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1/17開催【ドコモベンチャーズピッチ】フード×パーソナライズの新しい未来~身近な「食」もパーソナライズする時代とは~

皆さんこんにちは!ドコモ・ベンチャーズです。
今回は、2023年01月17日(火)に行ったイベント、

【ドコモベンチャーズピッチ】フード×パーソナライズの新しい未来~身近な「食」もパーソナライズする時代とは~

についてレポートしていきたいと思います!

本イベントでは、フード×パーソナライズの領域で新しい事業に取り組まれている注目のスタートアップ4社をお招きしピッチしていただきました。

・フードテックに興味のある方
・フードテック分野での投資をご検討されている方
・パーソナライズ分野にご興味のある方
・新規事業、オープンイノベーション等をご検討されている方
・最新のサービストレンド、テクノロジートレンドに興味のある方

にぜひお読みいただきたい内容となっております!

以下、各スタートアップにピッチをしていただいた内容をご紹介します!

■1社目:株式会社シェアダイン

1社目は、シェアダイン 井出様にご登壇いただきました!

<株式会社シェアダイン 共同代表 井出 有希様>

株式会社シェアダイン 井出 有希様

・シェアダイン社の事業内容

シェアダイン社は、出張シェフサービスを提供しています。

共同代表の井出様はコンサル会社に勤めながら出産を経験したときに、家庭の食事と仕事の両立に悩んだそうです。

レシピを簡単に検索できるアプリや、多様なミールキットが増えた一方で、家族に適した食事が分からないという悩みは尽きなかったと言います。

・家庭と食の専門家をマッチングするプラットフォーム

井出様はこの家族に適した食事が分からないという課題を、食の専門家と各家庭を繋ぐことで解決できるのではないかと考えました。シェアダインは食の専門家が集うプラットフォームで家庭の食の悩みに向き合います。

実際にサービスでは、シェフが家を訪問し食事を提供してくれます。

プラットフォーム上でマッチングすると、

[1] 食の専門家であるシェフが自宅を訪問
[2] ご家庭ごとのニーズに合わせて献立提案・調理
[3] 4日分(16食)の食事が完成
[4] 食事のアドバスや保存方法等を説明

といった流れでサービスを利用できます。

また、1食あたり645円という価格帯から提供しており、まとめて作ることで競争力のある価格で提供することを可能としています。

・豊富なプランとレパートリー

シェアダインでは、シェフが提供したい料理をプラットフォーム上に掲載しており、値段や食事の種類、雰囲気など、多様な食事の中から選ぶことができます。

実際に3000種類のプランを用意しており、中には、3時間パーティープランなどもあります。家事・育児向けの普段の食事に利用できるリーズナブルなプランや、記念日やお祝い、パーティーなどの特別な日に利用できるプランなど利用シーンに合わせて様々なプランを選択可能です。

井出様は、シェアダインを通じて普段の食事をアップデートしていきたいとおっしゃっていました。

・食のニーズは多様化、課題は高度化

現在、日本では、

・20代女性は戦後よりも低栄養な状態にある
・5人に1人が生活習慣病
・6人に1人が食物アレルギー

など、食のニーズが多様化しており、課題はより複雑で高度なものになっていると言います。

ニーズと課題の定量的評価

そこでシェアダインでは、利用者のニーズやシェフのスキルデータを蓄積し、あらゆるライフステージに応える出張シェフの中から、自分の課題に適したシェフとマッチングできる仕組みが構築されています。

・シェフや栄養士の新しい働き方としても注目

さらに、シェアダインはシェフや栄養士の新しい働き方としても注目されています。

出張シェフの登録希望者数の推移

シェフや栄養士・調理師が活躍する飲食業界は縮小傾向にあり、スキルを活かして柔軟に働きたいと考える人が増えています。特に、コロナ禍で出張シェフの希望者が急増し、フリーランスで活躍するシェフも誕生しているそうです。

・今後について

シェアダインでは今後、診断分析を強化しパーソナライズを拡張・進化させ、多様かつ複雑になっていく食の課題に対応していきたいとしています。
井出様は「食べ手と専門家を繋ぐことで、個々にパーソナライズされた食事が一人でも多くの人に用意されている世界を一日でも早く実現していきます」と語って頂きました。

■2社目:株式会社CAN EAT

2社目は、CAN EAT 田ヶ原様にご登壇いただきました!

<株式会社CAN EAT 代表取締役 田ヶ原 絵里様>

株式会社CAN EAT 田ヶ原 絵里様

・CAN EAT社の事業内容

CAN EAT社は、”全ての人の食事をおいしく・楽しく・健康的にする”をビジョンに掲げ、外食における食のパーソナライゼーションの実現を目指しています。

CAN EAT社は宗教やアレルギー対応に向けてサービスを展開しており、外食でのアレルギー対応からサービスを展開・拡大したいとしています。

CAN EAT社のビジョン

・アレルギー事故の原因

アレルギー事故は今もなお起こっており、大きな問題となっています。アレルギー事故の原因は、

・原材料の確認ミス
・コミュニケーションミス
・配膳ミス

などがあげられます。そこで、CAN EAT社では、

[1] アレルギー確認サービス
[2] アレルギーヒアリングサービス
[3] AI味覚分析

の3つを軸にサービスを展開しています。

[1] アレルギー確認サービス

アレルギー確認サービスはアレルゲンを判定したい食品表示を撮影し、アプリから送信するだけで、AIが自動判定し、メニューごとのアレルギー表を作成するサービスです。

外食のメニューでのアレルギー対応では、飲食店側は、

・食品表示法の正しい知識を勉強するのが難しい
・隠れたアレルゲンや原材料の見落とし
・思い込みによるミス

などの課題があり、アレルギー対応に苦労しています。また、食品表示法は2年に1度変更され、その都度、食品表示法に対応し続けることも困難です。

そこで、アレルゲンを判定したい加工品の食品表示を撮影し、アプリから送信するだけで、AIが自動判定しメニューごとのアレルギー表を作成するサービスを提供しています。

CAN EAT社が提供するアレルギー確認サービスは、多言語対応しており、このサービスを通じて、お客様はメニューごとのアレルゲン検索が簡単にできるようになります。

この仕組みによってスタッフによるアレルゲンの入力ミスを防ぐと同時に、飲食店メニューのカロリー数やアレルゲンなどのデータを集めています。

[2] アレルギーヒアリング

アレルギーヒアリングサービスは、実際に食事をする人のアレルギーの有無を事前に確認する際に使われています。

QRコードで本人から直接、アレルギーに関する情報を収集できる仕組みとなっており、婚礼・宴会・修学旅行などの幅広い団体会食の対応や宿泊施設、グルメサイトの予約時に利用されています。

また、これらのサービスを通じて、ユーザーによく見られるアレルゲンや、食事制限の理由として多い事項などを集めることができます。

・「メニューデータ」×「個人の食事嗜好のデータ」

田ケ原様は体の安全面だけを考慮した食事の提案は食のパーソナライズとは言えないのではないかと考えています。

食のパーソナライゼーションのカギは、「メニューのデータ」と「個人の食事嗜好のデータ」を組み合わせることとしており、二つのデータを組み合わせることで、外食でも健康的に食を楽しめるインフラを作っていきたいとしています。

CANEAT社は自社でデータベースを作成し、外食シーンでの食のパーソナライゼーションを実現できる仕組みの構築を目指しています。

[3] AI味覚分析

そのために開発されたのが、AI味覚分析です。個人の食の好みや、おいしいと感じる瞬間などの、人の味覚データを可視化してその人の好きな物・苦手なものを可視化できます。

上記2点のサービスに加えてこのAI味覚分析のアルゴリズムを組み合わせることで、ユーザーが外食を安心して楽しむことができるパーソナライズシステムを作っていきたいとしています。

CAN EATデータベースの構築と利用

また、このAI味覚分析は婚活、健康リスク診断などの場面でも活用されているそうです。

■3社目:株式会社ウェルナス

3社目は、ウェルナス 小山様にご登壇いただきました!

<株式会社ウェルナス 代表取締役 小山 正浩様>

株式会社ウェルナス 小山 正浩様

・ウェルナス社の事業内容

ウェルナス社は、世界初の「AI食」技術を開発しました。同社は、「AI食」で個人の目標達成をサポートする、栄養2.0の世界を見れる食情報提案アプリ「NEWTRISH」を提供しています。

NEWTRISHアプリを開発した背景には、小山様自身が10代の頃から高血圧と睡眠障害に悩まされてきた経験があると言います。小山様は、これを薬ではなく食事で何とかしたいと考え、自身の健康を改善する食事を探し続けました。最終的に、自分に合う食事に出会うまでに約10年という膨大な時間がかかったと言います。

その経験から、自分に寄り添った食事を提案してくれるシステムがあれば多くの人が、自分の幸せを目指せるのではないかと考え、「AI食」技術を開発。これをNEWTRISHアプリに搭載しました。

・AI食とは

AI食とは、個人の体質や生活習慣に合わせて、完全に自分のため“だけ”にパーソナライズされた食事(個別栄養最適食)のことです。

AI食について

個人の食、体のデータを、「AI食技術(特許取得済み)」によって個別に解析して体データを改善または改悪する栄養素を特定し、体重の減少などといった自己実現目標を達成するために栄養素量を最適化・調整した食事と、位置付けています。普段通りの食材が活用されるため、見た目は普通ですが、その中身は栄養素量が個人に最適化された食事になるのです。

・NEWTRISHについて

NEWTRISHはこのAI食技術を用いて、個人の目標に沿って個別最適化したAI食情報を提案し、個人が行う体の自己管理をサポートするスマートフォンアプリです。

アプリでは、サービスを3つのプラン(Lite、Basic、Supremacy(β版))から選択できます。また、それぞれのプランには目標に応じた3つのコース(体重、体脂肪、血圧)が用意されています。

3つのプランの詳細は以下のようになっています。

・Liteプラン:月額無料。自分に本当に合った栄養素を知ることができます。
・Basicプラン:月額1,400円。栄養素に加えてオススメの食材も教えてくれます。
・Supremacy(β版)プラン:月額44,800円。ユーザーの希望に沿った献立を提案してくれます。

NEWTRISHの特徴は

[1] ユーザー個人の目標実現に影響する栄養素を見える化
[2] オーダーメイドの栄養調整献立により、糖質制限などにとらわれない「
我慢しない食事」で実現が可能

の2点にあります。

AI食技術により、ユーザー個人の目標に合う栄養素を見える化することで、一般的な規格基準に囚われることのない、ユーザーに寄り添った提案が可能となっています。

そのため、ユーザーは自身の食事嗜好などを我慢することなく、自分の目標を達成できる食事を楽しむことができると期待されています。

・体重管理では8割の人が目標達成

昨年、NEWTRISHのベータ版を用いて体重管理を行う実証試験が100名規模で行われました。この実証試験では、カロリーを維持したAI食による体重改善効果の評価を、異なるAI食の摂取頻度で群分けして調査しました。

NEWTRISHによる体重管理の実証実験結果

実証実験では、

・1日3食AI食を食べた人のグループでは8割の人が体重減少
・1日1食の人のグループでも6割の人が体重減少
・平日のみ3食の人も約8割が体重減少

といった驚くべき結果が見られました。

この結果から、自身のライフスタイルに合わせて摂取頻度を設定しても、NEWTRISHのAI食サービスを効果的に利用していただけることも分かったと小山様は言います。

・今後について

小山様は、今後食べるだけでWell-beingを実現できる世界を目指したいと考えています。「AI食」技術を用いて、フードテックサービスや、食品メーカーなど様々な食にまつわるプレイヤーと協力しながら、オープンイノベーションを起こしていきたいとのことです。

■4社目:株式会社おいしい健康

4社目は、おいしい健康 野尻様にご登壇いただきました!

<株式会社おいしい健康 代表取締役CEO 野尻 哲也様>

株式会社おいしい健康 野尻 哲也様

・おいしい健康社の事業内容

おいしい健康社は、元はクックパッド社の社内プロジェクトとして誕生しました。そして、クックパッド社から独立し現在に至ります。
そんなおいしい健康社は”誰もがいつまでもおいしく食べられるように”をビジョンに掲げ、病気の予防治療を目的としたパーソナライズ献立提案・健康管理アプリ「おいしい健康」を提供しています。

現代の日本人の死亡における予防可能な危険因子の多くに食事が関係しています。しかし、食事について課題を抱える人が多い一方で、自分の食事や栄養について相談できる専門家がおらず、食事をだれに相談すればいいか分からないといった問題が起こっています。

食に関する医療空白の実態

実際に、ほとんどの医師が、患者さんから食事の相談を受けたことがあると野尻様は言います。しかし、食事の知識・ソース不足から対応が困難になっているそうです。

病気の予防や治療において食事はとても大切である一方で、多くの病院では管理栄養士が不足しており、食事の管理に困っています。

そこで、おいしい健康社は、人生100年時代における健康・医療問題を「食と健康の最適技術」で”おいしく”解決することを目指します。

・パーソナライズされた献立の提案

生活者・患者の多くは「何を食べたら良いか分からない」と感じています。家庭で食事を作る際に、献立を考えることに苦労する人も多いのではないでしょうか。そこで、献立レシピを紹介するサービスが普及しています。

おいしい健康社ではさらに踏み込んで、

・好き嫌い/アレルギー
・冷蔵庫の余りもの
・時短/手間、買い物
・レパートリー

などを踏まえて、栄養を担保しながらその人にベストな食事を提案するサービスを提供しています。

野尻様は、食の困りごとを解決し行動変容を最小化、ゼロにすることを目指していると言います。

・パーソナライズ献立提案・健康管理アプリ「おいしい健康」について

おいしい健康アプリは

[1] ご自身や家族の健康状態を登録
[2] パーソナライズレシピ検索
[3] AI献立提案
[4] 自分の栄養傾向を見える化

のステップで利用することができます。

健康状態を登録することで、エビデンスに基づいた食事基準が自動で設定され、AIが提案してくれた献立の中からメニューを自由に選択することができます。

・なぜ「おいしい」?

これまでは食事摂取基準を軸に、食事を制限されていたため、美味しくないメニューになってしまうことがありました。

一方、おいしい健康社では、著名料理家の人気レシピをおいしい健康社の管理栄養士が監修・アレンジしています。その結果、おいしさを担保しながら栄養バランスの取れたおいしい献立の提供を実現しています。

食のバリアフリーの実現へ

その人の健康状態などによって「良い食事」は一人ひとり異なります。おいしい健康社では現在、73種類の食事の目的・疾患に対応しており、これらを組み合わせることで78万通りの属性に対応することができます。

おいしい健康社は、今後2年ほどで、世界中のあらゆる疾患・健康状態の食事に対応し、あらゆる人の食と健康課題を解決することで食のバリアフリーを実現したいとしています。

まとめ

今回は、フード×パーソナライズの代表的な4社のお話をお聞きしました。

食のパーソナライズが実現することで、アレルギー対応や健康などこれまで解決できなかった問題の解決ができるようになります。また、家庭の食事のサポートやシェフ、栄養士、調理師の方の新しい働き方にも繋がるなど、食のパーソナライズを中心に多くの課題の解決の糸口となりそうです。

フード×パーソナライズのサービスが普及した世界は非常に楽しみですね!

今後もドコモ・ベンチャーズでは毎週1回以上のペースで定期的にイベントを実施し、その内容を本noteでレポートしていきます。

引き続きイベントレポートを配信していきますので、乞うご期待ください!!

>>今後のドコモ・ベンチャーズのイベントはこちら


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