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3/2開催【ドコモベンチャーズセミナー】DRONE FUNDコラボ企画 ドローンビジネスの今をセミナー&ピッチでお届け

皆さんこんにちは!ドコモ・ベンチャーズです。
今回は、2023年03月02日(木)に行ったイベント、

【ドコモベンチャーズセミナー】DRONE FUNDコラボ企画 ドローンビジネスの今をセミナー&ピッチでお届け

についてレポートしていきたいと思います!

本イベントは、DRONE FUNDとのコラボ企画です。ドローンビジネスに関するセミナー&ドローン関連スタートアップのピッチをコンパクトにお届けしました!
前半部分では、DRONE FUNDの大前様にドローンビジネスについてお話していただき、後半はドローンビジネスで活躍するスタートアップを2社お招きしピッチしていただきました。

  • ドローンビジネスに関心のある方

  • ドローンスタートアップへの投資をご検討されている方

  • ドローン物流に関わっている方

  • 新規事業、オープンイノベーション等をご検討されている方

  • 最新のサービストレンド、テクノロジートレンドに興味のある方

にぜひお読みいただきたい内容となっております!


■DRONE FUND株式会社 

<DRONE FUND株式会社 共同創業者/代表パートナー 大前 創希様>

DRONE FUND株式会社 共同創業者/代表パートナー 大前 創希様

<プロフィール>
2002年(株)クリエイティブホープを創業し戦略面を重視したWebコンサルティングを展開。
2013年同社会長に就任。
2014年よりドローンフラファ®として活動。
2016年3月ドローンムービーコンテスト2016 準グランプリ受賞。
2017年5月DRONE FUNDアドバイザリーボードを経て2018年9月DRONE FUND共同創業者/代表パートナー就任。
ビジネス・ブレークスルー大学/大学院教授。

・DRONE FUNDについて

DRONE FUNDは、「ドローン・エアモビリティ前提社会」の実現を目指し、ドローン・エアモビリティ関連のスタートアップ投資に特化したベンチャーキャピタルです。1号・2号・3号ファンドを通じて、国内外のドローン・エアモビリティおよびその社会実装に資するスタートアップへの投資活動を展開しています。

現在ドローン産業というものは発展途上であり確立されていません。そこで、DRONEFUND社はドローン産業を構築するために、

・政府機関・地方自治体・業界団体といった公共セクター
・金融機関・事業会社などのLP企業
・投資先企業

と三位一体となって産業の発展を目指しています。

三位一体となって産業の発展を目指す世界で唯一のドローン・エアモビリティ専業ファンド

スタートアップ投資は、一般的に産業が確立されている分野で行われます。一方で、ドローン産業は発展途上にあるため、これらのプレイヤーと協力しファンドを運営しています。

・DROEN FUNDの軌跡

DROEN FUNDは2017年6月に1号ファンドが設立されました。その後

・2017年6月 1号ファンド:15.9億円
・2018年8月 2号ファンド:52.0億円
・2020年5月 3号ファンド:105億円

と着実に規模を拡大しています。

また、

・投資先企業数 65社(2023年2月28日現在)
・IPOによるイグジット企業数 2社(2023年2月28日現在)

となっています。

・世界で変革期を迎える新たな産業

大前様は、「急激な変化は条件が整ったときに一気に訪れ、ひとたび時代が一歩先に進むと元には戻れない」と言います。

例えば、自動車産業では、世界で初めてつくられた車は1769年フランスのキュニョーの蒸気機関車でした。しかし、この蒸気機関車は普段使いには不便で広く普及するには至りませんでした。しかし、その後開発が進みT型フォードが開発されたことで、状況が大きく変化しました。1900年以降約10年間で人々の移動手段は馬車から車に急速にシフトチェンジしています。

このように、条件が整った時に急激な変化が起こります。

エアモビリティ前提社会においては、日傘ドローン、散歩ドローン、忘れ物お届けドローンなど想像できることは、製品・サービスになる可能性があります。また空飛ぶクルマの実装も活発に進んできています。

ドローンとエアモビリティの3つの機能

ドローンとエアモビリティの3つの機能として以下が挙げられます。

1:リモートセンサーとしての役割
2:フィールドロボットとしての役割
3:モビリティとしての役割

1:リモートセンサーとしての役割
これは情報収集・分析を支援します。例えば、これまで人間がアクセスできなかったエリアでも、ドローンを使うことでアクセスすることが可能になり、その頻度を上げることも可能です。

2:フィールドロボットとしての役割
これまで人が行っていた作業を代替することが可能です。例えば、農薬散布などの人体に害があり人が行うには危険な作業の代替などで活用されています。

3:モビリティとしての役割
モノ・人の新しい輸送手段としての活用が期待されています。配達はもちろんの事、それぞれの産業分野で実装することで社会課題を解決することが期待できます。

・課題先進国ニッポンに不可欠なテクノロジー

現在日本には課題がたくさんあります。
日本は今後ほぼ間違いなく人口が減少するとされています。そのような状況の中、あらゆる課題に対して人が対応していくことには限界があります。

例えば道路やトンネルの整備/管理が行き届かなくなることが考えられます。そのため、これからの課題解決にはテクノロジーを活用することが必要不可欠だと、大前様は言います。

・ドローン・エアモビリティ市場と法規制の動向

次に、ドローン・エアモビリティ市場について、規模とその動向をお話していただきました。大前様によると、産業用ドローンの市場規模は画像のようになっています。

産業用ドローンの市場規模

日本では、2015年に航空法によって「無人航空機」が定義されました。それ以降、産業用ドローン(非軍事ドローン)の市場規模は年々拡大しています。

日本市場は、2021年から2026年までの5年間で約3倍の市場になると予測されています。
ドローンは軍事目的での利用が多くなっていますが、今後は民間でのドローンの利用も期待されています。

・ドローンの国内法規制の動向

ドローンの国内法規制では、2022年の12月に大きな動きがありました。ドローンの利用において「レベル4」(=有人地帯における目視外飛行(目視せずに飛行させること))が解禁され、人が集まっているエリアでの目視外飛行の要件が定まり、法律が動き出しました。

ドローンの国内法規制の動向

大前様は、2023年は都市部や郊外でも目視外飛行できる可能性を感じていると言います。

さらに、ドローンの活用を後押しする動きが見られました。2022年6月3日、首相官邸で第4回デジタル臨時行政調査会(デジタル臨調)が開催され、そこで岸田総理が「アナログ的規制を3年間で一掃する」ことを明言しました。

インフラ点検分野では目視による原則を撤廃し、ドローンやセンサーを活用する方針を打ち出しています。つまり、今後はインフラ点検において人が行っていたことをロボットが代替することを許可する方向で法整備が進むことが期待できます。

これにより、技術力の観点でインフラ点検でドローンを活用することに対する人々の信頼も向上することが期待できます。

・なぜ市場が拡大することが予測されているのか

ドローン・エアモビリティ市場においては、世界的な市場の急拡大が予測されています。急拡大が予測される背景には、地上インフラの開発において限界のある地域の存在があります。

例えば、サンフランシスコの大渋滞などです。サンフランシスコにおいて大渋滞を解消するための新しい道をつくるスペースが地上には残されていません。そこで、空の活用の話がでていると大前様は言います。

・エアモビリティの国内法規制の動向

エアモビリティについては、大阪・関西万博会場での「空飛ぶクルマの運用」開始に向けて、経済産業省、国土交通省、官民協議会を中心に法制度の検討・整備が推進されています。

エアモビリティの国内法規制の動向

現在は、国土交通省による「試験飛行ライン」が定められており、テスト段階において空飛ぶクルマに人を乗せて飛ばすという動きが活発になっています。

・社会実装に向けた課題と展望

社会実装に向けて、

・積載重量
・動力源
・安全性

などの要素技術の革新が重要だと大前様は言います。

また、実証実験段階から実際の事業化に向けて

・ビジネス性・収益性
・省力・省人化がさらに必要
・保証・保険的な整備

などが大きな課題になってくるのではないかと大前様は言います。

そして、ドローン・エアモビリティの社会実装に欠かせないのが、社会受容性の向上です。ドローンに対して多くの人は漠然とした不安を感じてしまいます。それに対し大前様は、ドローンは便利で地域を活気づけることに役に立つということを認識することが、不安や抵抗感を払拭することに繋がると言います。

課題先進国である日本ではすでに、人の力だけでは解決することができない問題が発生しています。そこでドローン・エアモビリティの活用が不可欠です。

そのため、ドローン・エアモビリティが課題解決できるようになるためには、事業者側が利用における安全性を担保することが大切です。そして、皆さんにはドローン・エアモビリティがもたらす効果を理解し、前向きに捉えて欲しいと語っていただきました。


次に、各スタートアップにピッチをしていただいた内容をご紹介します!

■1社目:株式会社エアロネクスト

1社目は、エアロネクスト 田路様にご登壇いただきました!

<株式会社エアロネクスト 代表取締役CEO 田路 圭輔様>


株式会社エアロネクスト 代表取締役CEO 田路 圭輔様

・エアロネクスト社の事業内容

エアロネクスト社は、「新しい空域の経済化」をビジョンに掲げ、新スマート物流サービス「SkyHub®」を運営しています。

過疎地域を中心とした地域物流の非効率を解決することを目指しており、地上150m内の低空域を産業化し、低空域を活用することでモノとヒトの移動を効率化します。

・エアロネクスト社のコア技術「4D GRAVITY®︎」

エアロネクスト社は、独自の重心制御技術の「4D GRAVITY®︎」を開発しました。

エアロネクスト社のコア技術「4D GRAVITY®︎」

田路様によると、カメラを搭載した従来のドローンはデリバリーに適していないそうです。従来のドローンは荷物を機体の下で抱えるため、荷物重量の影響が大きくバランスが不安定になり、墜落の危険性があるといった理由があります。

また下で抱えることで、正面の面積が増えることで空気抵抗が増加し、より多くのエネルギーを必要とします。

・日本発の物流専用ドローン

このように、従来のドローンは物流には最適とは言えません。田路様は、物流には専用のドローンが必要ではないかと言います。

従来の物流ドローンの課題

そこで、エアロネクスト社では、日本発の物流専用ドローンを開発しています。

エアロネクスト社が開発するドローンには

・独自の機体構造設計技術「4D GRAVITY®」による高い飛行性能
・荷物の上入れ下置きの機構
・機体の理想重心付近への荷物の最適配置による荷室の安定

などいくつかの特徴があります。

日本発の物流専用ドローンAirTruck

その中でも注目すべき点は、荷物がドローンの中にあることだと田路様は言います。荷物をドローンの中に抱えることで、空気抵抗を受けずに推進力をもって飛行することができます。また、飛行中に機体が傾いても荷物は水平の状態を維持することができます。

さらに、荷物をドローンの上から投入し、下から受け取ることができる構造となっており、このように物流におけるドローンの活用では、物流に特化した構造のドローンを利用することを当たり前にしていきたいと田路様は仰っていました。

・過疎地域から始めた社会実装

ドローンを飛ばすためのエリアは限定的でした。そこで、エアロネクスト社では、過疎地域からドローンの実装実験を始めました。

過疎地域では

・買い物難民
・人口減少
・物流難民
・自然災害

などの課題があります。

また、物流業界全体においても働き方改革関連法による「物流2024年問題」など課題が多く、将来的に過疎地域は配達ができないエリアになってしまう恐れがあります。

やはり地域社会のインフラ「新スマート物流」の構築が必要です。

将来的に起こるとされている物流クライシスに備えてエアロネクスト社は、既存の物流システムと新しいテクノロジーを組み合わせることで、地域物流の非効率を解決しようとしています。

・新スマート物流「SkyHub®」

トラックによる従来の物流の課題は、配送効率の良いエリアと非効率なエリアが混在していることだそうです。

そこで、住宅が集中している配送効率の良いエリアはトラックが配送し、飛び地とされる再送効率の低いエリアをドローンで配送することで、全体最適を目指しています。

トラックによる従来物流の課題

SkyHub®では、既存荷物や新規荷物、エリア外からの荷物を仕組みの中に取り込み、車とドローンに割り振るシステムとなっています。

田路様は、SkyHub®を通じて「人生100年時代の4D物流インフラで豊かさが隅々までいきわたる世界」を実現したいと仰っていました。

■2社目:Volocopter GmbH 

2社目は、Volocopter社で、当日は株式会社NTTドコモ・ベンチャーズDirector 木村 裕一さんに代理でご登壇いただきました!

<Volocopter Gmbh ※ドコモ・ベンチャーズ出資先 株式会社NTTドコモ・ベンチャーズ Director 木村 裕一氏>


Volocopter Gmbh ※ドコモ・ベンチャーズ出資先 株式会社NTTドコモ・ベンチャーズ Director 木村 裕一氏

・Volocopter社の事業内容

Volocopter社は、ドイツのブルッフザールという町に本社を構えるドローンスタートアップ企業です。2011年に設立されました。
そんなVolocopter社の事業は、電動垂直離着陸機(eVTOL)の開発/設計/製造です。
主力機体であるVoloCityはリチウムイオンバッテリーで駆動する18個の電動ローターを搭載したeVTOLとなっています。大きさはヘリコプター程ですが、ヘリコプターと異なるのは、自動運転に対応することも可能な飛行特性や技術を有している点です。


VoloCity

・幅広いニーズに応える機体ラインナップ

Volocopter社はVoloCity以外にも

・VoloDrone
・VoloRegion

といった機体を開発しています。

Volocopter社の機体ラインナップ

VoloCityは、航続距離が35kmとなっており、都心部での移動手段として開発されています。

さらに、中・長距離の移動ニーズにも対応するために、VoloRegionを開発しています。VoloRegionの航続距離は100kmとなっています。

VoloDroneは、荷物の運搬ニーズに応えるために開発されており、積載量は200kgとなっています。

安全性については、これら3つの機体はどれも旅客機と同じ水準の安全性が担保されています。

また、社会実装に向けた実証実験も積極的に行っており

・パリ
・シンガポール
・ローマ
・ネオン(サウジアラビア、政府主導のスマートシティ計画対象地域)
・中国
・日本

といった世界各国の地方自治体と連携しながら実証実験などを進めています。

パリにおいては2024年に開催予定のパリ五輪で飛行させる計画とのことで、それに向けて2022年11月に離発着の実証実験が行われたそうです。

国内においても、大阪万博や東京での飛行を目指しており、2023年2月21日に型式認証の申請を受理したことが国土交通省より公表されています。

また、大阪万博では日本航空株式会社(JAL)と協力していたりもします。

https://press.jal.co.jp/ja/release/202302/007232.html

他にも、NTTコミュニケーションズと協力し、2024年に有人輸送の飛行実証することを目指しています。

・アーバン・エア・モビリティの実現

アーバン・エア・モビリティの実現

Volocopter社は、ドローン・エアモビリティを前提とした社会を作ろうとしており、特に、都市内の30km~100km圏内の新しい交通システムの構築を目指しています。


まとめ

今回は、前半部分でDRONE FUNDの大前様に、ドローンビジネスの未来についてご紹介していただき、後半部分ではドローンビジネス2社のお話をお聞きしました。

将来的に、ドローンが私たちの生活をあらゆる場面で支える可能性があることが分かりました。ドローンについて正しい理解を持つことがより多くの人が快適に過ごせる社会の実現には必要です。

ドローンのサービスが普及した世界は非常に楽しみですね!

>>今後のドコモ・ベンチャーズのイベントはこちら


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