーシップを結び、事業を共創していくことが目的となります。

J-SPARCでは、現在すでに34個のプロジェクトが動いています。
そのプロジェクトの中には、宇宙技術が別の分野へと応用されているものもあります。

例えば

・宇宙飛行士の訓練方法を活用した次世代型教育事業
・宇宙食と備蓄食の類似性に着目した「BOSAI SPACE FOOD」(備蓄ゼリー)

など、宇宙での技術を地上に活かすビジネスも生まれています!

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J-SPARCの他にも「JAXAベンチャー」という取り組みも行っています。
JAXAベンチャーというのは、JAXAの知財等を活用したベンチャー企業に対し、一定の審査を通じ、「JAXAベンチャー」として認定・支援を行う取り組みです。
また、J-SPARC・JAXAベンチャー以外にも地方自治体との連携・海外展開支援等の取組、更には本年度から出資機能等の新たな取組も行っています。

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こちらの取り組みで、これまで9社のベンチャー企業が認定されました。
今回はそのうち3社にご登壇いただくこととなっています!

今後ますます注目される宇宙産業ですが、日本の宇宙産業を牽引するJAXAの活動には要注目ですね!


■1社目:株式会社DATAFLUCT/久米村様


スタートアップピッチ1社目は、株式会社DATAFLUCT 代表取締役 久米村 隼人様にご登壇いただきました!

<株式会社DATAFLUCT 代表取締役 久米村 隼人様>

300DATAFLUCT久米村

・DATAFLUCTの事業内容

DATAFLUCT社はデータサイエンティストを集めて、様々な社会課題にアプローチするプロダクトを開発しています。

ビジョンに”データを商いに”を掲げ、「データ活用の民主化」で社会と企業のサステナビリティを可能にすることを目指しています!

世の中の課題として、各企業が有するビッグデータが急速に増えているものの、それらの活用がうまくできていないという根本的な問題があります。
またその活用が難しい理由として、多種多様な前処理を行う必要があり、多くのノウハウとコストが必要であるということが挙げられます。

そこでDATAFLUCT社では、
どんな非構造データ (画像、音声、テキストなどのデータ)でも価値に変えられるマルチモーダルデータプラットフォーム」を提供しています。

そんなDATAFLUCT社のサービスをいくつかご紹介します!

・AirLake
画像、音声、テキストなどの非構造データ (なんらかの処理が加えられていないデータ)を独自のAI技術で、自動変換・統合できるデータウェアハウス (データ集積ツール)です。
社内外に埋もれているビッグデータをわずか数クリックでデータ分析ができるような価値のあるものにすることができます!
・Comler
初めての人でもデータ接続からアルゴリズム構築・実装・運用までをノーコードで実現する機械学習プラットフォームです。
例えば、本来データ分析をするためにはpythonなどのプログラミング言語を活用するスキルが必要となりますが、エクセルのようにクリックだけでデータ分析ができるようなプラットフォームを提供することで、誰でもデータ活用ができるようになり、「データ活用の民主化」を行っています。

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上記のサービスによって、データ準備やモデル構築にかかる工数を90%以上削減できることが証明されています。
データ活用の必要性が叫ばれている中で、誰でも簡単にデータ活用ができるようになる素晴らしいサービスです!

また、今回SpaceTechピッチ ということで衛星データの活用可能性についても紹介していただきました!

特に、街づくりやカーボンニュートラルといった観点から
衛星データを用いて、
・人流データより、人の混雑具合を可視化
・大気中のCO2濃度を測り、どこがCO2の発生源であり、また吸収源であるかを特定
など、様々な活用が期待されます。

幅広い領域で、様々なデータを活用し、ビジネスモデルを構築するDATAFLUCT社の今後の活動に期待です!

■2社目:合同会社パッチドコニックス/川口様


2社目は、合同会社パッチドコニックス 代表社員 川口 淳一郎様にご登壇いただきました!

< 合同会社パッチドコニックス 代表社員 川口 淳一郎様>

300パッチドコニックス川口

・パッチドコニックスの事業内容

パッチドコニックス社は、JAXAベンチャーとして初めて認定を受けた会社の2つのうちの1つです。

エネルギーマネジメント事業と宇宙機システム事業の2つの事業を主に行っていますが、今回は特にエネルギーマネジメント事業についてご紹介します!

パッチドコニックス社は、かの有名なJAXAの小惑星探査機「はやぶさ」の電力制御発信の電力のピークカット(平準化)の技術を用いて、戸建て住宅や集合住宅、エネルギーマネジメントのソリューションを提供し、社会インフラの効率化に貢献しています。

「はやぶさ」では、閉じられたシステムにおける限られた電力を有効活用する装置として搭載されましたが、パッチドコニックス社はその技術をエネルギーマネジメントへと発展させています。

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その前に、電力のピークカットについて少し説明します。
電力を使用するとき、電力をたくさん使う時間とそうでない時間で使用電力に波ができますが、その波が大きいほど消費電力に無駄が生じてしまいます。

効率よく電力を消費するために、電力をたくさん使うタイミング(ピーク)を小さくすることで、電力消費の波をできるだけ平坦にする、これを電力のピークカットといいます。

そもそも街の電力料金は使用電力のピーク時で料金が決定されますので、パッチドコニックスの技術を住宅に利用しピーク時の消費量をカットすることで、電力料金を下げることが可能となります!

「はやぶさ」に使われた技術が私たちの生活にも役立っているなんて、非常にワクワクするようなサービスですね!

■3社目:武蔵スカイプラス株式会社/藏並様


最後に、武蔵スカイプラス株式会社 代表取締役CEO 藏並 昌武様にご登壇いただきました!

<武蔵スカイプラス株式会社 代表取締役CEO 藏並 昌武様>

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・武蔵スカイプラスの事業内容

武蔵スカイプラス社は、JAXA航空技術部門から生まれた、小型無人機(ドローン)に関するサービス全般を提供する会社です。

使用する機体を準備し、ユーザーの用途に適合した各種センサを搭載し、ニーズに合わせた機体を提供することができます。

ドローンの産業利用は、すでに社会実装が進む物流分野だけでなく、各分野全般において必要とされるモニタリング活動(監視・警備、気象全般、環境モニタなど)への応用も含めて大きな注目を集めています。

そんな武蔵スカイプラス社の小型無人機を2つご紹介します!

・UARMS(ユーアームス) 小型固定翼無人飛行機
放射線モニタリングをするために作られた最初の飛行機です。
全幅4.2m。
安全性が最も重要であるため、様々な安全機能(2故障対応やパラシュートなど)が搭載されています。
特徴としては、プログラム飛行ができ、飛行計画や離着陸の自動化を推進しています。
・QTW(Quad Tilt Wing)
4発ティルトウイングVTOL機全幅2.3m。
特徴としては、垂直離着陸が可能である点です。つまり、滑走路が不要のためどんな場所からでも飛び立つことができ、その観点で非常に今後の応用範囲が期待される機体です。

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JAXAの世界トップレベルの航空技術がドローンに応用され、我々の生活をより豊かにしてくれることを想像すると、非常に素晴らしいサービスです!

私たちの身近なところでドローンが飛んでいるという日常は目の前に迫っているかもしれません。

まとめ


今回は、JAXAとJAXA発のスタートアップの代表的な3社のお話をお聞きしました。

宇宙では高度な技術が必要とされますが、そこで蓄積されているノウハウや技術が私たちの生活に応用されていく未来を知ることができました。

JAXAやJAXA発のスタートアップのこれからの活躍に期待です!

今後もドコモ・ベンチャーズでは毎週1回以上のペースで定期的にイベントを実施し、その内容を本noteでレポートしていきます。
引き続きイベントレポートを配信していきますので、乞うご期待ください!!
次回は、【スタートアップアカデミー】失敗から学ぶ資本政策のイベントレポートをお届けします。
>>今後のドコモ・ベンチャーズのイベント開催情報はこちら


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